90年代の「月刊少年ガンガン」を代表する大人気ファンタジー漫画といえば、多くの人が『まもって守護月天!』を思い浮かべるのではないでしょうか。精霊のシャオと中学生の太助が織りなす、切なくも温かい共同生活に胸を熱くしたファンは多いはずです。
しかし、この作品には長年「打ち切りだったのではないか?」という噂が絶えませんでした。物語が急に終わったように見えたり、続編がなかなか進まなかったりと、ファンをやきもきさせた時期が長かったからです。
今回は、多くの読者が気になっている『まもって守護月天!』の打ち切り理由の真相や、当時のエニックスお家騒動、そして27年の時を経てついに辿り着いた完結までの軌跡を徹底的に解説していきます。
「打ち切り」と誤解される最大のきっかけは出版社移籍だった
まず結論からお伝えすると、最初の連載である「月刊少年ガンガン」版の終了は、作品の人気低迷による打ち切りではありません。その裏には、当時の漫画業界を揺るがした「エニックスお家騒動」という巨大なトラブルがありました。
2000年前後、スクウェア・エニックス(当時はエニックス)の編集部内で、経営陣と現場の編集者の間で深刻な対立が起こりました。その結果、当時の編集長をはじめとする主要スタッフが会社を去り、新しく「マッグガーデン」という出版社を設立することになったのです。
この際、桜野みねね先生を含む多くの看板作家たちが、信頼する編集者に付いていく形で移籍を決断しました。これにより、ガンガンで連載中だった物語は、区切りの悪いところで一旦幕を閉じざるを得なくなりました。
読者からすれば、人気絶頂だったはずの作品が急に誌面から消え、別の雑誌で再スタートを切る形になったため、「不自然な終わり方=打ち切り」という印象が強く残ってしまったのです。
続編「再臨伝」を襲った作者・桜野みねね先生の病気
出版社をマッグガーデンに移し、心機一転スタートしたのが続編となる『まもって守護月天! 再臨伝』です。ファンは待望の再開に歓喜しましたが、ここでもまた「打ち切り」を想起させる悲劇が起こります。
連載が進むにつれ、桜野みねね先生の体調不良による休載が目立つようになりました。当時の先生は、精神的なプレッシャーや多忙、そして持病の悪化が重なり、ペンを握り続けることが困難な状況に陥っていたと言われています。
結局、『再臨伝』は物語が核心に迫る前に長期休載へと入り、そのまま「連載終了」という形をとることになりました。この「未完のまま終わってしまった感」が、再び打ち切り説を補強する結果となってしまったのです。
20年以上の時を経て「解封の章」で果たされた約束
長らく「未完の名作」として語り継がれてきた本作ですが、物語はそこで終わりませんでした。2015年、Webコミックサイト「マグコミ」にて、最新シリーズとなる『まもって守護月天! 解封の章』の連載がスタートしたのです。
この新シリーズは、桜野先生が「今度こそ最後まで描き切りたい」という強い覚悟を持って挑んだ作品でした。かつての『再臨伝』で描き切れなかった伏線や、シャオと太助の心の距離、そして精霊としての宿命といった重要なテーマが、現代の美麗な画風で丁寧に描かれました。
かつてのファンも、新しく作品を知った若い世代も、この再始動には大きな衝撃と喜びを感じたはずです。何より、作者本人が病気を乗り越え、再びシャオたちと向き合ってくれたこと自体が、ファンにとっては最高のプレゼントでした。
27年目のグランドフィナーレと作品への愛
そして、ついにその時が訪れます。2023年、『まもって守護月天! 解封の章』は全8巻をもって完結を迎えました。1996年の連載開始から数えれば、実に27年という歳月をかけた壮大な物語の幕引きです。
最終回では、太助とシャオがどのような答えを出したのか、そして読者が長年待ち望んでいた「幸せな結末」がしっかりと描かれました。これは、単なる連載終了ではなく、作者と読者が長年共有してきた「想い」が結実した瞬間でもありました。
もし、この記事を読んでいる方の中に「昔読んでいたけど、結局どうなったの?」と気になっている方がいたら、ぜひ最新の電子書籍などでまもって守護月天! 解封の章を手に取ってみてください。あの頃の優しい空気感はそのままに、より深く、より愛おしい結末が待っています。
まとめ:まもって守護月天!の打ち切り理由は?エニックス騒動の真相と完結までの経緯を解説
長年囁かれてきた『まもって守護月天!』の打ち切り説。その実態は、出版社の激動に巻き込まれた移籍劇と、作者の懸命な闘病生活という、非常に困難な道のりの連続でした。
- ガンガン版の終了は、人気低迷ではなく出版社側の騒動による移籍が理由。
- 続編『再臨伝』の未完は、作者・桜野みねね先生の深刻な体調不良が原因。
- 2015年からの『解封の章』によって、物語は27年越しに最高の形で完結。
打ち切りという悲しい言葉で片付けられがちだった本作ですが、実際には「作者がどんなに苦しくても決して諦めなかった、愛の物語」だったと言えるでしょう。今だからこそ、全編を通して読み返してみると、当時とは違った感動を味わえるかもしれません。
シャオが太助に注いできた無償の愛のように、この作品もまた、時代を超えて多くのファンに守られ、愛され続けていくことでしょう。

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