『ジョジョの奇妙な冒険 第5部 黄金の風』を語る上で、避けては通れない「伝説の儀式」があります。それが、新入りのジョルノ・ジョバァーナが洗礼として受けた通称**「アバ茶」**です。
初見でアニメや漫画を見た方の多くが「え、今何をしたの?」「本当に飲んだの?」と衝撃を受けたはず。ネット上でも語り継がれるこのシーンには、実はジョルノの覚悟と、アバッキオという男の複雑な過去が凝縮されています。
今回は、アバ茶の正体から、ジョルノが使った驚きのトリック、そしてこのシーンが物語においてどんな意味を持っていたのかを徹底的に深掘りしていきます。ジョジョの世界観をより深く楽しむためのガイドとして、ぜひ最後までお付き合いください。
そもそも「アバ茶」の正体とは何なのか?
「アバ茶」という言葉は公式名称ではありません。ファンの間で親しまれている愛称ですが、その中身は至ってシンプル、かつ強烈です。
正体は、チームの先輩であるレオーネ・アバッキオが、ティーポットの中にこっそりと用を足した**彼自身の「尿」**です。
ギャングの世界の厳しい「洗礼」
なぜアバッキオは、初対面のジョルノに対してこれほどまでに行き過ぎた嫌がらせをしたのでしょうか。それは、彼らが生きるのが「パッショーネ」というギャング組織の中だからです。
イタリアの裏社会で生きる彼らにとって、仲間は命を預ける存在です。どこの馬の骨ともわからない新入りが、果たして自分たちの背中を任せるに足る「度胸」と「覚悟」を持っているのか。アバッキオは、それを試すためにあえて最悪の選択肢を提示したのです。
アニメ版での生々しい演出
原作漫画でも十分に衝撃的でしたが、アニメ版ではその描写がさらにパワーアップしていました。アバッキオがポットに背を向けて立つ姿、背後で流れる「ジョボジョボ……」というあまりにもリアルな環境音。そして、自信満々にジョルノへカップを差し出す冷徹な表情。
視聴者は、ジョルノがこの絶体絶命(生理的・精神的)なピンチをどう切り抜けるのか、固唾を飲んで見守ることになったのです。
ジョルノがアバ茶を飲み干した理由と驚愕のトリック
ミスタやナランチャがニヤニヤと見守る中、ジョルノは拒むどころか「いただきます」と丁寧に礼を言い、一気に飲み干しました。これには仕掛けた側のアバッキオも、読者も「マジかよ!」と驚愕したものです。
しかし、ジョルノは決してそのまま飲んだわけではありません。自身のスタンド能力を駆使して、ある「仕掛け」を施していました。
スタンド能力「ゴールド・エクスペリエンス」の応用
ジョルノのスタンド能力は、物体に生命を与え、動物や植物に変えるというものです。彼はこの能力を、自分の体の一部に使いました。
具体的には、自分の「前歯」の一本を、水分を大量に吸収する性質を持つ「クラゲ」に変身させたのです。
クラゲの性質を利用した回避術
クラゲの体の約95%以上は水分でできています。ジョルノはカップを口に当てた瞬間、喉の奥へ流し込むのではなく、歯から変身させたクラゲにすべての液体を吸い込ませました。
- 見た目にはしっかり飲んでいるように見える。
- 喉には一滴も通っていない。
- クラゲ(元は自分の歯)の中に液体を閉じ込めた。
この驚異的な機転により、ジョルノは自尊心を汚されることなく、かつ「先輩からの洗礼を真っ向から受け止めた」というポーズを完璧に演じきったのです。この胆力こそが、後に彼がチームの信頼を勝ち取る第一歩となりました。
なぜアバッキオはこれほどまでにジョルノを嫌ったのか?
アバ茶のシーンを見ると、アバッキオがただの性格が悪い男に見えてしまうかもしれません。しかし、彼の物語を深く知ると、あの行動の裏にある「不信感」の正体が見えてきます。
過去のトラウマ:元警官としての挫折
アバッキオはもともと、正義感に燃える警察官でした。しかし、社会の腐敗に絶望し、一度だけ汚職に手を染めてしまいます。その結果、自分のミスで相棒を死なせてしまうという、取り返しのつかない悲劇を経験しました。
「自分は正しいことをする資格がない」「希望なんてものは信じない」
そんな彼にとって、キラキラとした瞳で「僕には夢がある」と語るジョルノは、かつての自分が失った眩しすぎる光そのものでした。その「甘さ」や「理想」が、いつかチームを破滅させるのではないか。アバッキオの厳しい態度は、彼なりの防衛本能だったとも言えます。
信頼の裏返しとしての試練
アバッキオが信じているのは、自分を拾ってくれたブチャラティという男だけです。そのブチャラティが認めた新入りだからこそ、半端な覚悟では許せなかった。アバ茶は、アバッキオがジョルノを「同じ地獄を歩む仲間」として相応しいか見極めるための、彼なりの歪んだ愛情確認でもあったのです。
ジョジョファンの間で語り継がれる「アバ茶」の魅力
連載終了から長い年月が経ってもなお、なぜアバ茶はこれほどまでに愛されている(ネタにされている)のでしょうか。そこにはジョジョという作品が持つ独特の美学があります。
黄金の精神と「覚悟」
ジョジョのテーマは一貫して「人間讃歌」です。どんな困難に直面しても、自分の信念を貫き通す。ジョルノがアバ茶を(トリックを使ってとはいえ)飲み干した際に見せた「覚悟」は、まさに黄金の精神の片鱗でした。
「侮辱されたから怒る」のではなく、「目的のために侮辱すら利用する」。このジョルノの姿勢が、読者の心を掴んで離さないのです。
日常でも使える(?)ジョジョネタとして
ファンの間では、友人にお茶を出す際に「これアバ茶じゃないよね?」と冗談を飛ばしたり、黄色い飲み物を見るたびにアバ茶を思い出したりと、もはや共通言語化しています。
アニメ放送時には、SNSで「アバ茶」がトレンド入りするなど、その影響力は衰えるどころか増しています。公式のコラボイベントでも、ジョジョの世界観を再現した紅茶やハーブティーが販売されることがありますが、ファンは常に「中身は大丈夫か?」というお約束の反応を楽しんでいます。
物語を読み解く鍵:アバッキオとジョルノの絆の終着点
アバ茶から始まった二人の関係は、物語が進むにつれて静かに、しかし確実に変化していきます。
イルーゾォ戦で見せた「信頼」
最初はジョルノを無視し、冷たく当たっていたアバッキオですが、マン・イン・ザ・ミラー(イルーゾォ)との戦いで、ジョルノの命を懸けた機転に触れます。自分を犠牲にしてでも任務を遂行しようとするジョルノの姿を見て、アバッキオは「こいつは本物だ」と認めざるを得なくなります。
口では「勝手にしろ」と言いながらも、ジョルノの能力を前提とした作戦に命を預ける。この「言葉にしない信頼関係」こそが、5部ブチャラティチームの熱いポイントです。
最期に託されたバトン
物語の終盤、アバッキオは志半ばで命を落とします。しかし、彼が死の直前に命を削って残した「ボスの正体を探る手掛かり」を見つけ出し、その想いを繋いだのはジョルノたちでした。
アバ茶を飲ませた先輩と、それを飲み干した新入り。最悪の出会いをした二人が、最後には言葉を超えた絆で結ばれる。この対比があるからこそ、初期のアバ茶のシーンがより一層輝くのです。
ジョジョ5部のアバ茶とは?意味や正体、ジョルノが飲んだ理由と驚愕の解決法まとめ
いかがでしたでしょうか。単なる「汚いネタ」として片付けるにはあまりにもったいない、深い意味が込められた名シーン、それが「アバ茶」です。
- 正体はアバッキオの尿。
- 新入りのジョルノを試すための「洗礼」。
- ジョルノは歯をクラゲに変えて、液体を吸い込ませることで回避。
- このシーンは二人の信頼関係の始まりを告げる重要なポイント。
ジョルノが見せた、目的のためには手段を選ばない冷静さと、どんな屈辱も飲み込む(物理的には吸い込む)圧倒的な精神力。それこそが、彼が後にギャング・スターへと登り詰める資質を持っていた何よりの証拠です。
もし、この記事を読んで「もう一度あのシーンを確認したい!」と思った方は、ぜひジョジョの奇妙な冒険 黄金の風のコミックスやアニメを見返してみてください。初見の時とは違う、アバッキオの複雑な心境やジョルノの凄みが伝わってくるはずです。
ジョジョの世界は、細かな描写の一つひとつにキャラクターの魂が宿っています。アバ茶という一杯のお茶(?)を通して、彼らの熱い生き様を感じてみてくださいね。
次のおすすめステップ
この記事を読んでジョジョ5部の熱いドラマに興味が湧いた方は、次は「ブチャラティの名言」や「各スタンド能力の相性」についてもチェックしてみてはいかがでしょうか?さらに深いジョジョの世界があなたを待っています。

コメント