「ぬらりひょんの孫」という作品を覚えていますか?2000年代後半から2010年代初頭にかけて、週刊少年ジャンプの「和風ファンタジー」枠として絶大な人気を誇った名作です。
しかし、ファンの間では今でも「あの終わり方は打ち切りだったんじゃないか?」「本当はもっと続くはずだったのでは?」という疑問が絶えません。ジャンプという戦場で戦い抜いたリクオたちの物語が、なぜあのような形になったのか。
今回は、多くの読者が気になっている「ぬらりひょんの孫は打ち切りだったのか?」という謎について、当時の連載状況や完結までの裏側を深掘りして解説していきます。
ぬらりひょんの孫が「打ち切り」と噂される最大の理由
まず結論からお話しすると、「ぬらりひょんの孫」は週刊少年ジャンプ本誌での連載こそ終了しましたが、物語が途中で投げ出されたわけではありません。
しかし、なぜこれほどまでに「打ち切り」というワードが定着してしまったのでしょうか。それには、ジャンプ独自の「掲載順位」と「移籍」というシステムが深く関わっています。
連載末期、本作は掲載順位がいわゆる「ドベ(最後尾)」付近に停滞することが増えていました。ジャンプはアンケート至上主義。順位が振るわない作品は、どんなに人気があった過去があっても「枠」を譲らなければならない運命にあります。
結果として、本誌での連載は「葵螺旋城」での最終決戦の途中で幕を閉じることになりました。ジャンプ本誌の最終回だけを読んだ読者からすれば、「えっ、ここで終わり?」「これから決着じゃないの?」と感じる唐突な終わり方だったため、打ち切りという印象が強く残ってしまったのです。
本誌終了から「完結」までの特殊な道のり
本誌で「俺たちの戦いはこれからだ!」に近い終わり方をした本作ですが、実はその後に「救済措置」とも言える完結編が用意されていました。
当時、増刊号であった「ジャンプNEXT!」へ移籍し、そこで3ヶ月に1回というゆったりとしたペースで、3回にわたる完結編が掲載されたのです。これは、人気や貢献度が認められていた作品だからこそ許された異例の処置でした。
この完結編によって、宿敵・安倍晴明との決戦や、リクオの「畏」の完成、そして奴良組のその後がしっかりと描かれました。本誌しか追っていなかった読者は知らないかもしれませんが、物語は25巻という節目で、作者の椎橋寛先生の手によってしっかりと完結まで導かれています。
もし物語の結末を知らずにモヤモヤしている方がいたら、ぜひ単行本 ぬらりひょんの孫 の最終巻をチェックしてみてください。そこには、本誌連載時よりも圧倒的な熱量で描かれた「真の最終回」が存在します。
なぜ掲載順位が低迷してしまったのか?
全盛期にはアニメ化やゲーム化、ドラマCD化まで果たし、看板作品の一角を担っていた「ぬらりひょんの孫」。なぜ後半になって失速してしまったのか、いくつかの要因が考えられます。
一つは、物語のピークが「京都編」に集中してしまったことです。羽衣狐との戦いや、リクオの成長、そして父親である鯉伴の過去など、京都編は構成・作画ともに最高潮でした。その後のエピソードが、どうしても京都編のインパクトを超えられず、中だるみを感じてしまった読者が一定数いたようです。
また、バトルの描写が徐々にマニアックかつ複雑化していったことも理由に挙げられます。「畏」を纏う、あるいは「発」や「憑」といった概念は非常に格好良く、和風ファンタジーとしての深みを出していましたが、少年誌のバトルとしては少し分かりにくくなってしまった側面もありました。
さらに、当時のジャンプ本誌は「暗殺教室」や「ハイキュー!!」、「黒子のバスケ」といった強力な新連載が次々とヒットを飛ばしていた時期です。ベテランとルーキーがひしめき合う中で、中堅どころだった本作が押し出される形になったのは、ある意味でジャンプの黄金期ゆえの悲劇だったのかもしれません。
椎橋寛先生の画力と「和」へのこだわり
本作を語る上で絶対に外せないのが、椎橋寛先生の圧倒的な画力です。特に妖怪たちが現れる際の「墨絵」を彷彿とさせる荒々しくも美しいタッチは、他の作家には真似できない唯一無二の魅力でした。
妖怪一人ひとりのデザインも秀逸で、伝承に基づきながらもスタイリッシュにアレンジされたキャラクターたちは、今見ても全く古さを感じさせません。
リクオが百鬼夜行を率いるシーンの迫力や、夜の静寂を感じさせる背景描写など、視覚的な楽しさはジャンプ作品の中でもトップクラスでした。この画力があったからこそ、本誌連載終了後も熱狂的なファンが離れず、増刊号での完結を勝ち取ることができたのだと言えます。
アニメ続編(3期)の可能性は残されているのか
連載終了後、ファンの間で長らく待ち望まれているのがアニメの続編です。アニメは第2期「ぬらりひょんの孫 千年魔京」まで放送されましたが、物語の完結までは描かれませんでした。
「アニメ3期はいつやるの?」という声は今でも多いですが、現状ではかなり厳しい状況と言わざるを得ません。アニメ制作から10年以上が経過しており、商業的なタイミングとしては旬を過ぎているからです。
しかし、最近のトレンドとして「完結から時間が経った名作のリブート・続編制作」が流行しています。もし今後、何らかの形でリバイバルブームが起きれば、最終決戦までをアニメ化する道もゼロではないかもしれません。
アニメ版を楽しんでいた方は、サウンドトラックや映像ソフト ぬらりひょんの孫 Blu-ray を見返しながら、いつか来るかもしれない「その時」を待つのも一つの楽しみ方でしょう。
ぬらりひょんの孫は今も愛され続ける名作
連載終了から時間が経った現在でも、SNSでは「リクオ様が理想のリーダー」「氷麗が可愛すぎる」といった投稿が散見されます。2023年には連載15周年を記念した原画展が開催されるなど、コンテンツとしての生命力は非常に強いままです。
「打ち切り」という言葉だけを聞くと、まるで失敗作のように聞こえてしまうかもしれません。しかし、本作の実態は「ジャンプという過酷な環境で戦い抜き、場所を変えてまで物語を完結させた、作者とファンの愛の結晶」です。
妖怪と人間、任侠と絆。そんな熱いテーマを美麗なイラストで描ききったこの作品は、間違いなく日本の漫画史に刻まれるべき傑作の一つです。
まとめ:ぬらりひょんの孫は打ち切りだった?連載終了の真相
あらためて整理すると、「ぬらりひょんの孫」は決して中途半端に終わった「打ち切り」作品ではありません。
- ジャンプ本誌では掲載順位の関係で終了したが、増刊号へ移籍して完結した
- 単行本25巻には、本誌で描ききれなかった決戦と後日談が完全収録されている
- 作者の画力とこだわりは最後まで衰えず、今もなお多くのファンに支持されている
もし「昔読んでいたけど、最後はどうなったか知らない」という方がいれば、ぜひこの機会に全巻読み直してみてください。電子書籍 kindle などでも気軽に手に取ることができます。
三代にわたる奴良組の絆と、リクオが辿り着いた答え。それを知ったとき、あなたの中にある「打ち切り」というイメージは、きっと素晴らしい「完結」の記憶へと書き換えられるはずです。
ぬらりひょんの孫は、今読み返しても新しい発見がある、時を超えて愛されるべき物語なのです。

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