アニメ『ジョジョの奇妙な冒険』を語るうえで、絶対に外せない要素があります。それは、本編のクライマックスから最高潮のテンションで流れ出す「エンディング曲」の存在です。
多くの日本のアニメが最新のJ-POPをタイアップ曲として起用するなか、ジョジョは一貫して「伝説的な洋楽」をエンディングに据えてきました。イントロが聞こえてきた瞬間に鳥肌が立ち、物語の余韻に浸りながらクレジットを眺める……あの体験は、他の作品ではなかなか味わえません。
なぜ、ジョジョのエンディングには洋楽が選ばれるのでしょうか?そこには原作者・荒木飛呂彦先生の深いこだわりと、制作陣の並々ならぬ情熱が隠されています。
今回は、第1部から第6部までの歴代エンディング曲を振り返りながら、選曲の背景や物語とのリンクについて詳しく解説していきます。この記事を読み終える頃には、きっとお気に入りの曲をヘッドホンで聴き直したくなるはずですよ。
なぜ洋楽なのか?荒木飛呂彦先生のルーツと選曲のこだわり
ジョジョのエンディングに洋楽が採用されている最大の理由は、原作者である荒木飛呂彦先生の「音楽体験」そのものにあります。
ジョジョという作品は、キャラクターの名前や特殊能力である「スタンド」の名前に、実在するバンドや楽曲名が数多く使われていることで有名ですよね。荒木先生にとって、洋楽は単なるBGMではなく、キャラクターに魂を吹き込むための重要なインスピレーションの源なのです。
アニメ化に際してエンディング曲を選ぶ際、荒木先生は「執筆当時に聴いていた曲」や「そのエピソードの雰囲気に合う曲」を提案されているそうです。
例えば、1980年代に連載されていたエピソードなら、当時の空気感を反映した楽曲を選ぶ。そうすることで、漫画のページをめくっていた当時の読者の感覚と、現代のアニメ視聴者の感覚をリンクさせているわけです。
また、音響監督をはじめとするアニメ制作陣の演出も神がかっています。曲のイントロを本編のラスト数秒に重ねて流す「引き」の演出は、視聴者の高揚感をこれ以上ないほどに高めてくれます。
第1部・第2部:伝説の始まりを告げるプログレの至宝
ジョジョのアニメシリーズが始まった瞬間、古くからのファンを驚かせ、新しいファンを虜にしたのがこの楽曲です。
『Roundabout』 / Yes(イエス)
1970年代を代表するプログレッシブ・ロック・バンド、Yesの代表曲です。アコースティックギターの繊細な調べから始まり、重厚なベースラインがうねりを上げるこの曲は、まさに「予測不能な冒険」を象徴しています。
第1部「ファントムブラッド」と第2部「戦闘潮流」を通して使用されましたが、何と言っても「To Be Continued」のロゴが出るタイミングと、曲の盛り上がりが完全に一致する演出は伝説的です。
荒木先生が連載当時、実際にこの曲を聴きながら執筆していたというエピソードもあり、ジョナサンやジョセフの数奇な運命を彩るのにこれ以上ない選曲でした。プログレ特有の複雑な構成が、世代を超えて受け継がれる血脈の物語と見事にシンクロしています。
もし、当時の空気感をより深く味わいたいなら、レコードプレーヤーやスピーカーでじっくりと低音を楽しんでみてください。
第3部:エジプトへの長い旅路と忘れられない仲間たち
第3部「スターダストクルセイダース」では、エジプトを目指す旅の行程に合わせて、前半と後半で楽曲が変更されるという豪華な構成が取られました。
前半:『Walk Like an Egyptian』 / The Bangles(バングルス)
「エジプト人のように歩こう」というタイトル通り、これから始まる奇妙な旅を予感させるポップでキャッチーな一曲です。80年代に大ヒットしたこの曲は、承太郎たちが香港、インド、パキスタンと旅を続けていく様子を軽快に彩りました。
エンディング映像の中で、キャラクターたちが曲に合わせてリズムを取る姿はどこか微笑ましく、過酷な旅の中にある「束の間の中休みの楽しさ」を感じさせてくれます。
後半:『Last Train Home』 / Pat Metheny Group(パット・メセニー・グループ)
エジプト編に突入し、物語がいよいよ佳境を迎えると、曲は一転して静かなインストゥルメンタル(歌のない楽曲)へと変わります。
この『Last Train Home』は、夕暮れ時を走る列車のような切ない旋律が特徴です。荒木先生は「エジプトへ向かう列車のイメージにぴったりだった」と語っていますが、視聴者にとっては「失われた仲間たち」を想う鎮魂歌のようにも聞こえました。
歌詞がないからこそ、それぞれのキャラクターの想いが胸に迫る。ジョジョ史上、最も泣けるエンディングの一つと言っても過言ではありません。
第4部:1999年の杜王町に溶け込むスタイリッシュな音色
第4部「ダイヤモンドは砕けない」の舞台は1999年の日本。これまでの壮大な旅とは異なり、一つの街の中で巻き起こる「日常に潜む恐怖」がテーマです。
『I Want You』 / Savage Garden(サヴェージ・ガーデン)
90年代後半に世界中で大ブームを巻き起こしたサヴェージ・ガーデンのデビュー曲です。高速で刻まれるリズムとミステリアスなメロディは、おしゃれでありながらどこか不穏な空気を持つ杜王町の雰囲気にぴったりでした。
第4部はポップな色彩設計が特徴ですが、この曲が流れることで作品全体がグッと引き締まり、現代的なサスペンスとしての側面が強調されています。
また、歌詞の内容も「執着」を感じさせる部分があり、殺人鬼・吉良吉影の歪んだ愛や、街の人々の繋がりを暗示しているようにも取れるのが面白いポイントです。スマホやウォークマンに入れて散歩しながら聴くと、いつもの街が杜王町に見えてくるかもしれません。
第5部:イタリアの裏社会を駆け抜ける黄金の精神
イタリアを舞台に、ギャングの頂点を目指すジョルノたちの戦いを描いた第5部「黄金の風」。ここでは、イタリアらしい色気と、運命に抗う重厚さが共存する選曲がなされました。
前半:『Freek’n You』 / Jodeci(ジョデシィ)
90年代R&Bの名曲です。官能的でメロウなサウンドは、これまでのジョジョのエンディングとは一線を画す「大人の色気」を放っています。
最初は「ギャング映画にR&B?」と意外に感じたファンも多かったようですが、ジョルノやブチャラティたちが持つスタイリッシュな佇まいや、命を懸けた絆の熱っぽさと見事にマッチしていました。
後半:『Modern Crusaders』 / Enigma(エニグマ)
物語のクライマックス、ボスの正体に迫る頃に切り替わったのが、エニグマの『Modern Crusaders』です。
クラシックの名曲『おお、運命の女神よ』をサンプリングした荘厳なサウンドは、まさに「運命」をテーマにした第5部の終盤にふさわしい迫力。エンディング映像で、歴代のスタンドたちが彫刻のように積み上がっていく演出には、鳥肌が止まりませんでした。
第6部:ジョースターの血の宿命、その終着点
空条承太郎の娘・徐倫が主人公となる第6部「ストーンオーシャン」。アメリカの刑務所という閉鎖的な空間から始まる物語に寄り添ったのは、切なくも力強い女性ボーカルでした。
『Distant Dreamer』 / Duffy(ダフィー)
「遠くを夢見る人」というタイトル通り、自由を奪われた状況の中でも、決して希望を捨てずに遠くを見つめる徐倫の心境をそのまま歌にしたような楽曲です。
60年代のソウル・ミュージックを彷彿とさせるダフィーの歌声は、どこか懐かしく、そして深い慈愛に満ちています。1部から続いてきたジョースター家とディオの因縁が、一つの大きな結末へと向かっていく。その壮大な物語を優しく包み込むような、最高のフィナーレにふさわしい選曲でした。
音楽から紐解くジョジョの魅力
こうして振り返ってみると、ジョジョのエンディング曲は単なる飾りではなく、物語の一部として機能していることがよく分かります。
荒木飛呂彦先生の頭の中にあった音楽が、アニメという形を通して具現化され、私たちの耳に届く。それは、何十年も前に作られた洋楽の名曲たちが、ジョジョというフィルターを通すことで新しい命を吹き込まれる瞬間でもあります。
もし、アニメを見て「この曲いいな」と思ったら、ぜひそのアーティストの他の楽曲も調べてみてください。そこには、荒木先生がスタンドのアイデアを得たかもしれないヒントがたくさん隠されています。
お気に入りの曲を見つけたら、ワイヤレスイヤホンを装着して、ジョジョの世界観にどっぷりと浸ってみるのも贅沢な時間の過ごし方ですね。
まとめ:ジョジョのエンディング曲一覧!洋楽採用の理由や原作者のこだわりを徹底解説
アニメ『ジョジョの奇妙な冒険』のエンディング曲は、作品の世界観を補完し、視聴者の記憶に深く刻み込まれる重要なピースです。
- 第1部・第2部: プログレの雄、Yesの『Roundabout』による衝撃的な導入。
- 第3部: 旅の楽しさと切なさを描き分けたBanglesとPat Metheny Group。
- 第4部: 90年代の空気感を象徴するSavage Gardenのスタイリッシュな旋律。
- 第5部: ギャングの色気と運命の重厚さを表現したJodeciとEnigma。
- 第6部: 宿命の終着点を優しく照らすDuffyのソウルフルな歌声。
これらの選曲はすべて、荒木飛呂彦先生の音楽への深い愛と、制作陣の徹底的なこだわりによって成り立っています。洋楽という「本物の音」を採用することで、ジョジョという物語が持つ普遍的な輝きが、よりいっそう引き立てられているのです。
次にアニメを観る時は、本編が終わった瞬間の「あの音」にぜひ注目してみてください。物語の余韻が、これまで以上に深く、鮮やかに感じられるはずです。
今回のジョジョのエンディング曲一覧!洋楽採用の理由や原作者のこだわりを徹底解説を通して、あなたのジョジョライフがより豊かなものになれば幸いです。

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