「ジョジョの奇妙な冒険を読んでみたいけど、最初の1部ってどうなの?」「絵が古そうだし、1部はつまらないって噂も聞くけど……」
そんな悩みを持って、この記事に辿り着いたあなた。その気持ち、よく分かります。今や世界中で愛され、第9部まで続く壮大なサーガとなったジョジョシリーズ。そのすべての始まりである第1部「ファントムブラッド」は、確かに今の洗練された漫画と比べると「異色」に見えるかもしれません。
しかし、結論から言います。ジョジョ1部を読まずにこのシリーズを語るのは、あまりにももったいない!
今回は、ジョジョ1部がなぜ今なお語り継がれるのか、その圧倒的な熱量と読むべき理由を、ネタバレを抑えつつ徹底的に深掘りしていきます。これを読み終える頃には、あなたも「石仮面」の魔力に魅了されているはずです。
序盤の「つまらない」を乗り越えた先に待つ衝撃
ジョジョ1部を読み始めた多くの人が、最初にぶつかる壁があります。それは、あまりにも陰湿で、救いのない「いじめ」の展開です。
物語の舞台は19世紀末のイギリス。貴族の跡取り息子であるジョナサン・ジョースター(ジョジョ)のもとに、養子としてディオ・ブランドーがやってきます。ここから、ジョジョの平穏な日常は崩壊します。
ディオはジョジョの友人、父親の信頼、さらには恋人との関係まで、すべてを奪おうと画策します。愛犬に対するあまりにも残酷な仕打ちや、有名な「ズキュウウウン」のキスシーンなど、現代の読者から見ても「胸糞悪い」と感じる描写が続きます。
「こんなに嫌な気持ちになるなら、もう読むのをやめようかな……」
そう思うかもしれません。でも、ちょっと待ってください。この序盤の徹底した「悪」の描写こそが、後に続く「人間讃歌」を輝かせるための最強のスパイスなんです。ディオという男がどれほど底知れない野心と悪意を持っているかを知ることで、後半のバトルの熱量が何倍にも膨れ上がります。
全5巻という「神がかったコンパクトさ」のメリット
ジョジョシリーズを敬遠する理由として、よく挙げられるのが「巻数の多さ」です。100巻を超える長寿作品に手を出すのは、かなりの勇気がいりますよね。
しかし、第1部は単行本でわずか5巻、文庫版なら3巻という、驚くほどコンパクトな構成になっています。
- 映画1本分を観るような感覚で、一気に読み切れる。
- 物語の密度が濃く、中だるみが一切ない。
- ジョジョの基本設定(血統、因縁、黄金の精神)がすべて凝縮されている。
忙しい現代人にとって、これほどコスパの良い「伝説の始まり」はありません。まずはジョジョの奇妙な冒険 第1部を手に取ってみてください。週末の数時間で、あなたは100年以上続くジョースター家の歴史の生き証人になれるのです。
「スタンド」がなくても最高に熱い!波紋バトルの魅力
ジョジョといえば「スタンド(守護霊のような超能力)」を思い浮かべる人が多いでしょう。しかし、1部にはスタンドは登場しません。代わりに描かれるのが「波紋(はもん)」という技術です。
波紋とは、特殊な呼吸法によって血液の流れを整え、生命エネルギーを放射する技。吸血鬼という強大な「闇」に対し、人間が「太陽の輝き」を持って立ち向かう。この構図がたまらなく熱いんです。
スタンド戦のような頭脳戦の要素もありつつ、1部のバトルはもっと「泥臭い」のが特徴です。肉体と肉体がぶつかり合い、勇気が恐怖を凌駕する瞬間。それは、技術や才能を超えた、人間の精神の美しさを教えてくれます。
有名な「メメタァ」の擬音とともに放たれる波紋の修行シーンや、師匠となるウィル・A・ツェペリとの出会い。これらは、後の王道少年漫画に多大な影響を与えた「師弟愛」と「継承」の教科書とも言える内容です。
ディオ・ブランドーという「史上最高の悪役」
ジョジョ1部を語る上で欠かせないのが、ディオ・ブランドーの存在です。彼は漫画史に残る「最も魅力的な悪役」の一人と言っても過言ではありません。
「おれは人間をやめるぞ!ジョジョーッ!!」
このあまりにも有名なセリフとともに、彼は石仮面の力で吸血鬼へと変貌します。彼が求めているのは、世界を支配する圧倒的な力。しかし、その根底にあるのは、貧困と絶望の中で育った過去による、強烈な上昇志向と生存本能です。
ただの悪い奴ではありません。ディオには人を惹きつけるカリスマがあり、彼なりの哲学があります。ジョナサンという「光」に対し、ディオという「影」。この二人が惹かれ合い、反発し合う関係性は、もはやBL的とも言えるほどの濃密な愛憎劇として、今のファンにも熱狂的に支持されています。
脇役じゃない!スピードワゴンという「心の友」
1部を読み進めると、誰もが好きになってしまうキャラクターがいます。それがロバート・E・O・スピードワゴンです。
最初はロンドンの貧民街でジョジョを襲うチンピラとして登場しますが、ジョジョの誠実さに触れ、一生の「お節介焼きな友人」になります。
彼は戦いにおいて直接的な力は持っていません。しかし、状況を実況し、ジョジョの勝利を誰よりも信じ、時には熱い涙を流す。読者の感情を代弁してくれる彼の存在が、1部の物語に人間味と温かさを与えています。
ちなみに、彼の名前を冠した「スピードワゴン財団」は、後の部でもジョースター家を支え続けることになります。彼の忠義が100年先まで届いていると思うと、1部を読んでいる時の感動もひとしおです。
衝撃のラストが教える「人間讃歌」の真髄
多くの少年漫画が「主人公の勝利」で幕を閉じる中、ジョジョ1部の結末は非常に衝撃的です。それは悲劇のようでありながら、どこまでも美しく、崇高な終わり方。
ジョナサン・ジョースターが最後に取った行動。それは、憎むべき敵であるディオさえも包み込むような、底なしの慈愛でした。
「幸福な人生だった」
そう言い切れるジョナサンの強さこそが、荒木飛呂彦先生が描き続けている「人間讃歌」の正体です。人間は脆く、短い命しか持たない。けれど、その限られた時間の中で何を受け継ぎ、どう生きるか。その答えが、あの炎の中に刻まれています。
このラストシーンを読み終えた時、あなたはきっと、最初に抱いていた「絵が古い」「つまらない」といった不純物をすべて忘れ、ただただ震えるような感動に包まれているはずです。
現代の視点で楽しむジョジョ1部
今、ジョジョ1部は新しい形で再評価されています。
- アニメ版:鮮やかな色彩と、原作へのリスペクトに溢れた演出で、1部の魅力を現代的にブラッシュアップしています。
- ミュージカル版:2024年に上演され、舞台ならではの迫力でジョナサンとディオの戦いを描き、大きな話題を呼びました。
もし漫画の絵に抵抗があるなら、アニメから入るのも一つの手です。でも、願わくば一度は、荒木先生の魂がこもった原作漫画を手に取ってほしいと思います。一コマ一コマから溢れ出すエネルギーは、紙の上でこそ真に爆発するからです。
ジョジョの奇妙な冒険 全巻セットジョジョ1部はつまらない?漫画の魅力と読むべき理由を徹底解説!全5巻に凝縮された熱き人間讃歌
さて、ここまでジョジョ1部の魅力について語ってきましたが、いかがでしたでしょうか。
「ジョジョ1部はつまらない」なんて、もう言わせません。それは、物語が本格的に動き出す前の助走を見ているだけに過ぎないのです。
5巻という短い物語の中に詰め込まれた、勇気、友情、そして宿命。ジョナサンとディオの戦いは、ここから100年以上の時を超えて、エジプトへ、イタリアへ、そして刑務所へと引き継がれていきます。
1部を読めば、3部で空条承太郎がDIOに立ち向かう姿に、より深い感動を覚えるでしょう。
1部を読めば、7部で描かれる「もう一つの物語」の意味に、涙することでしょう。
すべての道は、19世紀のイギリス、あの燃える客船から始まっているのです。
もしあなたがまだ「黄金の精神」に触れていないのなら、今すぐその扉を開けてみてください。ジョナサン・ジョースターと一緒に、運命に立ち向かう旅に出かけましょう!
次は、第2部の主人公・ジョセフが繰り広げる「予測不能の心理戦」の世界でお会いしましょう。

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