「約束のネバーランド(約ネバ)」といえば、週刊少年ジャンプで連載され、手に汗握る心理戦と衝撃の展開で世界中を熱狂させた超人気作ですよね。第1期の「脱獄編」のアニメ化が見事だっただけに、続く第2期を楽しみにしていたファンは多かったはずです。
しかし、放送が進むにつれてSNSやレビューサイトでは「打ち切りなの?」「展開がひどすぎる」といった困惑と悲しみの声が溢れ返る事態に……。一体、あの傑作に何が起きてしまったのでしょうか。
今回は、多くのファンがモヤモヤを抱えている「アニメ2期の打ち切り説」の真相や、なぜこれほどまでに批判が集まってしまったのか、原作との決定的な違いを交えて徹底的に深掘りしていきます。
約束のネバーランドのアニメ2期は実質的な打ち切りだったのか
まず、多くの視聴者が抱いている「打ち切りだったの?」という疑問についてお答えします。
公式に「打ち切り」という発表があったわけではありません。番組は予定されていた全11話の放送を最後まで完遂しています。しかし、その中身を紐解くと、ファンが「実質的な打ち切りだ」と感じてしまうのも無理はない、異常な事態が起きていたのです。
通常、アニメ化される際は原作の数巻分を1クール(約11〜13話)かけて丁寧に描きます。第1期では、原作の1巻から5巻までの「脱獄編」を12話かけてじっくり描き、心理戦の緊迫感を見事に表現していました。
ところが第2期では、なんと原作の5巻から最終巻である20巻までの、残り15巻分をたった11話に詰め込んでしまったのです。単純計算でも1期の3倍以上のスピードで物語を消化したことになります。
この「超特急ダイジェスト」とも言える構成が、物語の整合性を壊し、多くのエピソードをカットせざるを得ない状況を生みました。結果として、物語を無理やり終わらせるための「駆け足完結」になってしまったことが、打ち切りと言われる最大の理由です。
人気エピソード「ゴールディ・ポンド編」の完全消滅
アニメ2期が「ひどい」と評価される最も大きな要因の一つが、原作屈指の人気を誇る「ゴールディ・ポンド(GP)編」が丸ごとカットされたことです。
原作ファンであれば、エマたちが脱獄した後に辿り着く「秘密の狩庭」での死闘を知っているはず。そこでは、知性を持った強力な鬼たちとの、命を懸けた本格的なハンティングバトルが繰り広げられます。
知略を尽くした戦い、仲間との絆、そして世界の謎に迫る重要な手がかり……。約ネバの醍醐味が凝縮されたこのエピソードが消えたことで、アニメ版は「ただの逃走劇」に成り下がってしまった印象を与えてしまいました。
さらに、このエピソードが消えたことで、物語にとって極めて重要な「ある人物」も存在を消されることになります。
絶大な人気を誇る重要キャラ「ユウゴ」が登場しない衝撃
GP編がカットされたことで、物語に登場しなかったのが、通称「オジサン」ことユウゴです。
彼はシェルターに一人で立てこもっていた先客であり、エマたちにとって「大人の食用児」としての過酷な現実を突きつけると同時に、外の世界で生き抜く術を教える師匠のような存在でした。最初は心を閉ざしていた彼が、エマたちの熱意に動かされ、共に戦う仲間へと変わっていく過程は、原作の中でも屈指の感動ポイントです。
しかし、アニメ2期ではシェルターにユウゴの姿はなく、エマたちは誰の助けも借りずにあっさりと生活基盤を整えてしまいます。ユウゴという精神的な支柱を失ったことで、物語の深みや、世代を超えた信頼関係というテーマがすっぽりと抜け落ちてしまいました。
約束のネバーランド コミックスを手にとって読めば分かりますが、ユウゴがいない約ネバは、もはや別の物語と言っても過言ではありません。
心理戦が消え去り「ご都合主義」が連発する展開
1期の魅力は、圧倒的な力を持つ大人や鬼に対して、子供たちが知恵を絞り、数手先を読んで裏をかく「知略サスペンス」にありました。しかし、2期ではその要素が激減します。
尺が足りない影響か、困難にぶつかっても、すぐに偶然の助けが入ったり、敵が急に物分かり良くなったりと、ご都合主義な展開が目立つようになりました。
例えば、ノーマンとの再会シーン。原作では再会に至るまでに膨大な葛藤と準備期間があり、ノーマン自身も過酷な環境で変貌を遂げていました。しかしアニメでは、驚くほどあっさりと合流し、ノーマンが抱えていた深刻な問題もトントン拍子で解決に向かいます。
「どうやって勝つか」というプロセスが削られ、「とりあえず勝った」という結果だけを見せられる展開に、視聴者は置いてけぼりを食らってしまったのです。
最終回の「スライドショー演出」が招いたファンの落胆
そして、アニメ2期が伝説的な意味で語り継がれることになったのが、最終回のラスト数分間です。
本来であれば、原作で数年分、単行本にして数巻分を費やして描かれる「女王との決戦」「約束の履行」「人間界への脱出」といったクライマックス。これらがすべて、セリフなしの「静止画スライドショー」で処理されました。
まるでパワーポイントのプレゼン資料を見せられているかのような演出に、リアルタイムで視聴していたファンからは「これはアニメじゃない」「制作を諦めたのか」と悲鳴が上がりました。
物語の結末という、最もカタルシスを感じるべき部分がダイジェストで流されてしまったことは、作品への愛着が強かった人ほど受け入れがたい結末となってしまいました。
脚本クレジットから名前が消えた異例の事態
制作の裏側でも不穏な動きがありました。第10話などの後半のエピソードにおいて、本来クレジットされるはずの「脚本家」の名前が消えるという、アニメ業界でも極めて珍しい事態が起きたのです。
原作者である白井カイウ先生がシリーズ構成に協力として名を連ねていたものの、現場での構成案の変更や、尺の調整を巡って、何らかのトラブルや混乱があったのではないかと推測されています。
制作者側が納得のいく形で名前を出せないような状況だったことが、クオリティの低下に直結してしまった可能性は否定できません。
原作とアニメ2期の決定的な違いを整理する
ここで、原作とアニメ2期の違いを分かりやすく整理しておきます。
- エピソードの密度:原作はじっくり20巻分。アニメは実質2期で15巻分を強引に消化。
- キャラクターの欠如:ユウゴ(オジサン)やルーカスといった重要人物がアニメでは未登場。
- 舞台の簡略化:ゴールディ・ポンドや王都での戦いが、アニメではほとんど神殿周辺の小規模な話に縮小。
- 敵対勢力の掘り下げ:鬼側の政治的な争いや、ラートリー家の葛藤がアニメでは大幅にカット。
- 結末へのプロセス:原作は苦難の末の再会だが、アニメはハッピーエンドありきの駆け足。
これだけ見ても、アニメ2期がいかに「別物」として構成されているかが分かります。
それでも「約ネバ」を楽しみたい人への処方箋
アニメ2期の展開にショックを受けた方、あるいはこれから見ようと思っている方へ伝えたいのは、アニメの評価だけでこの作品を判断してほしくない、ということです。
もしあなたがアニメ2期を見て「なんだかよく分からなかったな」と感じたのなら、それはあなたの理解力不足ではなく、構成そのものに無理があったからです。そんな時は、ぜひ原作漫画を読んでみてください。
原作では、アニメでカットされたGP編の興奮、ユウゴとの熱い絆、そして鬼の世界の成り立ちが、緻密な伏線とともに描かれています。アニメでは伝わりきらなかった「絶望からの逆転劇」の本当の面白さが、そこには詰まっています。
約束のネバーランド 全巻セットを揃えて一気読みすると、アニメ2期で省略された部分がいかに重要だったかが痛いほど分かります。
約束のネバーランドのアニメはなぜ打ち切り?2期がひどいと言われる理由と原作との違いを解説:まとめ
アニメ『約束のネバーランド』2期は、決して作品自体に魅力がなかったわけではありません。1期のクオリティが高すぎたこと、そして15巻分の重厚なストーリーを11話という極小の枠に押し込もうとした「構成の歪み」が、悲劇を生んでしまいました。
打ち切りという形ではなかったものの、ファンが望んでいた「原作の忠実な再現」からは遠く離れてしまったことは間違いありません。
しかし、原作漫画が不朽の名作である事実は揺らぎません。アニメで消化不良を感じた方は、ぜひ漫画という形で、エマたちの本当の旅路を見届けてあげてください。そこには、アニメでは描かれなかった本当の「約束のネバーランド」が待っています。
この記事を通して、あなたが抱えていたモヤモヤが少しでも解消され、再びこの素晴らしい作品の魅力に触れるきっかけになれば幸いです。

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