「おれはインドに来るたびに思うんだ……この国のもつエネルギーは、いったいどこからわいてくるのかと」
ジョジョの奇妙な冒険、第3部「スターダストクルセイダース」を読んだファンなら、アヴドゥルのこのセリフが深く記憶に刻まれているはずです。エジプトへの旅路のなかでも、特に異彩を放ち、読者に強烈なインパクトを与えたのが「インド編」ですよね。
カオスで、不衛生で、それでいて生命力に満ち溢れたあの描写。実はこれ、作者の荒木飛呂彦先生が実際に現地を歩いて感じた「生のインド」が投影されているんです。
今回は、承太郎たちが歩いたカルカッタ(現コールカタ)からベナレス(現バラナシ)までの道のりを、聖地巡礼の視点で徹底解説します。あの恐怖のトイレや、ポルナレフの魂の叫びが聞こえてきそうなスポットなど、ジョジョ好きなら胸が熱くなる情報をまとめました。
なぜジョジョ第3部のインド編はこれほどまでにリアルなのか?
ジョジョ第3部が連載されていた1980年代後半、バックパッカーにとってインドは「人生観が変わる場所」として聖地視されていました。荒木先生もその時代の空気感を肌で感じ、実際に現地を取材されています。
作中で描かれる、タクシーを取り囲む群衆、執拗にチップを求める人々、そして牛が悠然と歩く街角。これらは決して大げさな演出ではなく、当時のインドそのものでした。
読者が「まるで自分も旅をしているようだ」と感じるのは、緻密な背景描写と、そこに住む人々の呼吸が伝わってくるようなリアリティがあるからです。聖地巡礼を考えるなら、まずはこの「カオスな熱量」を理解することが第一歩になります。
カルカッタ(コールカタ):洗礼の街と「あのトイレ」の謎
シンガポールから海路でインドに上陸した承太郎一行。彼らが最初に足を踏み入れたのが、東インドの玄関口カルカッタ(現在はコールカタと呼ばれます)です。
チョウリンギ通り周辺の喧騒
一行が宿泊先を探して歩いたのは、おそらく当時の中心地であるチャウリンギ通り周辺でしょう。花京院が子供に財布をすられそうになったり、アヴドゥルが「これがインドだ」と諭したりするシーン。あの背景にあるのは、英国植民地時代の面影を残す建物と、そこを埋め尽くす露店や人波です。
現代のコールカタも地下鉄が通り近代化が進んでいますが、一歩路地に入れば、当時のままの剥き出しのエネルギーを感じることができます。
ポルナレフを襲った「豚のトイレ」は実在する?
インド編最大のトラウマ(?)といえば、ポルナレフが襲われた「床下から豚が顔を出すトイレ」ですよね。
「あ、ありのまま、今起こったことを話すぜ……!」と叫びたくなるようなあの構造。実はこれ、かつてのアジア圏で見られた「豚便所」という仕組みがモデルになっています。
現代の都市部では衛生管理が進み、さすがに観光客が利用するレストランでこれに遭遇することはありません。しかし、荒木先生の取材当時は地方に行けば実在した光景であり、あのエピソードは「異文化の洗礼」を象徴するジョジョ屈指の迷シーンとして語り継がれています。
ホル・ホースとJ・ガイル、復讐の雨に濡れるカルカッタ
カルカッタでの滞在は、ポルナレフにとって運命の分岐点となりました。妹の仇である「両右手の男」J・ガイル、そして不敵な笑みを浮かべるホル・ホース。
鏡の中の世界と雨の決闘
J・ガイルのスタンド「吊られた男(ハングドマン)」との戦いは、光と鏡をテーマにした屈指の心理戦でした。水たまりや鏡に潜む敵。あの緊迫感あふれる戦いの舞台となったのは、カルカッタの湿り気を帯びた路地裏です。
インドの雨は、スコールのように激しく、すべてを洗い流すような勢いがあります。聖地巡礼でこの地を訪れるなら、雨季(6月〜9月)のカルカッタを歩いてみると、あの戦いの重苦しくも熱い空気をよりリアルに感じられるかもしれません。
聖地ベナレス(バラナシ):生と死が交差するガンジス川
カルカッタから長距離バスに揺られ、一行が向かったのがヒンドゥー教最大の聖地ベナレス(現在はバラナシ)です。
ガンジス川のガート(階段状の岸壁)
ジョセフの腕に「女帝(エンプレス)」が寄生し、ドロドロの戦いが繰り広げられたのが、ガンジス川沿いのガートです。
ここでは現在も、人々が聖なる川で沐浴し、一方でそのすぐ傍らで死者が荼毘に付されています。生と死が混ざり合うこの独特の光景は、第3部の「奇妙な」世界観と見事にリンクしています。
ジョセフが病院を探して迷い込んだり、肉塊となったスタンドを隠そうと奔走したりするシーン。あの背景にあるのは、数千年の歴史を持つベナレスの圧倒的な宗教的背景なのです。
迷路のような路地裏と牛の壁
ベナレスの旧市街は、まさに迷宮です。すれ違うのがやっとの細い路地に、巨大な牛が陣取っている。これは漫画の中だけの話ではなく、今も変わらないバラナシの日常です。
承太郎たちが敵を追って駆け抜けたあの狭い世界。実際に歩いてみると、地図が役に立たないほどの複雑さに驚くはずです。そのカオスな空間こそが、ジョジョのスタンドバトルの緊迫感を高めるスパイスになっていたことがわかります。
聖地巡礼を120%楽しむためのアイテム
インドの聖地巡礼は、他の国に比べてハードルが高いのも事実。万全の準備が必要です。承太郎たちのようなタフな旅をするなら、以下のアイテムをチェックしておきましょう。
まず欠かせないのが、公式のガイドブック。
地球の歩き方 ジョジョの奇妙な冒険これ一冊あれば、作中のルートと現実の地図を照らし合わせるのが格段に楽しくなります。
また、現地の強い日差しから身を守るための帽子やサングラスも必須。承太郎のような学ランはさすがに暑すぎますが、しっかりとした装備は旅の基本です。
長時間の移動には、リラックスできるウェアも準備したいところ。
ジョジョの奇妙な冒険 Tシャツこれをお供に、現地の熱気を感じながら「スターダストクルセイダース」の足跡を辿るのは最高の体験になります。
さらに、現地の水事情には要注意。ジョセフのように「コーラ」を頼むのが一番安全かもしれません。
コカ・コーラ瓶のコーラをラッパ飲みしながら、ガートに腰掛けてガンジス川を眺める……。それだけで、あなたも立派なジョースター一行の一員です。
インド編が私たちに教えてくれること
なぜ、私たちはこれほどまでにジョジョのインド編に惹かれるのでしょうか。
それは、承太郎たちが単に敵と戦うだけでなく、文化の壁や理不尽な環境、そして自分たちの常識が通用しない世界に悩みながらも、前へ進んでいく姿が描かれているからだと思います。
アヴドゥルが「謝る必要はない、これがこの国のやり方だ」とポルナレフを諭すシーン。これこそが、異文化を受け入れ、目的(DIOの打倒)のために団結する一行の絆の深さを表しています。
インドという舞台は、彼らを人間として、そしてスタンド使いとして一回り大きく成長させた場所なのです。
まとめ:『ジョジョの奇妙な冒険』第3部インド編の聖地巡礼ガイド!名シーンの舞台を徹底解説
いかがでしたでしょうか?
カルカッタの喧騒、ベナレスの神秘、そしてポルナレフの災難。ジョジョ第3部のインド編は、単なる通過点ではなく、作品に「魂」を吹き込んだ重要な章でした。
現代のインドは急速に発展していますが、荒木先生が描き出した「人間の本質的なエネルギー」は、今も現地の街角に確かに息づいています。
- コールカタで「洗礼」を受け、
- バラナシで「生と死」を感じ、
- 路地裏で「敵の気配」に怯える。
そんな旅ができれば、あなたのジョジョ愛はさらに深まること間違いありません。もちろん、トイレに行くときは、まずは床下を確認することを忘れずに!
もしあなたが、承太郎たちのような「誇り高き旅人」としてインドを目指すなら、この記事が少しでもその助けになれば幸いです。
『ジョジョの奇妙な冒険』第3部インド編の聖地巡礼ガイド!名シーンの舞台を徹底解説、最後までお読みいただきありがとうございました。さあ、次はパキスタン(を越えてエジプト)を目指して、あなたの旅を始めましょう!

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