『ジョジョの奇妙な冒険 第3部 スターダストクルセイダース』。エジプトへの過酷な旅路の中で、読者の心に深く刻まれた一人の「名もなき聖母」がいます。それが、アニメ版でその名がついた女性、マレーナです。
「ジョジョの女性キャラで一番好き」「ポルナレフとの別れが切なすぎる」と、登場回数こそ少ないものの絶大な人気を誇る彼女。今回は、マレーナの初登場から衝撃の最後(結末)、そしてファンの間で語り草となっている名作映画との関係性まで、その魅力を徹底的に深掘りしていきます。
聖母のような慈愛を持つ女性、マレーナの初登場と役割
ジョジョ3部の後半、エジプトのルクソール。承太郎一行を襲ったのは、あまりにも卑劣で「ゲス」なスタンド使い、アレッシーでした。彼のスタンド「セト神」は、影に触れた者の年齢を若返らせてしまうという厄介な能力。
この能力によって、誇り高き騎士であるジャン=ピエール・ポルナレフは、精神はそのままに身体だけが幼い子供の姿に変えられてしまいます。服はブカブカ、力も弱まり、絶体絶命のピンチ。そんな彼を偶然見つけ、優しく手を差し伸べたのがマレーナでした。
汚れなき優しさとポルナレフの戸惑い
マレーナは、道端で困り果てていた「幼い男の子(ポルナレフ)」を放っておけず、自分の家へと招き入れます。彼女の行動は、まさに無償の愛そのものでした。
- 泥だらけの体を丁寧に洗ってあげる
- 喉を鳴らして飲むオレンジジュースを差し出す
- お腹を空かせた彼に食事を振る舞う
中身は立派な大人の男であるポルナレフは、彼女のあまりの美しさと、身体を洗われるというシチュエーションに顔を真っ赤にして大慌て。時にはスケベ心を出して彼女の胸元を覗こうとしたり、お尻を触ろうとしたりしますが、マレーナはそれすらも「元気な坊やね」と慈しむような笑顔で受け流します。
このシーンは、殺伐としたスタンドバトルが続く3部において、唯一と言っていいほど穏やかで温かい、休息のような時間として描かれています。
恐怖のアレッシー戦!マレーナを襲った悲劇と驚きの最後
しかし、ジョジョの世界に安息は長く続きません。ポルナレフを仕留めるために執拗に追ってきたアレッシーが、マレーナの自宅にまで侵入してきます。
ここからの展開は、ジョジョ屈指のホラー演出が光ります。アレッシーは斧を手に、幼いポルナレフをなぶり殺しにしようと迫ります。マレーナは必死にポルナレフを隠し、彼を守ろうとしますが、非情にもアレッシーのスタンド能力の餌食になってしまいました。
衝撃の「胎児化」と絶望
アレッシーの影に触れたマレーナは、みるみるうちに若返っていきます。大人の女性から少女へ、幼女へ、そしてついには、言葉も発せない「胎児」のような状態にまで戻されてしまったのです。
ぐにゃりと歪んだ空間の中で、意識を失い、ただ丸まっているだけの姿になったマレーナ。このシーンは当時の読者に強い衝撃を与えました。「こんなに優しい人が、こんな無残な最後を迎えてしまうのか?」と誰もが絶望した瞬間です。
騎士ポルナレフの意地とハッピーエンド
しかし、ここからがポルナレフの見せ場でした。彼は自分を守ろうとして犠牲になったマレーナのため、そして自らの誇りのために、子供の身体でありながら知略を尽くしてアレッシーに立ち向かいます。
最終的には、駆けつけた空条承太郎の「オラオラ」ラッシュによってアレッシーは再起不能(リタイア)。スタンド能力が解除されたことで、胎児化していたマレーナも、無事に元の美しい大人の女性の姿へと戻ることができました。
彼女は「最後」に死んでしまったわけではなく、何事もなかったかのように日常へと戻ることができたのです。これが、読者が最も安堵した結末でした。
映画『マレーナ』とジョジョの意外な共通点を考察
さて、ここで気になるのが彼女の名前の由来です。原作漫画では「エジプトの女性」という扱いでしたが、アニメ化に際して「マレーナ」という名前が与えられました。
この名前の由来として有力視されているのが、2000年に公開されたイタリア映画マレーナ 映画です。
少年が見つめる「憧れの女性」という構図
映画マレーナは、第二次世界大戦下のシチリアを舞台に、町一番の美女マレーナと、彼女に恋心を抱く少年の交流(というより少年の視線)を描いた作品です。
- 圧倒的な美貌ゆえに周囲から孤立する女性
- その女性を、遠くから、あるいは特別な距離感で見つめる少年
- 少年の中に芽生える、性的な好奇心と純粋な敬愛の混ざり合った感情
ジョジョにおけるポルナレフとマレーナの関係性は、まさにこの映画のオマージュと言えるでしょう。身体は子供、心は大人(というよりスケベな青年)であるポルナレフが、自分を慈しんでくれる年上の美女に抱く感情は、映画の主人公である少年が抱いたものと酷似しています。
荒木飛呂彦先生はイタリア文化や洋画に造詣が深く、作品の随所にそのエッセンスを散りばめています。映画マレーナの主演、モニカ・ベルルッチのような退廃的でありながら聖母のような美しさは、ジョジョ版マレーナのデザインにも色濃く反映されているように感じられます。
なぜマレーナ戦は「ポルナレフ史上最高のエピソード」なのか
ジョジョ3部には数多くの名シーンがありますが、このアレッシー戦、ひいてはマレーナとの交流回がファンの間で「神回」と呼ばれるのには理由があります。それは、戦いの後のポルナレフの「引き際」があまりにもカッコよすぎるからです。
語られない感謝、残された一輪の花
アレッシーを倒し、身体が大人に戻ったポルナレフ。彼はマレーナの家を去る際、彼女に正体を明かすことはありませんでした。
マレーナからすれば、「助けたはずの男の子が消え、玄関先に知らないハンサムな外国人が立っている」という奇妙な状況です。ポルナレフは彼女に対して、いつものようなナンパな態度をとることも、事情を説明して感謝を強いることもしませんでした。
彼はただ、自分の正体を隠したまま、ジェントルマンとして一輪の花(アニメではチェリーを添えて)を残し、静かに去っていきます。
この時、ポルナレフの脳裏には間違いなく、自分を優しく洗ってくれたマレーナへの深い愛着があったはずです。しかし、彼女をこれ以上危険なスタンドバトルの世界に関わらせてはいけないという「騎士の配慮」が、彼に背中を向けさせたのです。
この潔さこそが、ポルナレフという男の黄金の精神を象徴しています。
ジョジョを彩るガジェットとマレーナの面影
マレーナが登場するエピソードでは、当時のエジプトの生活感や、ちょっとした小道具が印象的に描かれています。
例えば、ポルナレフが美味しそうに飲んでいたオレンジジュース。エジプトの照りつける太陽の下で、彼女が差し出した冷たい飲み物は、戦いに疲れたポルナレフの心をどれほど癒やしたことでしょうか。
もし現代の私たちが、あの時ポルナレフが見たようなエジプトの風景を記録に残すなら、iphoneのような高性能なカメラを搭載したスマートフォンが欠かせません。砂漠の陰影や、マレーナのような美しい女性の佇まいを鮮明に切り取ることができるでしょう。
また、彼女の家でポルナレフが味わった「束の間の平和」を再現するなら、上質な香りの石鹸を用意して、ゆっくりとバスタイムを楽しむのもいいかもしれません。マレーナがポルナレフの身体を拭いてあげた、あの慈愛の精神を思い出しながら。
まとめ:ジョジョ3部のマレーナとは?登場回や最後、映画『マレーナ』との意外な関係を徹底考察
ジョジョ第3部に登場したマレーナは、単なる「通りすがりの一般人」ではありませんでした。彼女は、アレッシーという最低な悪意に対する「最高の善意」の象徴として描かれています。
- 登場回: アレッシー戦(原作211話〜、アニメ31話・32話)
- 最後: スタンド能力から解放され、無事に大人の姿で生存
- 元ネタ: 映画マレーナにインスパイアされた、少年と美女の構図
- 魅力: ポルナレフの騎士道精神を引き出した、ジョジョ史上屈指のヒロイン
名前も告げずに去っていったポルナレフと、不思議そうに彼を見送ったマレーナ。二人の間に流れた時間は、激しい戦いの中で唯一咲いた「名もなき花」のような美しさがありました。
この記事を通して、改めてジョジョ3部の奥深さや、キャラクター一人ひとりに込められたオマージュの深さを感じていただけたなら幸いです。次にアニメや漫画を読み返す時は、ぜひマレーナの慈愛に満ちた表情と、ポルナレフの粋な別れに注目してみてください。
「ジョジョ3部のマレーナとは?登場回や最後、映画『マレーナ』との意外な関係を徹底考察」について、あなたの感想もぜひコメントなどで聞かせてくださいね!

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