『ジョジョの奇妙な冒険 第3部 スターダストクルセイダース』を語る上で、避けて通れない強烈な刺客がいます。そう、シンガポールのホテルで空条承太郎たちを待ち受けていた男、ラバーソールです。
「レロレロレロレロ……」という、あの伝説的なチェリーの食べ方に衝撃を受けた方も多いのではないでしょうか。一見するとコミカルな変質者に見えますが、その実態は承太郎を文字通り「死の淵」まで追い詰めた、シリーズ屈指のチート能力の持ち主です。
今回は、自称ハンサム顔の怪人ラバーソールと、無敵の防御を誇るスタンド「イエローテンパランス(黄の節制)」の恐ろしさ、そしてファンの間で語り継がれる名言の数々について、ディープに解説していきます。
偽物の花京院典明として現れた刺客ラバーソール
承太郎一行がエジプトへの旅の途中で立ち寄ったシンガポール。そこで最初に牙を剥いたのがラバーソールでした。彼はスタンド能力を駆使して、仲間の花京院典明に完璧に成りすましていたのです。
見た目だけでなく、声や体格までコピーするその擬態能力は完璧でした。しかし、あまりにも「花京院らしからぬ」奇行が目立ちすぎたため、承太郎に正体を見破られることになります。
「レロレロ」の衝撃と擬態のクオリティ
ホテルのアイスクリームを勝手に食べたり、スリの指をへし折ったりと、普段の冷静沈着な花京院からは想像もつかない行動。そして極めつけは、チェリーを舌の上で転がす「レロレロ」という音です。
読者の誰もが「こいつは偽物だ!」と確信した瞬間でしたが、実は後に本物の花京院も同じ特技を持っていたことが判明します。ラバーソールの擬態がいかに細部までリサーチされていたか、彼のプロとしての執念(と変態性)が垣間見えるシーンですね。
自称「ハンサム顔」の本体
スタンドを解除したラバーソールの正体は、花京院とは似ても似つかぬ肥満体の男でした。しかし、本人は自分の顔を「ハンサム」と信じて疑わず、顔を攻撃されることを極端に嫌います。このナルシシズムと、後で見せる卑屈な命乞いのギャップこそが、彼のキャラクターとしての最大の魅力といえるでしょう。
スタンド「イエローテンパランス(黄の節制)」の無敵の能力
ラバーソールが操るスタンド「イエローテンパランス」は、タロットカードの14番目「節制」を暗示しています。このスタンド、実は3部に登場する数多の能力の中でも「攻略難易度が最高クラス」と言われるほど恐ろしい特性を持っています。
物理攻撃を無効化する「肉の壁」
イエローテンパランスは、黄色いスライムのような不定形の肉塊です。最大の特徴は、あらゆる物理攻撃を吸収し、拡散させてしまうこと。スタープラチナの圧倒的なパワーによるパンチでさえ、この肉塊に触れた瞬間に勢いを削がれ、本体にダメージを通すことができません。
さらに、熱や冷気に対しても耐性があります。火で炙ればそのエネルギーを吸収して増殖し、凍らせればより強固に相手に食い込む。まさに「詰み」の状態を作り出す防御特化型の能力です。
恐ろしい「同化と捕食」
このスタンドの真の恐怖は、一度体に付着したら最後、対象を「食い尽くす」まで離れないことにあります。ラバーソールの意志で相手の皮膚に付着した黄色い肉は、相手のタンパク質を栄養として増殖し続けます。
無理に引き剥がそうとすれば、自分の肉まで一緒にちぎれてしまう。承太郎は犬や他人の肉を身代わりにすることで一時的に回避しましたが、もし何も対策がなければ、数分後には全身を溶かされて吸収されていたはずです。
射程距離の短さを補う擬態
弱点があるとすれば、スタンドを本体から離して飛ばせない「射程距離の短さ(E)」です。しかし、ラバーソールは自身の体をスタンドで覆い、他人に化けることで敵の懐に飛び込むという戦法でこれを克服しています。暗殺者として、これほど噛み合った能力も珍しいでしょう。
承太郎を絶望させた名言「ドゥー・ユー・アンダスタン?」
ジョジョファンの間でラバーソールが愛される理由の一つに、その独特なセリフ回しがあります。特に、承太郎を壁際に追い詰め、勝利を確信した時の煽り文句は秀逸です。
「ドゥー・ユー・アンダスタン?」の使い所
自分の能力が火にも氷にも強く、スタープラチナの拳も通じないことを丁寧に解説した後、彼はこう言い放ちます。
「ドゥー・ユー・アンダスタン?(わかったか、え?)」
この、相手を見下しきった英語の煽りは、彼の傲慢さを象徴しています。絶望的な状況でこれを言われる読者は、承太郎がどうやって逆転するのか手に汗を握ったものです。
「ハンサム顔が台無しだあぁーッ!」
一方、戦いが劣勢になると、彼の言葉は一気に小物臭漂うものに変わります。
承太郎の一撃を顔面に食らった際の絶叫は、それまでの余裕が嘘のような醜態でした。この「強い時はとことん強く、負ける時はとことん惨め」という徹底した悪役っぷりが、ラバーソールという男を忘れられない存在にしています。
まさかの結末!最強の能力を破った承太郎の機転
「弱点がない」と豪語していたイエローテンパランスですが、承太郎はスタンド能力ではなく「環境」を利用した知略で勝利を掴みます。
逃げ場のない「水中戦」
承太郎はあえてラバーソールと共に海へ飛び込みました。どれほど物理無効のスタンドを纏っていようと、本体は人間です。呼吸をしなければ生きていけません。
水中に引きずり込まれたラバーソールは、息をするために顔の一部分のスタンドを解除せざるを得なくなりました。その一瞬の隙、防御が解けた「生身」の部分を承太郎は見逃しませんでした。
卑屈な命乞いと情報の切り売り
海中でボコボコにされたラバーソールは、地上に這い上がると同時に、なりふり構わぬ命乞いを始めます。
「情報を話すから許してくれ!」と、仲間であるホル・ホースやJ・ガイルの能力をあっさりと暴露。この潔いまでの裏切りと卑怯さは、ある意味で清々しささえ感じさせます。
しかし、隙を見て再度反撃を試みたことが承太郎の怒りに触れ、最後は伝説のラッシュ「オラオラ」によって再起不能(リタイア)に追い込まれました。
なぜラバーソールは「最強」の呼び声が高いのか?
ファンの間では「もしラバーソールがもう少し賢かったら、3部はここで終わっていた」という議論がよくなされます。それほどまでにイエローテンパランスの性能は突出していました。
他のスタンド使いとの相性
例えば、4部の東方仗助や5部のジョルノ・バナァーナであっても、この「付着したら終わり」の自動捕食を攻略するのは容易ではありません。物理攻撃主体のスタンド使いにとって、イエローテンパランスは天敵とも言える存在です。
もし彼がDIOに忠実で、他の刺客と連携して戦っていたら……。想像するだけで恐ろしいポテンシャルを秘めていました。
グッズやゲームでの人気
その独特な立ち位置から、ラバーソールは関連グッズやゲームでも異彩を放っています。
ジョジョの格闘ゲームでは、花京院の姿を借りつつも中身がラバーソールという特殊な仕様で登場し、トリッキーな技でプレイヤーを翻弄しました。
ファンとしては、彼の「ハンサム顔」をプリントしたTシャツや、イエローテンパランスを模したスライム状のガジェットなどがあれば面白いかもしれません。ジョジョの世界観をより楽しむために、フィギュアなどをデスクに飾るのも良いでしょう。
ジョジョの奇妙な冒険 フィギュアジョジョのラバーソールというキャラクターが残したもの
ラバーソールとの戦いは、3部における「能力の相性と機転の重要性」を読者に強く印象付けました。単にパワーが強いだけでは勝てない、ジョジョらしいバトルの醍醐味が凝縮されています。
悪役としての完成度
彼は決して高潔な志を持っているわけでも、悲しい過去があるわけでもありません。金のために動き、弱者をなぶり、負ければ命乞いをする。そんな「純粋な小悪党」だからこそ、承太郎が彼を叩きのめした時の爽快感は格別でした。
読者への教訓
「弱点がない」と自惚れることこそが、最大の弱点である。ラバーソールの最期は、私たちにそんな教訓を与えてくれているような気さえします。どんなに優れた能力を持っていても、それを使う人間の精神性に欠陥があれば、土壇場で足元をすくわれるのです。
最後に、もしあなたが「最近刺激が足りないな」と感じているなら、ぜひアニメや原作でラバーソール戦を再確認してみてください。あの「レロレロ」の音と、絶望からの逆転劇は、何度見ても色褪せない魅力に溢れています。
ジョジョの世界には、まだまだ魅力的な悪役がたくさんいますが、ラバーソールほど「嫌な奴なのにどこか憎めない」キャラクターは他にいません。彼の「ハンサム顔」が次にどこで話題になるのか、ファンとして楽しみですね。
ジョジョのラバーソールについて深く知ることで、3部全体の物語がより一層面白く感じられるはずです。承太郎がどのような覚悟で彼を倒したのか、その決着の瞬間をぜひ胸に刻んでください。

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