1980年代後半、週刊少年ジャンプが「黄金期」と呼ばれ、発行部数が爆発的に伸びていた時代。その熱気の中で、異彩を放つ一際パワフルな漫画がありました。それが、にわのまこと先生のデビュー作『THE MOMOTAROH(ザ・モモタロウ)』です。
おとぎ話の「桃太郎」の末裔が、最新鋭のプロレスコスチュームに身を包み、世界の強豪とリングで戦う。そんな斬新すぎる設定に、当時の少年たちは一瞬で心を奪われました。しかし、物語が最高潮に盛り上がっていたはずの10巻で、連載は突如として幕を閉じます。
「あんなに面白かったのに、もしかして打ち切りだったの?」
「急な展開で終わった気がするけど、真相はどうなんだろう?」
そんな疑問を抱え続けているファンも多いはず。今回は、当時のジャンプの状況や作者の背景を紐解きながら、『ザ・モモタロウ』の連載終了に隠された真実に迫ります。
黄金期ジャンプの「打ち切り」という高い壁
まず、当時の週刊少年ジャンプがいかに過酷な環境だったかを振り返る必要があります。1980年代後半から90年代初頭にかけては、『ドラゴンボール』や『聖闘士星矢』、『北斗の拳』、『ジョジョの奇妙な冒険』といった、今や伝説となっている作品がひしめき合っていました。
ジャンプには「アンケート至上主義」という鉄の掟があります。読者アンケートで順位が下がれば、どんなに勢いのある作品でも即座に連載終了が検討される世界です。『ザ・モモタロウ』も、この熾烈なサバイバルレースの中にいました。
実は、10巻というボリュームは、当時のジャンプにおいて非常に「怪しい」ラインだと言われてきました。人気が絶頂であれば20巻、30巻と引き伸ばされるのが常であり、10巻前後で終わる作品は、人気が低迷して打ち切られたのではないかと勘繰られる傾向があったのです。
しかし、本作を単純な「人気低迷による打ち切り」と切り捨てるのは早計です。なぜなら、最終回に向けての展開は非常に熱く、読者を置き去りにするような「投げっぱなし」の状態ではなかったからです。
プロレス漫画としての完成度と独自の立ち位置
『ザ・モモタロウ』の魅力は、単なる格闘漫画に留まらない「プロレス愛」にありました。にわのまこと先生自身がプロレスの熱狂的なファンであり、作中に登場する技の数々や、タッグマッチの駆け引き、そして「魅せる戦い」の美学は、当時のプロレス少年たちを唸らせるものばかりでした。
中盤以降の「ムー帝国編」などは、物語のスケールが地球規模にまで拡大し、能力者バトル的な要素も強まりました。それでも、根底にあるのはプロレス的なマイクパフォーマンスやエンターテインメント性でした。
この「プロレス」というジャンルが、実は諸刃の剣だったのかもしれません。王道のバトル漫画が「強さのインフレ」を加速させていく中で、一定のルールが存在するプロレスという枠組みは、物語をどこまでも長く続けるには制約が多かった可能性もあります。
打ち切りを心配される掲載順位についても、中盤までは常に安定した位置をキープしていました。後半にかけて少しずつ順位を下げる場面はありましたが、それでも固定ファンの熱量は凄まじく、単行本の売れ行きも決して悪くはありませんでした。
物語の着地点と作者にわのまこと先生の決断
最終回の内容を思い出してみましょう。主人公のモモタロウは、最後の戦いを終えた後、さらなる高みを目指して修行の旅に出ることを決意します。そして、長年支えてくれたヒロインの美樹に、自身の象徴であるマスクを託すのです。
このラストシーンは、非常に爽やかで「物語の第一部が完結した」という納得感がありました。打ち切り作品にありがちな、未回収の伏線を放置して無理やり終わらせたような形跡はほとんど見られません。
むしろ、作者であるにわの先生が、デビュー作としてのエネルギーをすべて出し切り、最高の状態で作中の幕を引こうとした「円満な区切り」だったという見方が強いのです。作家にとって、だらだらと人気だけで連載を続けるよりも、勢いがあるうちに美しく終わらせることは、一つの理想的な形でもあります。
本作完結後、にわの先生は『超機動員ヴァンダー』、そして大ヒット作『真島クンすっとばす!!』へと筆を進めていきます。これらの作品へのスムーズな移行を考えると、編集部との間でも「次のステップへ進むための完結」という合意があったと考えるのが自然でしょう。
完結後に証明された「打ち切りではない」証拠
もし本当に不名誉な打ち切りだったのであれば、その後の扱いは冷遇されるのが一般的です。しかし、『ザ・モモタロウ』はその逆を辿りました。
連載終了から数十年経っても、電子書籍版が広く読まれ、コンビニコミックやワイド版として何度も復刻されています。さらに特筆すべきは、正統な続編である『THE MOMOTAROH 2』が後に描かれている点です。
打ち切られた作品が、何年も経ってから同じ作者によって続編が描かれるケースは極めて稀です。これは、作者自身がこのキャラクターたちを愛し、描き足りなかった物語を大切に温めていたからに他なりません。
また、にわの先生の他の作品には、『ザ・モモタロウ』のキャラクターがゲスト出演したり、その血縁者が登場したりすることも珍しくありません。作品の垣根を超えた「にわのユニバース」の中心点として、本作は今もなお生き続けているのです。
プロレス・おとぎ話・ギャグの奇跡的な融合
改めて本作を振り返ると、そのバランス感覚の素晴らしさに驚かされます。桃太郎、浦島太郎、金太郎といった誰もが知るキャラクターを現代風にアレンジし、そこに本格的な格闘技の理論をミックスする。
序盤のハチャメチャなギャグ路線から、次第にシリアスで熱いプロレスバトルへと移行していく流れは、読者を飽きさせない工夫に満ちていました。もしこれが単なる打ち切りであれば、これほどまでに長く語り継がれることはなかったはずです。
今から本作を読み返したいという方には、Kindleなどの電子書籍がおすすめです。Kindle Paperwhiteのようなデバイスがあれば、当時の熱いバトルをいつでもどこでも鮮明な画質で楽しむことができます。
まとめ:ザ・モモタロウは打ち切りだったのか?その真相
結論として、『ザ・モモタロウ』は決して不名誉な打ち切りではありませんでした。
確かに、当時のジャンプの過酷なアンケート競争の中で、掲載順位の変動というプレッシャーはあったでしょう。しかし、10巻という物語の密度、そして読者に希望を与える爽やかな最終回、さらには後年に発表された続編の存在。これらすべてが、本作が多くの人に愛され、納得のいく形で幕を下ろした「伝説の作品」であることを証明しています。
少年時代の熱狂を覚えている人も、これから初めて触れる人も、あの熱いリングの鼓動を感じてみてはいかがでしょうか。モモタロウが美樹に預けたマスクは、今も私たちの心の中で輝き続けています。
にわのまこと先生の圧倒的な画力で描かれる肉体美と、手に汗握る技の応酬。もし手元に当時の単行本がなくても、今は便利な時代です。最新のタブレットなどで、ぜひあの興奮を再確認してみてください。
さて、あなたの記憶にある『ザ・モモタロウ』の名シーンはどこでしょうか?物語の真相を知った上で読み返すと、最終回のあの夕陽のシーンが、また違った深い意味を持って見えてくるかもしれません。
**ザ・モモタロウは打ち切りだった?連載終了の真相と意外な結末を徹底調査!**というテーマでお届けしましたが、皆さんの心のモヤモヤは晴れたでしょうか。これからも、色褪せない名作漫画の魅力を一緒に掘り下げていきましょう。
次は、にわの先生の別作品についても深く掘り下げてみたいと思います。興味がある方は、ぜひフォローして続報をお待ちください!

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