「あ、これジョジョのネタだ!」と分かっても、いざ正確なセリフを言おうとすると「あれ、なんだっけ?」となること、ありませんか?
世界中に熱狂的なファンを持つ『ジョジョの奇妙な冒険』。その独特すぎる言語センスやポージングは、もはや漫画の枠を超えて一つの「文化」になっています。しかし、ネットやSNSで拡散されるうちに、いつの間にか「うろ覚え」のまま定着してしまったネタも少なくありません。
今回は、そんなジョジョの「うろ覚え」あるあるや、実は間違って広まっている名言、そして作者・荒木飛呂彦先生にまつわる伝説まで、ディープに深掘りしていきます。
なぜ「ジョジョのうろ覚え」はこれほどまでに多いのか?
ジョジョという作品が、なぜこれほどまでに「うろ覚え」を誘発するのか。それには明確な理由があります。
まず第一に、セリフ回しが独特すぎること。「〜じゃあないか」「〜だぜ」「あッ!」「な…何を言っているのかわからねーと思うが」など、一度聞いたら忘れられないインパクトがありますが、語尾や促音(小さい「っ」や「ッ」)の位置が非常に緻密に計算されています。
第二に、ネットミーム化の過程で改変されたこと。掲示板やSNSで使いやすいように、元のセリフを少し崩して投稿されたものが、そのまま「公式のセリフ」として誤認されて広がっていきました。
そして第三に、「ジョジョ立ち」に代表される視覚的インパクト。ポーズがあまりに強烈なため、セリフとポーズが脳内でごちゃ混ぜになって記憶されてしまうのです。
ここからは、特によくある「うろ覚え」のケースを具体的に見ていきましょう。
伝説の誤植から始まった「何をするだァーッ」の真実
ジョジョの「うろ覚え」や「言い間違い」を語る上で、絶対に外せないのが第1部(ファントムブラッド)の主人公、ジョナサン・ジョースターのセリフです。
- うろ覚え: 何をするだァーッ!
- 正解: 何をするんだァーッ!
実はこれ、初期のジャンプコミックス第1巻における単純な「誤植」でした。紳士を志すジョナサンが、田舎のなまりのような「〜するだ」という言葉を使うはずがありません。
しかし、このインパクトが強すぎた。緊迫したシーンでの脱力感のある誤字は、初期のネット掲示板で大流行し、「ジョジョといえばこれ」というレベルまで認知されてしまいました。
現在発売されているジョジョの奇妙な冒険 文庫版などでは、すべて「何をするんだァーッ」に修正されています。そのため、最近ファンになった人が「何をするだァーッ!」と聞くと、「そんなセリフあったっけ?」と逆にうろ覚えになってしまうという逆転現象が起きています。
意外と間違えている?あの超有名セリフの「語順」と「対象」
ジョジョを読んでいない人でも知っているような名言。実はこれらも「うろ覚え」の宝庫です。
「おまえは今まで食ったパンの枚数を覚えているのか?」
ディオ・ブランドーが放った、あまりにも冷酷で、あまりにも格好いいセリフです。
- うろ覚え: おまえは今まで食べたパンの個数を覚えているか?
- 正解: おまえは今まで食ったパンの枚数を覚えているのか?
「食べた」ではなく「食った」、「個数」ではなく「枚数」です。西洋風の食生活を反映して「枚」という単位を使っているのが荒木先生のこだわり。また、このセリフをジョナサンに言ったと思っている人が多いですが、実際はツェペリ男爵に対して放たれた言葉です。
「あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!」
第3部のポルナレフが、DIOのスタンド能力の恐ろしさを語るシーン。
- うろ覚え: 何を言っているのかわからねーと思うが、俺も何をされたのかわからなかった…
- 正解: あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!『おれは 奴の前で階段を登っていたと思ったら いつのまにか降りていた』な… 何を言っているのか わからねーと思うが おれも 何をされたのか わからなかった…
ネットでは「ポルナレフ状態」として有名ですが、全文を正確に覚えている人は意外と少ないです。特に「階段を登っていたと思ったら降りていた」という具体的な描写が抜けて、前後の困惑している部分だけが一人歩きしています。
擬音がセリフに?「メメタァ」のうろ覚え解釈
ジョジョといえば、独特の擬音も魅力。しかし、ここにも大きな勘違いが潜んでいます。
一番有名なのは、ツェペリさんがカエルを殴る(波紋を流す)シーンの「メメタァ」でしょう。
- うろ覚え: ツェペリさんが「メメタァ!」と叫んでいる。
- 正解: 無言(あるいは気合)で殴り、岩とカエルの間で鳴った擬音が「メメタァ」である。
多くのパロディ作品で、キャラクターが攻撃する際に「メメタァ!」と発声するため、これを掛け声だと思っている人が続出しました。しかし原作を読み返すと、これはあくまで「音」です。カエルを潰さずに岩だけを砕くという、波紋の不思議な力を表現した擬音。これを口で言ってしまうのは、ジョジョ好きからすると「うろ覚えだね」とツッコみたくなるポイントです。
作者さえもうろ覚え?「Araki Forgot」という都市伝説
実はファンだけでなく、作者の荒木飛呂彦先生自身も「前の設定をうろ覚え(忘れている)なのでは?」と言われることがあります。海外のファンの間では「Araki Forgot(荒木は忘れた)」というミームがあるほどです。
しかし、これにはジョジョ特有の「ライブ感」が関係しています。
第5部・ジョルノの反射能力
物語の序盤、ジョルノ・ジョバァーナが生み出した生物に攻撃すると、そのダメージがそのまま相手に跳ね返るという設定がありました。また、相手の感覚だけを暴走させて、ゆっくり殴られているように感じさせる能力もありました。
ところが、物語の中盤以降、これらの能力はほとんど登場しません。これに対し「荒木先生が設定を忘れた」という説がありますが、実際には「能力が強すぎてバトルが成立しなくなるため、あえて使わなくなった」あるいは「ジョルノの成長とともに能力が洗練された」という解釈がファンの間では一般的です。
設定をガチガチに固めるよりも、その場の勢いと熱量を優先する。このスタイルこそがジョジョの魅力であり、多少の「うろ覚え感」すらも作品の味になっているのです。
キャラクターの名前と外見のうろ覚え
ジョジョは登場人物が非常に多いため、名前とビジュアルが一致しない「うろ覚え」も頻発します。
特に第3部以降は、スタンド名と本体(人間)の名前が両方出てくるため混乱しがちです。
- ケース1:スタンド名を本体の名前だと思っている「デス・サーティーン」を倒した赤ちゃんは「マニッシュ・ボーイ」ですが、赤ちゃんの名前を「デス・サーティーン」だと思っているケース。
- ケース2:名前の由来をうろ覚え第3部の名前はタロットカード、第4部は地名、第5部はイタリア料理……といった法則性がありますが、後半になるほど複雑になり、「このキャラ、何が由来だっけ?」となるのはファンあるあるです。
ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル Rなどのゲームをプレイすると、こうした細かい名前やセリフが整理されて覚えやすいのですが、漫画だけだと記憶が混ざってしまうのも無理はありません。
ジョジョ立ちの「うろ覚え」は腰を痛める?
「ジョジョ立ち」を真似しようとして、なんとなくのイメージでポーズをとるのも「うろ覚え」の典型です。
ジョジョ立ちは、美術の彫刻などを参考にしているため、実は解剖学的にかなり無理のある姿勢が多いのが特徴。
- 承太郎の指差しポーズ: 単に指を指しているのではなく、上半身をのけ反らせ、腰をグッと前に突き出すのが正解。
- ジョナサンの顔隠しポーズ: 手首の角度が独特で、指の隙間から目を見せる絶妙なバランスが必要。
「うろ覚え」で中途半端に真似をすると、ジョジョ特有の「静かなる迫力」が出ないばかりか、変なところに力が入って関節を痛める可能性すらあります。本気で真似るなら、ジョジョ 画集などで細かい指先の角度まで確認するのが正解です。
ネットで蔓延する「偽ジョジョ名言」に注意
「これぞジョジョ!」と言われているセリフの中には、実は原作には一言も出てこない「偽名言」が存在します。
その代表例が、「そこにシビれる!あこがれるゥ!」の直後に続く(と思われている)言葉です。
- よくある間違い: 「さすがディオ様!そこにシビれる!あこがれるゥ!」
- 正解: 「そこにシビれる!あこがれるゥ!」(「さすがディオ様」という言葉は、直前には入っていない)
取り巻きの不良たちが叫ぶシーンですが、リズム感が良いため、勝手に言葉を付け足して覚えている人が非常に多いです。
また、「やれやれだぜ」も空条承太郎の代名詞ですが、実は作中でそこまで連発しているわけではありません。印象的なシーンで使われるため、読者の記憶の中で「毎度言っている」ように上書きされているのです。
情報を補完するために活用したいアイテム
ジョジョの「うろ覚え」を解消し、真の知識を手に入れるには、原作を読み返すのが一番です。しかし、全100巻を超えるシリーズをすべてチェックするのは大変ですよね。
そんな時に便利なのが、公式のデータブックや、エッセンスが凝縮された関連商品です。
- JOJO A-GO!GO!第5部までのイラストやスタンドデータが網羅されており、うろ覚えだった設定を視覚的に復習できます。
- 荒木飛呂彦の漫画術荒木先生自身が、どのようにキャラクターや世界観を作っているかを解説した一冊。なぜ設定が変わるのか、なぜあのセリフが生まれたのかという「裏側」を知ることで、記憶の定着率が爆上がりします。
- ジョジョの奇妙な冒険 アニメ公式ガイドブックアニメ版はセリフの取捨選択が非常に丁寧です。「どこが名シーンとして強調されているか」が分かるため、うろ覚えになりやすいポイントを整理するのに最適です。
まとめ:ジョジョのうろ覚え名言・ネタ20選!元ネタとの違いやネットで流行った理由は?
ここまで、『ジョジョの奇妙な冒険』にまつわる「うろ覚え」の世界を旅してきました。
「何をするだァーッ」のような誤植から始まった伝説、ディオの「パンの枚数」のような緻密なこだわり、そしてジョルノの能力に見るライブ感。ジョジョという作品は、読み手(そして時には描き手)の記憶を揺さぶる、強烈なエネルギーに満ちています。
うろ覚えであることは、決して悪いことではありません。それだけ作品が人々の記憶に深く入り込み、勝手に形を変えて広まっていくほど「強い力」を持っている証拠だからです。
もし、友達との会話で「あのセリフなんだっけ?」となったら、ぜひこの記事を思い出してみてください。そして、できればジョジョの奇妙な冒険 単行本を手に取って、その圧倒的な原典の迫力に、もう一度シビれて、あこがれてみてくださいね!
「やれやれだぜ」とため息をつく前に、あなたのジョジョ知識を「覚悟」あるものにアップデートしていきましょう。

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