ジョジョの奇妙な冒険 第6部「ストーンオーシャン」には、歴代シリーズの中でも群を抜いて「生理的な不気味さ」を放つキャラクターが登場します。その名もヨーヨーマッ。
緑色の肌に爬虫類のような顔、そしてなぜか執事のように謙虚な振る舞い。一見すると無害どころか、敵である徐倫たちに甲斐甲斐しく尽くす姿はシュールですらあります。しかし、その本性は極めて残酷で、読者に強烈なトラウマを植え付けました。
今回は、この正体不明のスタンド「ヨーヨーマッ」の特殊すぎる能力や、無敵と思われた防御を打ち破ったアナスイの攻略法、そして本体であるDアンGの悲惨な末期までを徹底的に深掘りしていきます。
謙虚な殺人鬼?ヨーヨーマッの異質なキャラクター性
ジョジョの世界において「遠隔自動操縦型」のスタンドは数多く存在しますが、ヨーヨーマッほど奇妙な知性を持った個体は珍しいでしょう。
通常、自動操縦型といえばブラック・サバスのように機械的なルールに従うか、ベイビィ・フェイスのように教育によって動くものが多いですが、ヨーヨーマッは最初から完成された「嫌な性格」を持っています。
敵を「お世辞」で油断させる狡猾さ
ヨーヨーマッの最大の特徴は、ターゲットに対して徹底的にへりくだる態度です。
「お荷物お持ちしましょうか?」「ボートを漕ぐのは私にお任せを」と、まるで有能な召使いのように振る舞います。さらに、即席で美味しい料理を作って振る舞うなど、殺し合う仲であることを忘れさせるほどのホスピタリティを見せるのです。
しかし、これはすべて「隙」を作るための演技。相手が自分を「無害な存在」だと認識した瞬間、その裏で恐ろしい暗殺の準備を進めています。この二面性こそが、多くの読者が「生理的に受け付けない」と感じる最大の理由かもしれません。
破壊不可能な「ゴムのような肉体」
ヨーヨーマッは戦闘において、物理的な攻撃を一切受け付けません。
アナスイのダイバー・ダウンによる打撃や、徐倫の糸による切断を受けても、その体はゴムのようにビヨンと伸びて衝撃を逃がしてしまいます。あるいは、ダメージを受けても即座に再生し、何事もなかったかのように笑って接してきます。
「倒せない相手がずっとそばにいて、しかも親切にしてくる」というシチュエーションは、精神的なプレッシャーとしてこれ以上ない恐怖を与えます。
卑劣極まりない「溶解液」による暗殺術
ヨーヨーマッの真の恐ろしさは、その特殊な攻撃方法にあります。真っ向から殴り合うのではなく、相手が気づかないうちに致命傷を与える「時間差の暗殺」です。
唾液に隠された秘密
ヨーヨーマッの唾液は、極めて強力な酸(溶解液)になっています。
彼はこの唾液を直接吐きかけるのではなく、周囲の環境を利用して巧妙に運びます。例えば、近くを飛んでいる蚊などの虫を捕まえ、その羽や体に自分の唾液を付着させてから放つのです。
ターゲットが「蚊に刺されたかな?」と思った瞬間、すでに手遅れ。付着した溶解液は徐々に皮膚や粘膜を侵食し、気づいた時には喉が溶けて声が出せなくなっていたり、眼球が溶けて視界を奪われていたりします。
「蚊」を使った回避不能の攻撃
この攻撃の恐ろしい点は、蚊を叩き落としたとしても、その瞬間に唾液が飛び散って指先に付着してしまうことです。防ごうとすればするほど、溶解液に触れるリスクが高まるという詰みの状況。
徐倫とアナスイ、そしてF・F(フー・ファイターズ)の3人は、この見えない攻撃によってじわじわと追い詰められていくことになります。
天才アナスイによる衝撃の攻略法:脳の移植
絶体絶命の状況下で、ヨーヨーマッを「無力化」することに成功したのがナルシソ・アナスイです。彼のスタンド、ダイバー・ダウンの真骨頂がこのバトルで発揮されました。
物理破壊がダメなら「中身」を変える
アナスイは、ヨーヨーマッの肉体を破壊することが不可能であると悟ると、その「内部」に潜行します。
彼はヨーヨーマッの思考回路を物理的に組み替え、近くにいた「カエル」の脳と接続するという、ジョジョ史上でも屈指の奇抜な手術を敢行しました。
思考をカエルに書き換える
この結果、知性的で狡猾だったヨーヨーマッの意識は消失。
カエルの脳と直結されたことで、彼の行動原理は「目の前を飛ぶ蚊を食べる」ことだけに限定されてしまいました。さっきまで毒舌を吐き、溶解液で暗殺を企んでいた怪物が、アホ面を晒して舌を伸ばし、蚊を追いかけるだけの無害な存在に成り下がったのです。
この「死なせるのではなく、存在の意味を奪う」という決着は、アナスイの執念深さと冷徹さを象徴する名シーンとなりました。
本体DアンGの正体と悲惨な最期
ヨーヨーマッという怪物的なスタンドを操っていたのは、元警官の囚人、**DアンG(ディアンジー)**です。しかし、スタンドのキャラが濃すぎる反面、本体である彼の出番は意外なほど短く、そして悲惨でした。
被害妄想の塊のような男
DアンGは、プッチ神父から「骨」を守る刺客として差し向けられましたが、本人は極めてネガティブな性格の持ち主です。
「自分はいつか殺される」「運命には逆らえない」という強い被害妄想に取り憑かれており、その絶望感がスタンドの「自動操縦(自分から離れて勝手に戦う)」という形に現れていたのかもしれません。
救急車内での決着
ヨーヨーマッがアナスイによって無力化された頃、本体のDアンGは湿地帯から離れた場所で、F・Fによって追い詰められていました。
彼は重傷を負い、救急車で運ばれる最中でしたが、そこへ執拗に追ってきたF・Fが乱入。最後は逃げ場のない車内でトドメを刺されることになります。
本体であるDアンGが死亡したことで、カエルのようになっていたヨーヨーマッも完全に消滅。こうして、第6部屈指の不気味な追跡劇は幕を閉じました。
ヨーヨーマッ戦をより深く楽しむために
ジョジョ第6部は、単行本やアニメでその独特な世界観を味わうのが一番です。
物語の中盤、緑色の赤ん坊を巡る争奪戦の中で、ヨーヨーマッの存在は異様な緊張感を与えてくれます。
もし、この記事を読んで「もう一度あの不気味なシーンを確認したい」と思った方は、ぜひジョジョの奇妙な冒険 第6部をチェックしてみてください。荒木飛呂彦先生の描く、生理的な嫌悪感と芸術的な造形が融合した唯一無二のデザインを堪能できるはずです。
また、ヨーヨーマッの元ネタとなった世界的なチェリスト、ヨーヨー・マ氏の優雅な楽曲を聴きながら読み返すと、そのギャップにさらに頭がクラクラするかもしれません。
まとめ:ジョジョ6部の珍客ヨーヨーマッを徹底解説!能力の倒し方や本体DアンGの最期とは?
ヨーヨーマッは、単なる「強い敵」ではありません。
親切心の裏に隠された殺意、物理攻撃を無効化する特殊体質、そして蚊を利用した回避不能の暗殺術。これらすべてが合わさって、読者の記憶に深く刻まれる「嫌な敵」としての地位を確立しています。
しかし、そんな無敵のスタンドであっても、「脳を書き換える」というアナスイの斜め上の発想の前には敗北しました。本体であるDアンGの末路も含め、第6部のテーマである「運命」と「意志」のぶつかり合いを象徴するエピソードと言えるでしょう。
ジョジョの世界には、まだまだ理解を絶するスタンド能力が溢れています。ヨーヨーマッの奇妙な魅力に触れた後は、他のスタンド使いとの死闘も振り返ってみてはいかがでしょうか。
次は、アナスイの過去やダイバー・ダウンのさらなる活躍について深掘りしてみるのも面白いかもしれませんね。


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