「ジョジョの奇妙な冒険 第3部」には、個性の塊のような敵キャラが次々と登場します。その中でも、一際異彩を放っているのが、予知能力を持つ少年「ボインゴ」です。
内気で常に何かに隠れているような彼ですが、アニメ放送時には専用のエンディング曲が作られるなど、制作陣やファンから並々ならぬ愛を注がれていました。
この記事では、ボインゴを演じた歴代の声優(キャスト)情報から、その特殊すぎるスタンド能力、そして視聴者の耳にこびりついて離れない伝説の楽曲まで、ボインゴの魅力を余すことなくお届けします。
テレビアニメ版ボインゴ役は「少年ボイス」の至宝・くまいもとこさん
ジョジョファンにとって、ボインゴの声といえば真っ先に思い浮かぶのが、テレビアニメ版で声を担当したくまいもとこさんでしょう。
くまいもとこさんといえば、少年役を演じさせたら右に出る者はいないと言われるほどのベテランです。ボインゴというキャラクターは、エジプト9栄神という刺客でありながら、性格は極めて内向的。常にボソボソと喋り、兄のオインゴの背後に隠れているような少年です。
くまいさんは、この「自信のなさ」と「子供ゆえの純粋な邪悪さ」、そして時折見せる「必死さ」を、絶妙なニュアンスで表現しました。
- 代表作とのギャップも魅力くまいさんといえば、カードキャプターさくらの李小狼役などで見せる、芯の強い少年のイメージが強いかもしれません。しかし、ボインゴではその「強さ」を完全に封印。震えるような声の演技は、原作読者が抱いていた「ボインゴ像」に完璧にマッチしていました。
歴代のボインゴ役を支えた声優陣
ジョジョのメディア展開は長く、テレビアニメ版以外にもボインゴを演じた声優が存在します。
- カセットドラマ版(1992年):高乃麗さん実は30年以上前、まだテレビアニメシリーズが始まる前のカセットドラマ版では、高乃麗さんがボインゴを演じていました。高乃さんもまた、少年役で非常に定評のある方です。
- ゲーム版での演出ジョジョの奇妙な冒険 アイズオブヘブンなどのゲーム作品でもボインゴは登場しますが、物語の進行や「トト神」の予知内容を読み上げるパートなど、特殊な演出が含まれることもあります。
このように、時代ごとに実力派の声優がキャスティングされてきた背景には、ボインゴというキャラが持つ「弱々しいけれど目が離せない」という特異な立ち位置があるからだと言えるでしょう。
100%の的中率!スタンド能力「トト神」の恐ろしさと絶望
ボインゴがこれほどまでに印象深いのは、そのスタンド能力「トト神」の性質にあります。
- 能力の正体は「漫画」トト神は、近未来に起こる出来事を漫画として描き出す実体化型のスタンドです。ボインゴが持っているボロボロの漫画本に、これから起こる「運命」が独特なヘタウマ調の絵で記録されます。
- 絶対不変の予知この能力の最も恐ろしい点は、予知された内容が「100%必ず起こる」ということです。たとえ途中のプロセスがどれほど不条理であっても、最後には描かれた通りの結果になります。
- 運命に翻弄される刺客たちしかし、この「100%当たる」というのが曲者です。兄のオインゴや、後にコンビを組むホル・ホースは、漫画の内容を自分たちに都合よく解釈しようとしますが、運命は残酷な形で彼らを裏切ります。
「オレンジに爆弾を仕込んだ」→「承太郎が爆発する」という予知があっても、結局爆発するのは変身した兄のオインゴだった……という皮肉な結末は、ジョジョ屈指のギャグ回として語り継がれています。
視聴者の腹筋を崩壊させた伝説の特殊エンディング
アニメ版「ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース」において、ボインゴ回は演出面でも異例の扱いを受けました。それが、通常エンディングを差し替えて流された特殊ED曲です。
- 「オインゴ・ボインゴ・ブラザーズ」の歌第27話で流れたこの曲は、オインゴ役の保村真さんと、ボインゴ役のくまいもとこさんがデュエットで歌うキャラクターソングです。トト神の絵がそのまま動くアニメーションと、中毒性の高いメロディは、当時のSNSやネット掲示板で大きな話題となりました。
- 「アク役◇協奏曲」への進化さらに驚くべきは、ボインゴが再登場した第36話・37話です。今度はコンビを組んだホル・ホース役の木内秀信さんとボインゴ(くまいもとこさん)による新曲「アク役◇協奏曲」が披露されました。
敵キャラのためにここまで手の込んだ演出をするアニメは他に類を見ません。くまいもとこさんの「ボインゴとしての歌声」は、弱々しくもリズムに乗った不思議な心地よさがあり、ボインゴというキャラクターの人気を不動のものにしました。
ボインゴという少年の「精神的成長」とその後
ボインゴはただのギャグキャラではありません。物語の終盤、彼は非常に重要な精神的変化を見せます。
ホル・ホースとの共闘に失敗し、散々な目に遭ったボインゴですが、そこで彼は一つの真理に辿り着きます。
「自分の予知能力は、人を傷つけるためではなく、人を幸せにするために使うべきではないか?」
この瞬間、彼はDIOの刺客という呪縛から解き放たれ、一人の少年として自立しようとします。直後に、偶然投げ捨てた箱が原因でまたしても災難に見舞われるというオチはつきますが、ジョジョ第3部の中で、敵が改心して前向きに物語を去っていくケースは非常に珍しいのです。
こうした「可愛げのある成長」が描かれたことも、ボインゴが多くのファンに愛され続ける理由の一つでしょう。
ジョジョのボインゴ役の声優は誰?歴代キャストと独特な魅力を徹底解説!のまとめ
ボインゴは、ジョジョの世界観の中でも特に異彩を放つ「弱虫な予知能力者」です。
テレビアニメ版でくまいもとこさんが吹き込んだ命は、コミカルでありながらどこか切なく、そして最高にシュールな魅力を放っていました。
- 歴代声優の魂がこもった演技
- 100%当たるがゆえに皮肉な「トト神」の能力
- 伝説となった特殊エンディング曲の数々
これらが渾然一体となって、ボインゴというキャラクターは完成されています。もし、まだアニメ版の「オインゴ・ボインゴ回」や「ホル・ホース・ボインゴ回」を観ていない方がいれば、ぜひチェックしてみてください。
ジョジョの奇妙な冒険 第3部のBlu-rayや配信サービスで、くまいもとこさんの名演と、あの耳から離れない楽曲を体験すれば、あなたもきっと「トト神」の予知に導かれるようにボインゴの虜になるはずです。

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