「月9」という言葉を聞いて、皆さんはどんなドラマを思い浮かべますか?キラキラした王道のラブストーリーを期待してチャンネルを合わせた視聴者の間で、今でも語り草になっている作品があります。それが2017年に放送された『突然ですが、明日結婚します』、通称「あすこん」です。
このドラマ、実は放送当時から「打ち切りだったんじゃないの?」という噂が絶えません。全9話という異例の短さ、そしてあまりにも駆け足だった最終回。リアルタイムで見ていた私も「えっ、もう終わり?」とテレビの前で固まった記憶があります。
今回は、なぜこの作品が打ち切りと言われるのか、その舞台裏にある事情や視聴率の推移、そしてドラマ版と原作漫画での結末の決定的な違いについて、ファン目線で深く掘り下げていきます。
全9話の衝撃!なぜ「打ち切り」の噂が広まったのか
まず、多くの人が「打ち切り」を疑う最大の理由は、その放送回数にあります。日本の連続ドラマ、特にフジテレビの看板枠である月9は、通常10話から11話、長いときには12話まで続くのが通例です。しかし、この作品は第9話で幕を閉じました。
この「全9話」という数字は、ドラマファンの目には非常に不自然に映りました。物語の後半、主人公のあすかと名波の仲が急速に引き裂かれ、あっという間に数年が経過し、再会してゴールイン……という流れがあまりにハイスピードだったことも、打ち切り説に拍車をかけました。
実は、制作サイドが公式に「打ち切りです」と認めたことは一度もありません。しかし、現場ではかなりの「ドタバタ劇」があったことが知られています。当時の報道によると、もともと予定されていた別のドラマ企画がクランクイン直前に頓挫し、急遽この「あすこん」が代打として制作されることになったという経緯があるようです。準備期間が極端に短かったことが、放送回数の短さの一因になった可能性は極めて高いと言えるでしょう。
視聴率の低迷と「月9」ブランドの苦悩
打ち切り説を裏付けるもう一つのデータが、視聴率です。残念ながら、本作の平均視聴率は6.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、当時の月9史上最低記録を更新してしまいました。特に第6話では5.0%という、看板枠としては非常に厳しい数字を叩き出してしまったのです。
当時は、若者のテレビ離れが加速し、SNSでの盛り上がりと視聴率が一致しない現象が起き始めていた時期でした。さらに、裏番組の強力なラインナップに押されたことも要因の一つでしょう。
しかし、数字だけを見て「失敗作」と決めつけるのは早計です。実際に見ていたファンの間では「西内まりやさんが可愛すぎる」「名波さんのキャラが最高」と、熱狂的な支持層がいたのも事実。特に、主演を務めた西内まりやさんのファッションやメイク、そして相手役のflumpool・山村隆太さんの初々しい演技は、今見返しても非常に魅力的な要素にあふれています。
ドラマ版と原作漫画、結末の決定的な違い
ドラマを見て「最後が物足りなかった」と感じた方にぜひ知ってほしいのが、宮園いづみ先生による原作漫画の展開です。ドラマと原作では、設定や結末にいくつかの大きな違いがあります。
まず、主人公・高梨あすかの設定です。ドラマでは「専業主婦になりたい」という夢を持ちつつも、仕事ができるキャリアウーマンとして描かれましたが、原作ではその「結婚観」への執着がより深く、切実に描かれています。相手役の名波竜(ナナリュー)も、原作の方がより複雑な過去を抱えており、「絶対に結婚したくない男」としての壁が厚いのです。
そして最も大きな違いは、ラストシーンへのプロセスです。
ドラマ版では、名波がモスクワへ旅立ち、3年後に突然帰国してあすかにプロポーズするという、やや強引とも取れるハッピーエンドでした。視聴者からは「3年間も放置するなんて!」と名波に対してツッコミが入るほど。
一方、原作漫画では、二人の価値観のズレや仕事への向き合い方がより丁寧に描写されています。紆余曲折を経て、お互いが「結婚」という形に縛られずに、どうやって共に生きていくかを見出す過程がじっくり描かれているため、読後の納得感が全く違います。もしドラマの結末にモヤモヤしているなら、原作を全巻通して読むことで、その霧が晴れるかもしれません。
西内まりやさんと山村隆太さんの挑戦
このドラマを語る上で欠かせないのが、主演二人の存在感です。
西内まりやさんは、圧倒的なビジュアルとスタイルで「理想の女性像」を演じきりました。彼女が劇中で使用していたバッグやアクセサリーは、放送後によく検索される人気アイテムとなっていましたね。例えば、彼女が持っていたようなビジネスシーンでも映える小物は、今でも働く女性の参考になります。おしゃれなアイテムを揃えたいときはレディース トートバッグなどでチェックしてみるのも楽しいですよ。
そして、相手役の山村隆太さん。人気バンドflumpoolのボーカルとして知られる彼が、本作で俳優デビューを果たしたことは大きな話題になりました。最初は「演技が不慣れかも?」という声もありましたが、回を追うごとに名波というキャラクターに深みが増し、最終的には「ナナリューロス」を引き起こすほどの人気を博しました。
ミュージシャン特有の繊細な表現力と、あの甘い声。彼のファンであれば、彼の初挑戦を記録したこの作品は、打ち切り説を差し引いても非常に価値のあるものだと言えるでしょう。
「あすこん」が現代の私たちに問いかけるもの
放送から数年が経ちましたが、このドラマがテーマに掲げた「専業主婦になりたい女」と「絶対に結婚したくない男」の対立は、今見ても全く古びていません。むしろ、多様な生き方が認められるようになった現代こそ、よりリアリティを持って響くテーマかもしれません。
「結婚=幸せ」という固定観念に疑問を投げかけつつも、誰かを愛することの尊さをストレートに描いた本作。たとえ全9話という短い物語だったとしても、そこに込められたメッセージや、キャストの皆さんの熱演は色褪せることはありません。
低視聴率や制作の裏事情といったネガティブなキーワードが先行しがちですが、作品そのものが持つキラキラとした輝きや、働く女性の共感を呼ぶディテールは、もっと評価されるべきポイントです。
突然ですが明日結婚しますは打ち切り?まとめ
結局のところ、本作が「打ち切り」だったのかどうかについては、制作スケジュールの都合と視聴率の低迷が重なった結果の「予定より早い完結」というのが、最も事実に近い解釈だと言えそうです。
しかし、短い回数だったからこそ、物語の純度が高まり、ギュッと凝縮された良さもありました。ドラマ版を見て「もっと二人の世界に浸りたかった」と感じた方は、ぜひ原作漫画を手に取ってみてください。ドラマでは描ききれなかった二人の内面や、大人の恋愛の苦みがより深く味わえるはずです。
もし、これからドラマを視聴しようと考えているなら、ネット上の「打ち切り」という言葉に惑わされず、一人の女性が自分の幸せを掴み取ろうとする物語として楽しんでみてください。きっと、明日からの仕事や恋に対するモチベーションを少しだけ上げてくれるはずですよ。
最後に、名波竜のようなクールなアナウンサー役に挑戦した山村隆太さんの声をもっと聴きたいという方は、flumpoolの楽曲もあわせてチェックしてみてくださいね。ドラマの世界観を思い出しながら聴く音楽は、また格別なものになるでしょう。

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