「新撰組を描いた漫画の中で、これほどまでに生々しく、そして美しい作品はない」
そう称賛され続けてきた黒乃奈々絵先生の『PEACE MAKER 鐵(ピースメーカー くろがね)』。しかし、ネット上では「打ち切りになったのでは?」「もう続きは読めないの?」といった不安の声が後を絶ちません。
市村鉄之助という少年が新撰組に入隊し、幕末という激動の時代を駆け抜けていく物語。前作『新撰組異聞 PEACE MAKER』から数えれば、すでに20年以上の月日が流れています。ファンにとって、鉄之助の成長と新撰組の行く末を見届けることは、もはや人生の一部と言っても過言ではないでしょう。
今回は、なぜ『PEACE MAKER 鐵』に打ち切りの噂が流れているのか、その真相と現在の連載状況、そして物語の完結に向けた希望について、今分かっている情報を包み隠さずお伝えします。
なぜ「打ち切り」という噂が流れてしまったのか?
まず最初に、最も重要な事実をはっきりとお伝えします。
『PEACE MAKER 鐵』は、公式に打ち切りになったわけではありません。
それなのに、なぜ「打ち切り」という言葉がこれほどまでに検索されているのでしょうか。そこにはいくつかの重なる理由がありました。
一番の要因は、やはり「長期にわたる休載」です。
本作はこれまでにも、掲載雑誌の移籍(新潮社からマッグガーデンへ)や、作者である黒乃奈々絵先生の体調不良による中断が何度かありました。特に物語が「北上編」という、新撰組の終焉に向かう最もデリケートな局面に入ってからの休止だったため、読者の間で「このまま終わってしまうのではないか」という危惧が膨らんでしまったのです。
また、同じタイトルを冠する別作家の作品が完結を迎えた際に、情報が混同されてしまったケースも見受けられます。しかし、黒乃先生の描く『PEACE MAKER 鐵』の物語は、まだ終わっていません。
現在、公式に発表されている状況は「病気療養のための休載」です。2023年には黒乃先生ご自身から、適応障害に伴ううつ状態にあることが公表されました。これは決して「作品を捨てた」わけではなく、むしろ「最後まで描き切るために、今は一度立ち止まって心を整える時間が必要である」という、前向きな休息であると捉えるべきでしょう。
黒乃奈々絵先生が歩んできた道と作品への愛
『PEACE MAKER 鐵』という作品の歴史を振り返ると、いかに多くの困難を乗り越えてきたかが分かります。
最初はエニックス(現スクウェア・エニックス)の『月刊少年ガンガン』で『新撰組異聞 PEACE MAKER』として連載が始まりました。その後、出版社を移籍し、マッグガーデンにて続編となる『PEACE MAKER 鐵』がスタート。
単行本PEACE MAKER 鐵を手に取れば分かるとおり、巻を追うごとに作画の密度は増し、物語の深度は増していきました。特に幕末の残酷さと、その中で輝く命の尊さを描く筆致は、他の追随を許さない圧倒的な熱量を持っています。
これほどの情熱を注いできた作品を、作者本人が簡単に投げ出すはずがありません。黒乃先生は、自身のSNSなどでも折に触れてファンへの感謝を綴っています。物語がクライマックスであればあるほど、一コマを描くのに必要な精神的エネルギーは計り知れないものになります。ファンとしては、先生が再び筆を執る気力を取り戻せるよう、静かに見守ることが唯一の応援になるのかもしれません。
ストーリーの現状:鉄之助と新撰組の「現在地」
ここで、現在発売されている単行本第17巻までの状況をおさらいしておきましょう。物語はいま、まさに新撰組の「終わりの始まり」を描いています。
鳥羽・伏見の戦いを経て、戦場は北へと移っていきます。かつての仲間たちは一人、また一人と去り、新撰組は崩壊の危機に瀕しています。主人公の市村鉄之助は、少年から青年へと成長し、副長・土方歳三の「小姓」としてだけでなく、一人の武士として自らの生き方を問われています。
この「北上編」は、歴史的事実として土方歳三の最期が待っている函館戦争へと繋がります。史実を知る読者からすれば、その結末はあまりにも切なく、重いものです。しかし、『PEACE MAKER 鐵』が描いてきたのは、単なる歴史のなぞりではありません。
「人を殺める刀ではなく、人を活かす刀はあるのか」
「本当の強さとは何なのか」
鉄之助が問い続けてきたこれらのテーマが、この北の地でどう結実するのか。それが描かれるまでは、この物語は終われないのです。
メディアミックスから見る「完結」への期待
もし本当に作品が見捨てられているのであれば、巨額の予算が動くメディアミックス展開は行われません。しかし、本作は近年でも大きな動きを見せていました。
2018年には、劇場アニメ『PEACE MAKER 鐵』前篇「想道」・後篇「友命」が二部作で公開されました。この劇場版では、油小路の変から鳥羽・伏見の戦いに至るまでの、精神的にも肉体的にも過酷なエピソードが描かれました。
また、PEACE MAKER 鐵 ブルーレイなどの関連商品も根強く支持されており、声優陣やスタッフ陣の熱量も非常に高いことで知られています。こうしたメディアミックスが続いているという事実は、制作サイドや版元が「この物語を完結まで導くべき価値がある」と確信している証拠でもあります。
アニメやドラマCDで命を吹き込まれたキャラクターたちが、原作の漫画の中でどのように最後の一歩を踏み出すのか。その光景を待っているのは、読者だけではないのです。
私たちが今、できること
お気に入りの漫画が休載に入ると、どうしても「忘れ去られてしまうのではないか」という不安に駆られます。しかし、名作と呼ばれる作品の多くが、長い沈黙を経て伝説的な完結を迎えてきました。
今、私たちができることは、決して「打ち切り」という不確かな噂に惑わされないことです。
黒乃先生が公表された適応障害は、決して短期間で完治するような簡単な病ではありません。漫画家という仕事は、孤独な作業と締め切りのプレッシャーが重なる非常にハードな職業です。ましてや、幕末という「死」が隣り合わせの物語を描き続けるストレスは、私たちの想像を絶するものがあるでしょう。
もし、続きが気になって仕方がなくなったら、もう一度第1巻から読み返してみてください。当時は気づかなかった伏線や、キャラクターたちの細やかな表情の変化に気づくはずです。kindleなどの電子書籍を活用して、これまでの歩みを振り返るのも良いでしょう。
先生が心からの笑顔で机に向かえる日が来るまで、物語の舞台となった地を訪ねてみたり、新撰組の歴史書を紐解いてみたりしながら、自分なりの「鐵」への想いを温めておきましょう。
まとめ:PEACE MAKER 鐵は打ち切り?連載終了の噂と休載の真相、完結への道のりを徹底解説
改めてまとめますと、『PEACE MAKER 鐵』は決して打ち切りになったわけではありません。現在は、作者である黒乃奈々絵先生が、物語を最後まで描き切るためのパワーを蓄える「大切な休息期間」の中にいます。
連載終了という噂は、作品への愛が深いゆえの不安から生まれた幻想に過ぎません。北上編という、土方歳三と鉄之助にとって最も過酷で、かつ最も輝かしい瞬間を描くために、今は時間が必要なのです。
いつか必ず、鉄之助がその目で見つめる「幕末の終焉」が私たちの手元に届く日が来ます。その時、私たちは「待っていて良かった」と心から思えるはずです。
それまでは、黒乃先生の健康を祈りつつ、これまでに生み出された17巻分の物語を大切に読み返していきましょう。鉄之助たちの旅路は、まだ終わっていません。彼らが歩む「平和を作る道」の先にある光を、私たちは信じて待ち続けるべきなのです。
「PEACE MAKER 鐵は打ち切り?連載終了の噂と休載の真相、完結への道のりを徹底解説」を最後までお読みいただきありがとうございました。この情報が、あなたの不安を少しでも解消し、作品への変わらぬ応援に繋がれば幸いです。

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