『ジョジョの奇妙な冒険 第4部 ダイヤモンドは砕けない』には、個性的すぎるスタンド使いが数多く登場します。しかし、その中でも異彩を放ちすぎているのが、通称「猫草(ストレイ・キャット)」です。
見た目は植物、中身は猫、そして能力は空気を操るスタンド。この奇妙すぎる生物がいったい何者だったのか、物語の始まりから衝撃のラストまで、その魅力を余すことなく紐解いていきましょう。
悲劇から始まった?猫草が誕生するまでの経緯
猫草の物語は、一匹の猫が命を落とすという少し切ない出来事から始まります。
もともとは、川尻家に迷い込んだ「タマ」という名のブリキッシュ・ブルー種のオス猫でした。ごく普通の猫だったタマですが、吉良吉影(川尻浩作に擬態中)の父である吉廣が放った「矢」に射抜かれたことで、運命が狂い始めます。
タマは川尻家の床下で、家主の妻・しのぶが掃除中に落とした家具の下敷きになり、不慮の事故で死んでしまいます。吉良は証拠を隠滅するためにタマを庭の隅に埋めましたが、翌朝、その場所から芽吹いていたのが「猫の顔をした植物」だったのです。
これが「猫草」の誕生です。本人は自分が一度死んだという自覚がなく、相変わらず猫としての本能で動いています。この「死んでもなお植物として再生する」という執念と生命力こそが、第4部終盤の大きな鍵となりました。
空気を操る驚異の能力「ストレイ・キャット」
猫草が持つスタンド能力「ストレイ・キャット」は、目に見えない「空気」を自在に操るという、非常に強力かつ応用力の高いものです。
- 空気弾の発射空気を固めて目に見えない弾丸を作り、標的に向けて発射します。この弾丸は触れると破裂し、衝撃波で対象を破壊します。
- 空気の膜による防御自分の周囲に空気のクッションを作り出すことで、外部からの衝撃を和らげます。吉良の攻撃すら防いでみせたこの防御力は侮れません。
- 真空状態の創出特定の範囲の空気を抜くことで、ライターの火を消したり、相手を窒息させたりすることも可能です。
- 血管内への空気注入作中で最も恐ろしかったのが、相手の血管内に直接空気を送り込む攻撃です。これにより血栓を作り出し、内部からじわじわと相手を追い詰めます。
これらの能力は、猫草が光合成を行うことで得られるエネルギーに基づいています。そのため、日光が当たる場所では無類の強さを誇りますが、夜間や暗い場所では活動が鈍くなり、眠ってしまうという植物らしい弱点も持ち合わせています。
吉良吉影との奇妙な共闘関係
当初、猫草は自分を殺した(と本能で察知している)吉良吉影を激しく敵視していました。実際、吉良の喉元に空気弾を撃ち込み、彼を死の寸前まで追い詰めたこともあります。
しかし、そのポテンシャルの高さに目をつけた吉良は、猫草を植木鉢に移して「飼育」することに決めます。そして最終決戦では、自らのスタンド「キラークイーン」の腹部にある収納スペースに猫草を入れ、驚異のコンビネーションを披露しました。
それが、猫草の空気弾を爆弾に変える「空気爆弾」です。目に見えない弾丸が空中を浮遊し、標的に近づいた瞬間に爆発する。東方仗助の「クレイジー・ダイヤモンド」をもってしても、見えない爆弾を回避するのは至難の業でした。敵同士だった二者が、利害(あるいは支配)によって最強のタッグを組んでしまう展開は、ジョジョファンにとっても非常に熱いシーンです。
猫草の意外な元ネタとプロフィール
ジョジョに登場するスタンド名の多くは、実在するミュージシャンや楽曲が由来となっています。猫草のスタンド名「ストレイ・キャット」も、1980年代に活躍したアメリカのロカビリーバンドストレイ・キャッツが元ネタです。
彼らの代表曲である「気取りやキャット」などの軽快なリズムとは裏腹に、ジョジョの猫草は静かで不気味な存在として描かれているのが面白い対比ですね。
ちなみに、猫草の見た目は「猫の顔をしたユリの花」のようですが、性格は完全に猫そのもの。猫じゃらしを振られればついつい反応してしまいますし、サボテンのようにトゲを持っているわけでもありません。この「凶暴な能力」と「愛くるしい猫の仕草」のギャップが、多くのファンに愛される理由かもしれません。
仗助たちとの死闘を終えて:猫草のその後
吉良吉影との最終決戦が終わり、物語がエピローグに向かう中、多くの読者が「あの猫草はどうなったの?」と気になったはずです。
その答えは、虹村億泰の家にありました。激戦の末、猫草は億泰によって引き取られたのです。
物語のラストシーン付近では、億泰の父親(肉の芽の影響で怪物化した姿)と一緒に日向ぼっこをしている猫草の姿が描かれています。億泰の父もまた、人間に戻ることはできず、家族以外の誰にも理解されない孤独な存在でした。
同じく「普通」ではなくなってしまった異形のもの同士、言葉は通じずとも通じ合うものがあったのでしょう。庭先で穏やかに過ごす彼らの姿は、激しいバトルの連続だった第4部において、最高の癒やしポイントとなっています。
ジョジョの猫草(ストレイ・キャット)が教えてくれること
猫草というキャラクターは、ジョジョのテーマである「人間讃歌」の枠を超えた、「生命のたくましさ」を象徴しているように思えます。
一度命を落としながらも、姿を変えて生き延び、自らの意思(と本能)で運命を切り拓いていく。たとえそれが植物であっても、その魂の輝きは他のスタンド使いに引けを取りません。
もし、あなたがこれから『ジョジョの奇妙な冒険 第4部』を読み返すなら、ぜひジョジョの奇妙な冒険 第4部 カラー版などで、猫草の細かい表情の変化にも注目してみてください。ただの不気味な植物ではなく、必死に生きる一匹の「猫」としての魅力が見えてくるはずです。
「ジョジョ」の世界は、メインキャラクターだけでなく、こうした脇を固める奇妙な生物たちによって、より深く、より魅力的なものになっています。猫草の数奇な運命を知ることで、杜王町の物語がさらに味わい深いものになることでしょう。
**ジョジョの猫草(ストレイ・キャット)の正体は?能力や元ネタ、最期まで徹底解説!**を最後までお読みいただきありがとうございました。次は、虹村億泰と父親の絆についても深掘りしてみたくなりますね。

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