タコピーの原罪は打ち切り?全2巻で完結した理由と結末の賛否を徹底解説!

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「ハッピー、ピ!」という可愛らしい鳴き声とは裏腹に、読み進めるほどに精神を削られるような鬱展開で日本中を震撼させた漫画『タコピーの原罪』。

2021年から「少年ジャンプ+」で連載が始まると、瞬く間にSNSのトレンドを独占し、社会現象と言えるほどの盛り上がりを見せました。しかし、物語はわずか全16話、単行本にして上下巻の2冊で完結。「え、もう終わり?」「こんなに人気なのにどうして?」と、あまりの短さに驚いた方も多かったはずです。

その衝撃の早さゆえ、ネット上では「実は打ち切りだったんじゃないか?」という噂が絶えません。今回は、なぜ本作がこれほど短期間で完結したのか、その裏側に迫るとともに、読者の間で激しく意見が分かれた結末の真意について徹底的に深掘りしていきます。


打ち切り説の真相:なぜ「全2巻」で完結したのか

結論からお伝えすると、『タコピーの原罪』は打ち切りではなく、最初から構成が決められていた「短期集中連載」であった可能性が極めて高いです。

通常、漫画業界において打ち切りが判断される最大の理由は「不人気」です。アンケートの結果が悪かったり、単行本が売れなかったりした場合、物語を強引に畳まざるを得なくなります。しかし、本作に関してはその真逆でした。

「少年ジャンプ+」史上、初めて1話あたりの閲覧数が200万を超え、最終回までその勢いは衰えませんでした。これほど収益性の高いコンテンツを、編集部が志半ばで終わらせる理由は一つもありません。むしろ、これだけ話題になっているなら「もっと引き伸ばしてほしい」とすら思っていたはずです。

それにもかかわらず短期間で終わったのは、作者であるタイザン5先生の中に「この物語を最も美しく、最も残酷に届けるための最適な尺」が最初から明確に存在していたからでしょう。

急ぎ足に感じた理由は「密度の濃さ」にある

打ち切りの噂が流れた要因の一つに、後半の急展開があります。物語の終盤、タコピーが「ハッピー道具」という便利アイテムに頼るのをやめ、自らの存在を賭して過去をやり直そうとする流れは、確かに怒涛の勢いでした。

しずか、まりな、東くんという、それぞれに救いようのない家庭環境を抱えた子供たちの問題が、ラスト2話ほどで一気に収束へと向かいます。このスピード感が、長期連載に慣れた読者からすると「尺が足りなくて急いで畳んだ」ように見えてしまったのかもしれません。

しかし、読み返してみると、1話1話に込められた情報の密度は凄まじいものがあります。無駄なエピソードを一切削ぎ落とし、読者の感情を最短距離でクライマックスへ連れて行く。この「密度の濃さ」こそが、本作が伝説的な作品となった理由であり、決して打ち切りによる弊害ではないことがわかります。

「救いがない」ようで「救いがある」ラストシーンの解釈

『タコピーの原罪』の結末については、今でもファンの間で「最高のハッピーエンドだ」という声と「これ以上のバッドエンドはない」という声が入り混じっています。

物語の最後、タコピーは自分の命(存在)を代償に、しずかとまりなが出会い直す世界線を作ります。そこにはもう、空飛ぶタコも、不思議なハッピー道具も存在しません。あるのは、ただの「日常」です。

これを救いだと感じる人は、魔法のような解決策ではなく、人間同士が初めて「おはなし(対話)」を始めたことに光を見出しています。タコピーという異分子がいなくなることで、子供たちはようやく自分の力で現実に立ち向かう切符を手に入れたのです。

一方で、否定的な意見を持つ人は、根本的な問題が解決していない点に着目します。親のネグレクト、家庭内暴力、貧困。こうした大人の世界の汚さは、タコピーが消えた後も厳然として存在し続けています。「結局、子供たちが地獄のような現実で生き抜かなきゃいけないのは変わらないじゃないか」という絶望感が、この結末を「賛否両論」のものにしました。

タイザン5先生が描きたかった「対話」という罪

作品タイトルにある「原罪」とは何を指すのでしょうか。

タコピーは良かれと思ってハッピー道具を出しますが、それは結果として事態を悪化させ、殺人を招き、誰かの心を壊してきました。「良意による無知な介入」こそがタコピーの罪だったのかもしれません。

しかし、最終的にタコピーが選んだのは、道具を捨てることでした。相手が何を考えているのか分からない、自分の言葉が届かないかもしれない。それでも、相手と向き合って「おはなし」をすること。

本作が短期間で完結した本当の理由は、この「対話の始まり」を描くことこそがゴールだったからではないでしょうか。問題をすべて解決して大団円にするのではなく、解決への一歩目を踏み出した瞬間に幕を下ろす。その潔さこそが、タイザン5先生の作家性なのです。

タコピーの原罪

『タコピーの原罪』を読み返して気づく、細かな伏線の数々

全2巻という短さだからこそ、何度も読み返すことで発見できる仕掛けが随所に散りばめられています。

例えば、作中に登場する小道具や、キャラクターたちの些細な表情の変化。1回目には「ただのサイコパスな行動」に見えたものが、背景を知った2回目には「愛情への飢えが生んだ悲鳴」に聞こえてくるはずです。

しずかのランドセルの中身や、まりなのリボンの意味、そして東くんが抱えていた劣等感の正体。これらがすべて計算し尽くされて配置されていることに気づくと、この物語に1話も欠かすことができないことが理解できるでしょう。

もしこれが10巻、20巻と続く長期連載になっていたら、この緊張感と絶望の純度は保てなかったかもしれません。読者を飽きさせるどころか、息つく暇も与えずに完結させた。それこそが、本作が「打ち切り」ではなく「計算された完結」である証拠です。

現代社会が『タコピーの原罪』に熱狂した理由

なぜ、これほどまでに心が痛くなる物語が、多くの若者や大人たちに支持されたのでしょうか。それは、作中で描かれる「地獄」が、私たちの現実と地続きだったからに他なりません。

SNSでのいじめ、家庭内格差、親の期待という名の呪縛。タコピーというファンタジーな存在を介して描かれたのは、極めてリアルで生々しい現代の病理でした。

私たちはどこかで「タコピーのような存在が、魔法の道具で自分の人生を書き換えてくれないか」と願っています。しかし、物語はその淡い期待を無惨に打ち砕きます。「魔法なんてない。あるのは言葉だけだ」と。

この突き放すようなリアリズムが、嘘偽りのない「誠実な物語」として、多くの人の心に深く刺さったのです。

タコピーの原罪は打ち切り?全2巻で完結した理由と結末の賛否を徹底解説!:まとめ

改めて振り返ると、『タコピーの原罪』という作品は、まさに流星のような存在でした。

瞬く間に現れて、夜空を真っ赤に染め上げるほどの輝きを放ち、そして誰もが「もっと見ていたい」と願う瞬間に消えていった。その鮮烈な幕引きこそが、この作品を伝説へと押し上げた最大の要因です。

「打ち切り」という言葉は、本来、志半ばで終わる無念を指すものです。しかし本作に関しては、物語が、キャラクターが、そして作者の情熱が、全16話の中にすべて完璧に収まっています。

結末に救いを感じるか、それとも絶望を感じるか。それは読者一人ひとりに委ねられています。もしあなたがまだ「あんなに短かったから、何かを語り落としているのではないか」と感じているなら、ぜひもう一度、上下巻を手に取ってみてください。そこには、タコピーが命をかけて残した「おはなし」の種が、確かに植えられているはずですから。

タコピーの原罪 上 タコピーの原罪 下

最後まで読み終えたとき、あなたはきっと気づくはずです。タコピーがいなくなったこの世界で、誰かと「おはなし」をすることの難しさと、その尊さに。

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