「ゾンビもののアニメや漫画で一番面白かったのは?」と聞かれたら、多くの人が『学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD』(略称:H.O.T.D.)の名を挙げるのではないでしょうか。
パンデミックによって崩壊していく日常、極限状態での人間ドラマ、そして佐藤ショウジ先生による圧倒的に美麗でセクシーなキャラクターたち。どれをとっても超一流のエンターテインメントでしたよね。
しかし、この作品は物語の核心に迫る途中で止まったままになっています。ファンとしては「どうして続きが出ないの?」「実質的な打ち切りなの?」とヤキモキしてしまいますよね。
今回は、多くのファンが気になっている「ハイスクール・オブ・ザ・デッド打ち切りの理由」と、現在の状況、そして気になる連載再開の可能性について、胸が痛くなるような真実も含めて詳しくお話ししていきます。
打ち切りの真相:最大の理由は原作者・佐藤大輔先生の逝去
結論からお伝えすると、本作が未完のまま止まっている最大の理由は、原作者である佐藤大輔先生が2017年に亡くなられたことにあります。
多くのファンが「打ち切り」という言葉を使いますが、正確には編集部が連載を止めたわけではなく、物語を生み出す「源泉」が失われてしまったことによる「絶筆」なのです。
- 2017年3月22日、52歳の若さでの旅立ち佐藤先生は以前から心臓に持病を抱えておられました。死因は「虚血性心疾患」と発表されています。50代という、作家としてますます深みが増していく時期だっただけに、業界全体に大きな衝撃が走りました。
- 長期休載の裏にあった体調不良実は、亡くなられる数年前から連載は休みがちになっていました。ファンの間では「遅筆なのかな?」と心配する声もありましたが、実際には命を削りながら執筆活動を続けていたというのが本当のところだったのでしょう。
物語が最高潮に盛り上がり、主人公の小室孝たちが過酷な世界でどう生き抜くのかという瀬戸際で、作者本人がこの世を去ってしまう。これほど悲しい「未完」はありません。
なぜ別の作家が続きを描くことはできないのか?
人気作であれば、師弟関係にある作家や、ネーム(絵コンテ)を遺志として継いだ別の作家が完結させるケースも稀にあります。最近ではベルセルクのように、親友や弟子たちの手によって連載が継続される素晴らしい例もありました。
しかし、『H.O.T.D.』において、それが非常に困難である理由がいくつか存在します。
- 佐藤大輔先生にしか描けない「毒」と「知識」佐藤先生はもともと架空戦記や軍事シミュレーション小説の分野で高名な方でした。作品内に散りばめられた緻密な銃器描写、軍事戦術、そして政治的な皮肉。これらは単なる「ゾンビ漫画」の枠を超えた、佐藤先生独自の深い教養に裏打ちされたものでした。
- 作画・佐藤ショウジ先生の深い敬意作画を担当されていた佐藤ショウジ先生は、インタビューなどで「大輔さんがいない状態で、自分が勝手に物語を動かすことはできない」という趣旨の発言をされています。
- 「作品を汚したくない」という想いもし誰かが続きを描いたとしても、それは佐藤大輔氏の魂がこもった台詞ではないかもしれません。作画の佐藤先生や編集部にとって、安易に続きを作ることは、故人のこだわりや世界観を壊してしまう「冒涜」に近い行為に感じられたのではないでしょうか。
東日本大震災が執筆に与えた心理的な影響
佐藤大輔先生が筆を止めてしまった理由は、病気だけではありませんでした。2011年に発生した東日本大震災が、作品のテーマに重い影を落としたと言われています。
- 現実のパニックとフィクションの乖離『H.O.T.D.』は、世界が崩壊し、人々が混乱に陥る様を描くパニックホラーです。しかし、現実の世界で未曾有の災害が起き、多くの命が失われるのを目の当たりにした際、佐藤先生は「今、この物語を娯楽として描き続けていいのか」と激しく葛藤されたそうです。
- エンターテインメントの無力感震災後、多くのクリエイターが「自分の表現は人を傷つけないか」と悩みました。特に「世界の終焉」を描く本作にとって、現実の被災状況はあまりにも重く、物語を書き進めるためのメンタルを維持するのが難しかったと考えられます。
この心理的なブレーキが、休載を長期化させ、結果として佐藤先生が健在なうちに物語を完結させる機会を奪ってしまったのかもしれません。
アニメ2期の制作が絶望的と言われる現実的な問題
漫画だけでなく、アニメ版のファンも非常に多いのが本作の特徴です。マッドハウス制作によるハイクオリティな映像、岸田教団&THE明星ロケッツによる疾走感あふれる主題歌は、今聴いても鳥肌が立ちます。
しかし、アニメ2期の制作も、現状ではほぼ不可能と言わざるを得ません。
- 原作ストックが圧倒的に足りないアニメ1期は、単行本の第4巻あたりまでを非常にテンポよく消化しました。現在発売されている単行本は第7巻までです。つまり、アニメ1クール(12話前後)を作るためのエピソードが、物理的に足りていないのです。
- 「着地点」のない物語を作るリスク原作が完結していれば、アニメオリジナルの展開を挟んで終わらせることもできます。しかし、原作者不在で結末のプランも不明な中、制作会社が勝手に結末を作ることはファンからの反発を招きやすく、ビジネスとしても極めてリスクが高い判断になります。
今私たちができるのは、ハイスクール・オブ・ザ・デッド Blu-rayを繰り返し見て、当時の興奮を思い出すことだけなのかもしれません。
精神的後継作としての『トリアージX』
『H.O.T.D.』の続きは読めませんが、作画の佐藤ショウジ先生は現在、別作品でその才能を爆発させています。それがトリアージXです。
- スターシステムのようなキャラクター描写『トリアージX』には、どこか『H.O.T.D.』の面影を感じさせるキャラクターが登場することがあります。佐藤ショウジ先生特有の、美しく強く、そしてセクシーな女性たちの活躍は、本作のファンであれば間違いなくハマるはずです。
- アクションへのこだわり銃器描写やバイオレンスアクションのキレは、さらに磨きがかかっています。佐藤大輔先生と共に歩んだ経験が、今の佐藤ショウジ先生の筆致に息づいているのを感じると、ファンとしては少し救われた気持ちになります。
漫画は第7巻で停止中。ファンはどう向き合うべきか
現在、コミックスは7巻まで発売されていますが、物語はまさに「さあ、ここからどうなる!?」という、ショッピングモールを脱出した直後の段階で止まっています。
正直なところ、読み返すと「この続きが読みたかった」という切なさがこみ上げてきます。しかし、未完だからこそ、私たちの想像の中で物語は永遠に続くとも言えます。
- 自分たちの中での「結末」を想像する小室孝と宮本麗の関係はどうなったのか。高城沙耶の知略は世界を救ったのか。毒島冴子の剣術はどこまで神域に達したのか。その答えは、読者一人一人の心の中に委ねられています。
- 色褪せない名作として語り継ぐたとえ未完であっても、あの時私たちが感じた興奮や恐怖、そしてキャラクターへの愛着は本物です。「昔、すごいゾンビ漫画があったんだよ」と語り継ぐことこそが、佐藤大輔先生への供養になるのではないでしょうか。
ハイスクール・オブ・ザ・デッド打ち切りの理由は?作者の死と連載再開の可能性を調査したまとめ
あらためて整理すると、ハイスクール・オブ・ザ・デッド打ち切りの理由は、原作者・佐藤大輔先生の逝去という、あまりにも悲しく、どうしようもない事実によるものでした。
これまでの調査結果を振り返ります。
- 直接の理由: 2017年の佐藤大輔先生の逝去(虚血性心疾患)。
- 再開の可能性: 現状、他作家による代筆や続編制作の予定はなく、可能性は極めて低い。
- 背景の要因: 東日本大震災による心理的影響や、先生ご自身の体調不良による長期休載。
- アニメの状況: 原作ストック不足と結末不在により、2期制作は絶望的。
ファンにとっては「続きが読めない」という残酷な結末になってしまいましたが、それでも本作が日本の漫画・アニメ史に刻んだ爪痕は消えることはありません。
もしあなたが、まだ物語の途中で止まっているあの世界をもう一度見たいなら、改めてハイスクール・オブ・ザ・デッド 1を手に取ってみてください。そこには、佐藤大輔先生が命を削って生み出した、最高に熱くて刺激的な「絶望と希望」が今も鮮やかに生き続けています。
打ち切りという形にはなりましたが、その輝きは永遠です。私たちはこれからも、この伝説的な未完の名作を愛し続けていきましょう。

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