「ジョジョの奇妙な冒険」を最高の画質と装丁で楽しみたい。そんなファンの願いを形にしたのが、愛蔵版コミックスであるジョジョニウム(JoJonium)です。
しかし、これから集めようと思っている方の多くが直面する疑問があります。それは「なぜ3部のラストである17巻で止まっているのか?」という点。ネット上では「打ち切りになったのでは?」という噂も飛び交っていますが、果たしてその真相はどうなのでしょうか。
今回は、ジョジョニウムがなぜ4部以降を刊行していないのか、その理由と全17巻完結の背景について、ファン目線で深く掘り下げていきます。
ジョジョニウムとは何だったのか?その豪華すぎる仕様を振り返る
まず、ジョジョニウムがどのようなコンセプトで誕生したのかをおさらいしておきましょう。このシリーズは2013年、ジョジョ生誕25周年を記念するプロジェクトの一環としてスタートしました。
最大の特徴は、著者である荒木飛呂彦先生による「全巻描き下ろし表紙」です。連載当時の絵柄ではなく、現在の洗練されたタッチで1部から3部のキャラクターが描かれるという、ファンにとってはたまらない企画でした。
さらに、雑誌連載時のカラーページを完全再現し、判型もA5判と大判。巻末にはキャラクターの誕生秘話が語られる「キャラクター解析」が収録されるなど、まさに「完全版」と呼ぶにふさわしい内容だったのです。
しかし、物語は3部の完結とともに、突如として刊行がストップしてしまいます。
4部以降が出ないのは打ち切り?プロジェクトの「境界線」を探る
結論から言うと、ジョジョニウムが3部で終わっているのは、単純な「人気低迷による打ち切り」とは性質が異なると考えられます。
大きな理由の一つとして挙げられるのが、ジョジョという物語における「区切り」の問題です。1部から3部は、ジョースター家と宿敵DIOとの直接的な因縁を描いた「柱の男・石仮面・吸血鬼」にまつわるルーツの物語です。公式側も当初から、この「血の運命」の完結までを一つのプロジェクトとして設定していた可能性が高いのです。
実際、海外版のJoJoniumも同様に3部で構成が完結しており、ブランディングとして「クラシック・ジョジョ」をパッケージングしたものだったという見方が有力です。
もし4部「ダイヤモンドは砕けない」以降も同じ仕様で続けるとなると、巻数は膨大なものになります。3部までで17巻を要したペースを考えると、現在連載中の9部まで辿り着くには100巻を超える大事業になってしまいます。一冊あたりの価格が高い愛蔵版において、この長期連載を維持するのは現実的なビジネス判断として難しかったのかもしれません。
ファンが抱いた違和感?インクの問題と物理的なハードル
ジョジョニウムの継続を阻んだ要因として、読者のレビューで散見された「製品仕様への反応」も無視できません。
このシリーズは、小口(本の断面)に特殊なインクを塗る装飾が施されていました。しかし、これが一部の読者からは「ページがくっついている」「インクが汚れに見える」といった不評を買ってしまう結果に。また、ハードカバーゆえの「重さ」も、気軽に読み返したい読者にとってはハードルとなりました。
さらに、4部以降はすでに「文庫版」や、コンビニなどで買える「集英社ジャンプリミックス」が広く浸透していました。特にフルカラーで読める「デジタルカラー版」の普及は、ジョジョニウムの強みであった「カラーページ再現」という魅力を相対的に薄めてしまった側面もあります。
高級志向の紙媒体として、どこまで読者のニーズに応え続けられるか。その天秤が、3部完結というタイミングで動いたのではないでしょうか。
今からジョジョニウムを集める価値はあるのか?
4部以降が出ないからといって、ジョジョニウムの価値が下がるわけではありません。むしろ、17巻で完結しているからこその美学があります。
- 現在の荒木タッチで描かれた若き日のジョナサンや承太郎が見られる
- 本棚に並べた際の背表紙の統一感が圧倒的に美しい
- キャラクター解析で作者本人の口から設定の裏側が聞ける
これらは、通常の単行本や文庫版では決して味わえない体験です。特に1部・2部のエピソードは、最新の画風で描き直された表紙で見ると、改めてその普遍的なカッコよさに気づかされます。
もしあなたが「ジョジョのルーツを、最も美しい形で手元に置いておきたい」と願うなら、ジョジョニウム全17巻を揃えることは間違いなく正解です。
4部以降を「完全版」に近いクオリティで楽しむ代替案
ジョジョニウム形式で4部以降が読めないのは残念ですが、他の媒体でその渇きを癒すことは可能です。
大画面でカラーを楽しみたいなら、タブレット等のデバイスでジョジョの奇妙な冒険 デジタルカラー版を読むのが最も近道です。ジョジョニウムが再現した「一部のカラー」ではなく、「全編フルカラー」という圧倒的な情報量は、4部以降のポップな色彩感覚と非常に相性が良いです。
また、雑誌サイズでの迫力を求めるなら集英社ジャンプリミックス版も選択肢に入ります。こちらは紙質こそジョジョニウムに及びませんが、大ゴマの迫力は当時の少年ジャンプを彷彿とさせます。
自分の読書スタイルに合わせて、最適な「ジョジョ」を選び取ることが大切です。
ジョジョニウムは打ち切り?4部以降が出ない理由と全17巻完結の真相まとめ
結局のところ、ジョジョニウムは打ち切りというよりも、「ジョースター家とDIOの因縁にピリオドを打つための、贅沢な特別企画」としてその役割を全うしたといえます。
4部以降が出ないことを嘆く声もありますが、全17巻というボリュームは、一つのコレクションとして非常に完成度が高いサイズ感です。これ以上巻数が増えていれば、その品質を維持し続けることは困難だったかもしれません。
もしあなたが「ジョジョの奇妙な冒険」という長い旅の始まりを、最高級の仕様で追体験したいのであれば、迷わずジョジョニウムを手に取ってみてください。そこには、連載開始から30年以上が経過しても色褪せない、黄金の精神が凝縮されています。
描き下ろし表紙の中に息づくキャラクターたちは、今もなお、私たち読者に新しい発見を与えてくれるはずです。

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