「ジョジョの奇妙な冒険」という作品の名前を聞いたことがない人は、今の日本にはほとんどいないかもしれません。情熱的なファンに支えられ、アニメ化や実写映画化、さらにはルーヴル美術館での展示まで成し遂げた、まさに日本漫画界の金字塔です。
しかし、いざ「自分も読んでみよう!」と思い立ったとき、大きな壁が立ちはだかります。それは、シリーズの圧倒的な長さと、書店の棚に並ぶ「〇〇版」という種類の多さです。
単行本、文庫版、大判のジョジョニウム、そしてコンビニで見かける厚い冊子。一体どれが自分に合っているのか、どこから読み始めるのが正解なのか。
今回は、そんな迷える初心者の方のために、ジョジョを最高に楽しむための「ジョジョセレクション」の選び方を、徹底的に解説していきます。この記事を読み終える頃には、あなたにとっての「運命の一冊」が見つかっているはずです。
なぜジョジョは「どの版で読むか」が重要なのか?
ジョジョは1987年の連載開始から35年以上が経過しており、現在も物語は続いています。これだけ長い歴史があると、時代に合わせてさまざまな形態で再販されてきました。
実は、ジョジョには「読む順番」以上に「どの媒体(版)で読むか」によって、読書体験が大きく変わるという特徴があります。
例えば、初期の荒木飛呂彦先生の絵は劇画タッチで非常に描き込みが激しいですが、最新のデジタル技術でカラー化されたものを読むと、キャラクターの動きやスタンド(超能力)の造形が驚くほど理解しやすくなります。逆に、紙の質感を楽しみながら、当時のジャンプの熱量を感じたいなら、アナログな単行本が向いています。
まずは、現在手に入る主要なエディションの違いを整理してみましょう。
徹底比較!自分にぴったりのジョジョを探す
1. 王道の「新書版単行本」
最もスタンダードな、いわゆる「ジャンプ・コミックス」のサイズです。
- メリット: 荒木先生が当時描いたままの構成で読めること。表紙のデザインが各巻個性的で、並べた時の達成感があります。
- デメリット: 巻数が非常に多いため、1部から揃えようとすると相当な本棚のスペースを占領します。
2. 収納に便利な「集英社文庫版」
物語に区切りをつけ、数巻分をコンパクトにまとめたのがジョジョの奇妙な冒険 文庫版です。
- メリット: 持ち運びがしやすく、場所を取りません。また、巻末には著名な作家やクリエイターによる解説(エッセイ)が収録されており、作品をより深く理解する手助けになります。
- デメリット: 絵のサイズが小さくなるため、細かい描き込みをじっくり見たい人には少し物足りないかもしれません。
3. 豪華な完全版「JOJONIUM(ジョジョニウム)」
A5判の大判サイズで、第1部から第3部までを再構成した愛蔵版です。
- メリット: 全巻の表紙が荒木先生による描き下ろし。さらに、雑誌掲載時のカラーページが完全再現されています。キャラクター誕生秘話などのボーナスコンテンツも充実しています。
- デメリット: 1冊あたりの価格が高く、重量もあるため、気軽に持ち歩くのには向きません。
4. 視認性抜群の「デジタルカラー版」
スマホやタブレットで読む、全ページフルカラーの電子書籍です。
- メリット: ジョジョ特有の「色使い」が堪能でき、白黒では判別しにくかったバトルの状況がひと目でわかります。
- デメリット: 紙媒体としての所有感はありません。
初心者が脱落しないための「読み始め」セレクション
ジョジョは第1部から読むのが正解……と言いたいところですが、実はここが最大の落とし穴です。第1部は19世紀のイギリスを舞台にした重厚なホラー・サスペンスで、現代の漫画のテンポに慣れていると、少し入り込みにくく感じる人もいます。
そこで、タイプ別に「どこから入るべきか」のセレクション案を提案します。
圧倒的な人気を誇る「第3部」から入る
ジョジョの代名詞である「スタンド(幽波紋)」が登場するのは第3部からです。
- ジョジョの奇妙な冒険 第3部は、日本からエジプトを目指すロードムービー形式。
- 能力バトルのルールがわかりやすく、ジョジョの面白さを即座に体感できます。
- 3部を読んでから「なぜこの物語は始まったのか?」というルーツを探るために1部・2部へ戻るルートは、多くのファンが推奨する「挫折しない読み方」です。
スタイリッシュな「第5部」から入る
イタリアを舞台にしたマフィアの物語である第5部は、ファッション性や美学が際立っています。
- ジョジョの奇妙な冒険 第5部は、独立した物語としての完成度が高く、過去作を知らなくても十分に楽しめます。
- 「運命に抗う」というテーマが強く、若者を中心に絶大な支持を得ています。
スピンオフという選択肢:岸辺露伴から入る道
最近では、高橋一生さん主演のドラマや映画からジョジョに興味を持った方も多いでしょう。その場合は、本編ではなくスピンオフから入るのが最短ルートです。
岸辺露伴は動かないは、第4部に登場する漫画家・岸辺露伴を主人公にした短編集です。
本編のような長い戦いではなく、1話完結の奇妙な事件を追う形式なので、ジョジョ特有の世界観に少しずつ慣れていくのに最適です。ここから露伴が登場する第4部本編へ進むと、キャラクターへの愛着もひとしおです。
ジョジョを「モノ」として所有する喜び
ジョジョの単行本は、もはやアートブックに近い側面を持っています。特に文庫版のジョジョの奇妙な冒険 ポストカードセット付などは、コレクションアイテムとしても非常に優秀です。
また、特定の部をまとめて購入したい場合は、セット販売を狙うのが賢い選択です。バラバラに買うよりも安く済むことが多く、箱のデザインも凝っているため、インテリアとしても映えます。
迷ったら「直感」で選んでいい
ここまで色々と解説してきましたが、ジョジョという作品の最大の魅力は「熱量」です。
本屋で見かけた表紙がカッコいい、なんとなくこのキャラクターが好きそう。そんな直感で選んだ部から読み始めても、ジョジョの世界はあなたを拒絶しません。
むしろ、断片的に知った情報を繋ぎ合わせていく過程こそが、ジョジョという壮大なパズルを解く楽しみでもあります。
- 1部・2部:波闘と吸血鬼の因縁
- 3部:スタンドバトルの完成
- 4部:日本の町に潜む不気味な日常
- 5部:ギャングたちの黄金の精神
- 6部:刑務所からの脱出と宇宙の流転
- 7部以降:パラレルワールドでの新たな挑戦
どの部にも、他の漫画では決して味わえない「人間讃歌」の精神が流れています。
まとめ:ジョジョセレクションの選び方は?初心者向けのおすすめや違いを徹底解説
いかがでしたでしょうか。ジョジョの世界は広大ですが、自分のライフスタイルや好みに合わせて「版」や「部」を選べば、これほどエキサイティングな体験はありません。
場所を取らずに手軽に読み始めたいならジョジョの奇妙な冒険 文庫版を。
大画面でカラーの迫力を楽しみたいならデジタル版を。
そして、作品を一つの芸術として手元に置きたいならジョジョニウムを手に取ってみてください。
「読む順番」に縛られすぎず、まずはあなたが「これだ!」と思った一冊からページをめくってみてください。その瞬間から、あなたの日常もまた、奇妙で刺激的な冒険へと変わり始めるはずです。
「覚悟」はいいですか?ジョジョの世界は、いつでもあなたを待っています。

コメント