「バイオーグ・トリニティって、もしかして打ち切りだったの?」
そんな疑問を抱えながら、完結から時間が経った今でも多くのファンが検索を続けています。舞城王太郎先生の予測不能なストーリーと、大暮維人先生の圧倒的な画力が融合した本作。あまりにも密度が濃く、怒濤の勢いで駆け抜けた終盤の展開に、「もっと続いてほしかった」「急に終わった気がする」と感じた方が多いのも無理はありません。
今回は、全14巻で幕を閉じた『バイオーグ・トリニティ』の完結の真相や、なぜ打ち切り説が浮上したのか、そして読者の間で分かれる結末の評価について、深掘りして解説していきます。
バイオーグ・トリニティが打ち切りと噂される理由
まず結論からお伝えすると、『バイオーグ・トリニティ』は打ち切りではありません。全14巻、約5年にわたる連載を経て、物語は描き切るべきところまで描き切って完結しています。
では、なぜこれほどまでに「打ち切り」というキーワードがネット上で飛び交うのでしょうか。そこには本作ならではの特殊な事情がいくつか重なっています。
1. 終盤の情報密度の爆発
物語の12巻あたりから、それまで散りばめられていた伏線が一気に回収され始めます。多重世界、ループ、バイオーグ・ハンターの正体、そしてヒロインである芙三歩を巡る世界の構造。これらが一気に押し寄せるため、読者としては「展開が早すぎる」と感じ、打ち切りによる急ぎ足の完結を疑ってしまったのです。
2. 唯一無二の難解な世界観
本作は、手のひらに穴が開き、好きなものと融合する病気「バイオ・バグ」という設定から始まります。しかし、物語が進むにつれて概念的な戦いや、自己の内面世界へと深く潜っていくような描写が増えていきます。この「一度読んだだけでは理解しきれない」という感覚が、一部で「物語が破綻して終わったのでは?」という誤解を生んだ一因と言えるでしょう。
3. 海外ファンの反応
海外のマンガコミュニティでは、一部の翻訳が止まっていた時期があり、それが転じて「連載そのものが止まった(打ち切られた)」という誤情報が逆輸入される形で広まったケースも見受けられます。
しかし、実際の単行本を手に取れば、それが間違いであることは明白です。最終巻である14巻には、原作者である舞城王太郎先生による書き下ろし掌編小説「自転車II」が収録されており、作品を補完する形で非常に丁寧に、かつ情熱を持って締めくくられています。
完結の真相:全14巻に込められた「愛」のメッセージ
本作の連載期間は2012年から2017年。ウルトラジャンプの看板作品の一つとして、堂々の完結を迎えました。
物語の核心は、主人公・藤井とヒロイン・芙三歩、そして親友である穂坂の3人を中心とした「愛」の物語です。世界が何度もループし、崩壊の危機に瀕してもなお、彼らが「誰を好きか」という極めて個人的で純粋な感情を貫き通す姿が描かれています。
終盤、世界が再構成されるプロセスは、SF的なアプローチと哲学的な問いかけが入り混じり、まさに舞城王太郎節が全開でした。大暮維人先生の描くキャラクターたちは、その複雑な設定に負けない存在感を放ち、最後まで圧倒的なビジュアルで物語を牽引しました。
もし、今から全巻セットを揃えて読み直したいという方は、バイオーグ・トリニティでチェックしてみてください。一気読みすることで、連載当時には気づけなかった伏線や、物語の整合性が驚くほどクリアに見えてくるはずです。
結末の評価は?読者のリアルな声
『バイオーグ・トリニティ』の結末については、読者の間でも評価が二分される傾向にあります。しかし、それは「駄作だった」ということではなく、「受け取りきれないほどの熱量があった」ことの裏返しでもあります。
肯定的な評価:完璧なハッピーエンド
多くの読者が「これ以上ないほど美しい終わり方だった」と評しています。
- 複雑に絡み合った世界線が、最終的に「愛」というシンプルな答えに着地したことへの感動。
- 大暮先生の画力が極限まで高まったラストシーンの美しさ。
- 14巻を読み終えた後の爽快感。
これらは、打ち切り作品では決して味わえない「完結した物語」だけが持つ力です。
否定的な評価:理解が追いつかない
一方で、やはり「難解すぎる」という声も少なくありません。
- 専門用語や概念図が多く、最後まで理屈で理解するのが難しかった。
- キャラクターの行動原理が哲学に寄りすぎていて、感情移入しにくかった。
- 結局、世界はどうなったのかという具体的な説明を求めていた人には不親切に感じられた。
しかし、こうした「わからないけれど凄いものを見た」という感覚こそが、本作の魅力であると語るファンも多いのが特徴です。
大暮維人と舞城王太郎のタッグが残したもの
この二人のクリエイターが組んだこと自体が、日本のマンガ史において一つの事件でした。舞城先生の書く「言葉」という抽象的なエネルギーを、大暮先生が「絵」という具体的な形にする。その化学反応が最も激しく現れたのが、まさに物語の終盤でした。
特にキャラクターデザインの秀逸さは目を見張るものがあります。主人公の藤井が成長していく過程や、芙三歩の神々しさ、そして敵対するキャラクターたちの歪んだ美しさ。
作中で描かれるファッションや背景のディテールをじっくり楽しみたいなら、Kindleなどの電子書籍も良いですが、やはり紙の単行本をおすすめします。大判のイラスト集をめくっているかのような贅沢な体験ができるからです。興味がある方はバイオーグ・トリニティ 全巻で探してみるのも良いでしょう。
バイオーグ・トリニティは打ち切り?完結の真相と結末の評価を徹底解説!:まとめ
改めて振り返ると、『バイオーグ・トリニティ』は打ち切りではなく、原作者と作画担当が総力を挙げて完結させた、極めて純度の高い「愛の物語」でした。
「打ち切り」という噂が流れるほど、その幕引きは鮮烈で、情報量に溢れていました。初読で混乱した方も、改めて読み返してみると、藤井たちの揺るぎない想いが、壊れゆく世界をどう繋ぎ止めたのかが腑に落ちる瞬間が来るはずです。
本作を未読の方や、途中で止まってしまっている方、そして「打ち切りだと思って敬遠していた」という方は、ぜひ最後までその目で見届けてみてください。14巻のラストシーン、そして添えられた掌編小説を読み終えた時、きっとあなたの中の「バイオーグ・トリニティ」が完成するはずです。
もし、物語の全容をもっと深く知りたい、あるいは手元に置いておきたいと感じたなら、バイオーグ・トリニティ 14を手に取って、その衝撃を体感してみてください。
物語の結末は、決して打ち切りなどではなく、世界を再構築するほどの巨大な意志に満ちていました。その真相は、14巻の最後の1ページをめくった人だけが知ることができるのです。

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