『ジョジョの奇妙な冒険 第6部 ストーンオーシャン』。そのクライマックスに向けて、読者を絶望のどん底に叩き落としたスタンドといえば、エンリコ・プッチ神父が操る「C-MOON(シー・ムーン)」ですよね。
「ホワイトスネイク」が「緑色の赤ん坊」と合体し、ケープ・カナベラルという特殊な場所で覚醒したこのスタンド。そのあまりにも理不尽な能力に、初読時は「これ、どうやって倒すの?」と頭を抱えたファンも多いはずです。
今回は、C-MOONの恐るべき能力の正体から、主人公・空条徐倫が繰り出した伝説的な攻略法「メビウスの輪」まで、徹底的に深掘りして解説していきます。
C-MOON誕生の背景とプッチ神父の執念
C-MOONを語る上で外せないのが、そこに至るまでの異常なプロセスです。第6部の宿敵、プッチ神父は親友であるDIOが残した「天国へ行く方法」を忠実に実行しました。
罪のない囚人たちの魂を捧げ、ボーン・ナム(骨)から生まれた「緑色の赤ん坊」。この赤ん坊とプッチ神父のスタンド「ホワイトスネイク」が融合することで、C-MOONは誕生しました。
このスタンドは、単なるパワーアップ版ではありません。世界そのものの物理法則を書き換えてしまう、「天国」へのカウントダウンが始まったことを告げる不吉な存在なのです。デザインも、ホワイトスネイクのスタイリッシュな面影を残しつつ、赤ん坊の不気味な瞳や肌質が混ざり合い、直感的に「ヤバイ」と感じさせるビジュアルになっています。
全てを突き放す!「重力の遠心分離」という絶望
C-MOONの第一の能力。それは、プッチ神父を中心とした「重力の逆転」です。
通常、私たちは地球の重力によって地面に引きつけられています。しかし、C-MOONが発動すると、プッチ神父の周囲半径約3キロメートル以内にある全ての物体は、地球ではなく「プッチ神父と反対の方向」へと落下し始めます。
想像してみてください。地面が足元から消えるのではなく、自分が「空に向かって落ちていく」感覚を。建物は剥がれ飛び、車は空へと舞い上がります。この能力の恐ろしいところは、プッチ自身が「重力の中心」となっている点です。
彼は壁を地面のように歩き、空中に浮遊する瓦礫を足場にして移動します。一方で、攻撃する側は常に「横や上」に向かって落下し続けているため、まともに近づくことすら困難です。この圧倒的な地形的優位こそが、C-MOONが最強クラスと言われる理由の一つです。
触れたら終わり!肉体を裏返す「インバート」攻撃
重力の操作だけでも手も足も出ないのに、C-MOONにはさらなる「初見殺し」の能力が備わっています。それが、拳で触れた対象を「裏返す」能力です。
C-MOONの格闘能力自体は、ステータス上では「破壊力なし」とされています。しかし、これは「物理的な打撃で壊す必要がない」という意味。C-MOONが指先一つでも相手の体に触れると、その部分の重力が逆転し、肉体が内側から外側へとベロンと裏返ってしまうのです。
もし心臓をかすめられれば、心臓そのものが裏返り、血液を送り出す機能を失って即死します。腕に当たれば、皮膚と肉が反転して骨が露出する惨状に。
2回同じ場所を叩けば「裏返ったものがさらに裏返る」ことで元に戻りますが、プッチ神父がそんな慈悲を与えるはずもありません。一撃かすめただけで致命傷。この絶望的な殺傷力に対し、徐倫たちは絶体絶命の窮地に立たされました。
ジョジョの世界をより深く楽しむなら、画集のジョジョの奇妙な冒険 画集などで、その緻密なデザインを確認するのもおすすめです。
空条徐倫の神懸かった閃き!「メビウスの輪」による攻略
この「裏返る」という回避不能の攻撃に対し、空条徐倫が見せた反撃は、ジョジョ史上でも屈指の名シーンとして語り継がれています。それが、自身のスタンド「ストーン・フリー」の糸を使った「メビウスの輪」の構成です。
C-MOONの攻撃は「表を裏にする」という理屈で成り立っています。ならば、「表も裏もない形状」になればいい。
徐倫は自身の肉体を糸に変え、数学的な幾何学構造である「メビウスの輪」の形に体を編み込みました。メビウスの輪は、表を辿っていくといつの間にか裏になり、裏を辿ると表に戻る、境界のない構造です。
C-MOONの拳が徐倫の胸を貫いた瞬間、本来なら心臓が裏返って死ぬはずでした。しかし、体がメビウスの輪になっていたことで、「裏返す」という物理変化が空転し、致命傷を避けることができたのです。
このシーンは、単なる根性やパワーではなく、知略と概念で最強の能力を封じ込めるジョジョの醍醐味が詰まっています。この戦いをアニメやコミックスで見直すなら、ジョジョの奇妙な冒険 第6部 コミックスを読み返すと、その緊張感がより鮮明に伝わってきます。
C-MOONという存在が物語に与えた意味
C-MOON戦の舞台となったケープ・カナベラルは、宇宙ロケットの打ち上げ基地。重力を振り切って宇宙へ行く場所で、重力を操るスタンドが戦うという構成には、作者である荒木飛呂彦先生の美学が感じられます。
また、C-MOONは単なる敵キャラクターではなく、プッチ神父の「覚悟」が形になったものです。彼は人類を救う(と本人は信じている)ために、親友の遺志を継ぎ、自らの人間性を捨ててまで進化を選びました。
その圧倒的な重力操作は、運命という抗えない大きな流れのメタファー(比喩)でもあります。徐倫がメビウスの輪でそれを受け流したのは、過酷な運命の中でも「生き抜くための知恵と勇気」を捨てなかった証と言えるでしょう。
まとめ:ジョジョ6部C-MOONの能力解説!重力反転の脅威とメビウスの輪による倒し方
エンリコ・プッチ神父の第2形態、C-MOON。その能力は「重力の遠心分離」による広域制圧と、触れたものを「裏返す」即死攻撃という、攻防一体の恐るべきものでした。
しかし、どんなに絶対的な能力であっても、必ずどこかに攻略の糸口がある。それを証明したのが、空条徐倫の「メビウスの輪」でした。幾何学的なトリックで運命を切り拓く彼女の姿に、多くの読者が胸を熱くしたはずです。
C-MOONとの死闘を経て、物語はいよいよ最終形態「メイド・イン・ヘブン」による時の加速、そして宇宙の一巡へと突き進んでいきます。この壮大な物語の結末を前に、C-MOONが見せた「世界の裏返し」は、まさに平穏な日常が崩れ去る前触れだったのかもしれません。
もしあなたがまだこの激闘を映像で観ていないのであれば、ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン Blu-rayなどで、その迫力を体感してみてください。重力が狂い、世界が反転するあの独特の演出は、映像で観ることでさらにその恐怖が引き立ちます。
ジョジョ6部C-MOONの能力解説!重力反転の脅威とメビウスの輪による倒し方を知ることで、ストーンオーシャンという作品が持つ深いテーマ性を、より一層楽しめるようになるはずです。

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