「ジョジョの奇妙な冒険」という作品を語る上で、切っても切り離せないのが「洋楽」の存在ですよね。特に、伝説のロックバンド「ザ・ビートルズ」が作品に与えた影響は計り知れません。
荒木飛呂彦先生が描き出す奇妙な世界観の中で、ビートルズの楽曲やアルバムは、単なる名前の引用を超えて、キャラクターの魂やスタンド能力の根幹に深く根を張っています。
今回は、ジョジョファンなら絶対に押さえておきたい「ビートルズ元ネタ」を徹底的に深掘りしていきます。この記事を読み終える頃には、ジョジョの奇妙な冒険を読み返したくなるだけでなく、ビートルズのレコードを引っ張り出したくなるはずですよ。
荒木飛呂彦先生がビートルズを「聖域」とする理由
ジョジョの物語がスタートした1980年代から現在に至るまで、作中には無数の洋楽オマージュが登場します。その中でもビートルズは、まさに「別格」の扱いを受けていると言っても過言ではありません。
荒木先生は1960年生まれ。ちょうどビートルズが世界を席巻し、音楽の歴史を塗り替えていく様を多感な時期に体験されています。先生にとってビートルズは、単なるお気に入りのバンドではなく、クリエイティビティの「基礎」そのものなんです。
ビートルズは初期のアイドル的なポップスから、中期のサイケデリック、そして後期の実験的なロックへと、常に自分たちを破壊し、更新し続けました。この「常に変化し続ける姿勢」こそが、ジョジョが部を追うごとに舞台や主人公を変え、新しい「奇妙さ」を追求し続けるスタイルに繋がっているのかもしれませんね。
第5部の強敵!「ホワイト・アルバム」とギアッチョの狂気
ビートルズ元ネタの中で、最もインパクトが強いものといえば、第5部「黄金の風」に登場するギアッチョのスタンド「ホワイト・アルバム」でしょう。
静寂と混沌の二面性
このスタンド名の由来は、ビートルズが1968年に発表したセルフタイトル・アルバムThe Beatles (White Album)です。真っ白なジャケットにタイトルだけが刻印されたこのアルバムは、ビートルズ史上最も実験的でバラエティに富んだ作品として知られています。
ギアッチョの能力は「あらゆるものを超低温で凍りつかせ、静止させること」。真っ白なアルバムジャケットが象徴する「無」や「静寂」のイメージと、氷の世界が見事にリンクしています。
しかし、ギアッチョ本人は非常にキレやすく、常に何かに怒っているキャラクターですよね。これは、ホワイト・アルバムの中に収録されている「Helter Skelter」のような激しいプロト・パンクサウンドの側面を表しているようにも感じられます。
必殺技「ジェントリー・ウィープス」の美学
ギアッチョがジョルノとミスタを追い詰めた際に見せた大技「ジェントリー・ウィープス(静かに泣く)」。この名前は、ジョージ・ハリスンが作曲した名曲「While My Guitar Gently Weeps」から取られています。
凍らせた空気を防壁にするという鉄壁の能力に、あえて「泣く」という叙情的なフレーズを冠するセンス。荒木先生の音楽に対する深い造詣が、戦闘シーンの美しさを引き立てています。
第3部から第8部まで!随所に散りばめられたビートルズの魂
ギアッチョ以外にも、ジョジョの世界にはビートルズの影が色濃く反映されています。
変化と擬態の「ラバー・ソウル」
第3部に登場する敵、ラバー・ソウル。彼のスタンド「イエロー・テンパランス」は、肉体を自在に変形させて他人に化ける能力を持ちます。
この名前の由来は、アルバムRubber Soul。ビートルズがアイドル脱却を図り、音楽性を大きく転換(変化)させ始めた時期の傑作です。「ゴムの魂」という言葉が持つ柔軟さと、ドロドロとした肉体変化の不気味さが絶妙にマッチしています。
広瀬康一と「エコーズ」の成長物語
第4部の人気キャラ、康一くんのスタンド「エコーズ」。直接的な由来はピンク・フロイドの楽曲ですが、ACT1からACT3へと進化していく様は、ビートルズが短い活動期間の中で劇的な音楽的進化を遂げた軌跡と重なって見えます。
日常の中に潜む異常事態に立ち向かう少年の成長は、ビートルズが「Love Me Do」の素朴なサウンドから、複雑な芸術性を獲得していく過程のような、ドラマチックな高揚感を与えてくれます。
物語の終着点としての「ゲット・バック」
第7部『スティール・ボール・ラン』のラストにおいて、非常に重要な意味を持つのが「Get Back」というキーワードです。
Get Backは、ビートルズが解散直前の混乱の中で「自分たちの原点(ライブ)に戻ろう」と試みたプロジェクトの象徴的な曲です。長い旅の果てに、主人公ジョニィ・ジョースターが「元の場所」へと帰還する物語の結末は、まさにこの楽曲の精神性が反映されていると言えるでしょう。
荒木飛呂彦が描く「ポージング」とアルバムジャケット
ジョジョの代名詞といえば、あの独特な「ジョジョ立ち」ですよね。実はこのポージングやカラーリングにも、ビートルズをはじめとするロックカルチャーの影響が見て取れます。
例えば、ビートルズの『Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band』のジャケットを思い出してみてください。あの過剰なまでの色彩、密集した人物配置、そしてサイケデリックな衣装。
荒木先生のカラー原稿で見られる、現実離れした鮮やかな配色は、当時のロックシーンが持っていた「視覚的な衝撃」を漫画という媒体で再現しようとしているかのようです。キャラクターが身にまとうファッションも、どこか60年代〜70年代のロックスターのような華やかさと毒を持っています。
現代に受け継がれるジョジョとビートルズの架け橋
ジョジョという作品が素晴らしいのは、読者に新しい音楽との出会いを提供してくれる点です。
今の10代や20代の読者が、ジョジョを通じて「ホワイト・アルバムってどんな曲だろう?」と興味を持ち、ビートルズのCDを手に取る。これこそが、荒木先生が作品に込めた「文化の継承」の形なのかもしれません。
サブスクリプションサービスが普及した現代では、作中に登場するスタンド名のプレイリストを簡単に作ることができます。「ジョジョ元ネタ集」というリストを作って、ビートルズの楽曲を聴きながら原作を読み返すと、文字だけでは伝わらない「重低音」や「リズム」が脳内に響いてくるはずです。
特に第8部『ジョジョリオン』でも、ビートルズの影響はさらに抽象的、かつ深遠な形で表現されています。ロカカカの木を巡る物語の中に、メンバーの名前を連想させる要素が隠されているという考察も、ファンの間では絶えません。
まとめ:【ジョジョ×ビートルズ】全元ネタとスタンドを徹底解説!荒木飛呂彦が愛した音楽のルーツ
いかがでしたでしょうか。ジョジョの奇妙な冒険とビートルズの関係は、単なる名前の借用ではなく、表現者としての「哲学の共鳴」であることがお分かりいただけたかと思います。
荒木飛呂彦先生がビートルズから受け取った「革新のバトン」は、スタンド能力という形を変えた芸術として、私たちの心を揺さぶり続けています。ギアッチョの叫びの中に、ジョニィの旅路の中に、そして広瀬康一の成長の中に、常にビートルズのメロディは流れているのです。
これからジョジョを読む際は、ぜひキャラクターの背後に流れる「音楽」にも耳を澄ませてみてください。きっと、今まで以上に作品の深みにどっぷりと浸かれるはずですよ。
ビートルズの音楽が持つ時代を超越したパワーと、ジョジョの物語が持つ普遍的な魅力。この二つが交差する瞬間こそ、私たちが漫画を読む至福の時と言えるのではないでしょうか。
【ジョジョ×ビートルズ】全元ネタとスタンドを徹底解説!荒木飛呂彦が愛した音楽のルーツ、最後までお読みいただきありがとうございました。次は、あなたが自分だけの「音楽のルーツ」を見つける番かもしれません。

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