『ジョジョの奇妙な冒険』を読んでいると、ふと「この名前、どこかで聞いたことがあるな?」と思う瞬間がありませんか?それもそのはず。作者の荒木飛呂彦先生は大のロック好きとして知られ、登場キャラクターや特殊能力「スタンド」のほとんどに、実在する洋楽アーティストや楽曲の名前を冠しているからです。
この記事では、ジョジョの物語を彩る魅力的な名前のルーツとなった洋楽ロックバンドを徹底的に解説します。元ネタを知れば、作品の世界観がさらに深く、音楽的に響いてくるはずです。
始まりはビートルズとハードロックの衝動から
ジョジョの物語のすべての始まりである第1部「ファントムブラッド」。ここには、荒木先生が多大な影響を受けた1960年代から70年代のレジェンドたちが集結しています。
まず、主人公の「ジョナサン・ジョースター」という名前。この愛称「ジョジョ(JOJO)」の由来は、The Beatlesの名曲「Get Back」の歌詞に登場する「Jojo was a man who thought he was a loner」というフレーズから取られています。まさに伝説の始まりにふさわしい選曲ですよね。
そして、ジョナサンの師匠である「ウィル・A・ツェペリ」。彼の名字は、言わずと知れたハードロックの王者「Led Zeppelin(レッド・ツェッペリン)」が由来です。さらに、物語の影の主役ともいえる「ロバート・E・O・スピードワゴン」は、アメリカのロックバンド「REO Speedwagon」から名付けられました。
極めつけは、宿敵「ディオ(DIO)」。これはヘヴィメタル界の聖人、ロニー・ジェイムス・ディオ率いるバンド「Dio」そのものです。第1部は、まさにロックの殿堂入りメンバーが名前を連ねているような贅沢な構成になっています。
第2部を支配する「柱の男たち」と80年代ポップス
第2部「戦闘潮流」に入ると、敵対する「柱の男たち」の名前に注目が集まります。彼らの名前は、当時のヒットチャートを賑わせていたアーティストたちがモデルです。
- サンタナ: ギタリストのカルロス・サンタナ率いるラテン・ロックバンド。
- ワムウ: ジョージ・マイケルが在籍したデュオ「Wham!(ワム)」。
- エシディシ: オーストラリアが生んだモンスターバンド「AC/DC」。
- カーズ: ニューウェイヴの旗手「The Cars」。
太古の昔から蘇った超生物たちに、当時最新のポップスやロックの名前を授けるというギャップが、ジョジョ特有のハイカラなセンスを感じさせます。
スタンド能力と音楽の融合が加速する第3部・第4部
第3部「スターダストクルセイダース」の途中から、スタンド名にタロットカードやエジプト神話ではなく、音楽ネタが使われ始めます。
魂を揺さぶるパンクとサックス
ジョースター一行の仲間となる犬の「イギー」は、パンクロックのゴッドファーザー「Iggy Pop(イギー・ポップ)」が由来です。小柄ながら凶暴で誇り高い性格は、まさにイギー・ポップのステージパフォーマンスを彷彿とさせます。
また、館の番人として登場する「ケニーG」はスムーズ・ジャズの巨匠「Kenny G」から。サックスの音色のように幻覚を操る能力は、名前と絶妙にリンクしています。
クイーンへの愛が爆発する第4部
第4部「ダイヤモンドは砕けない」は、特定のアーティストへのリスペクトが一段と濃くなるシリーズです。
主人公・東方仗助のスタンド「クレイジー・ダイヤモンド」は、Pink Floydの名曲「Shine On You Crazy Diamond」が元ネタ。そして、最大の敵である吉良吉影のスタンド「キラークイーン」は、Queenの代表曲から取られています。
吉良の能力名である「シアーハートアタック」や「バイツァ・ダスト(地獄へ道づれ)」もすべてクイーンの楽曲名です。端正な容姿の裏に狂気を隠し持つ吉良のキャラクターと、クイーンの華麗かつドラマチックな旋律は、これ以上ないほどマッチしています。
運命を奏でる第5部と第6部のメロディ
イタリアを舞台にした第5部「黄金の風」では、もはや名前を聞くだけで名盤のジャケットが浮かぶほどのラインナップになります。
プリンスとローリング・ストーンズ
主人公ジョルノ・ジョバァーナの「ゴールド・エクスペリエンス」は、Princeのアルバム名から。万物に生命を与える能力は、常に新しい音楽を創造し続けたプリンスの姿勢と重なります。
リーダーのブチャラティが操る「スティッキィ・フィンガーズ」は、The Rolling Stonesのアルバム名。このアルバムのオリジナルジャケットには本物のジッパーが付いており、それが「空間にジッパーを取り付ける」という伝説的な能力の着想源になりました。音楽とビジュアル、そして能力が見事に三位一体となった素晴らしい例です。
自由を求めたストーン・オーシャン
第6部の主人公、空条徐倫のスタンド「ストーン・フリー」は、伝説のギタリストJimi Hendrixの楽曲が由来です。「石の海(刑務所)から自由になる」という彼女の決意が、ジミヘンの自由奔放なギターサウンドと共に刻まれています。
荒木飛呂彦先生が音楽から受け取る「パワー」
なぜ、これほどまでに執拗なまでに音楽ネタが登場するのでしょうか。それは、荒木先生にとって音楽が単なるBGMではなく、キャラクターの血肉を作る重要な要素だからです。
先生は執筆中、常に音楽を流しているといいます。例えば、ハードロックの力強いリズムはキャラクターの立ち姿や「ドゴォォォン」という擬音の力強さに。プログレッシブ・ロックの複雑な構成は、一筋縄ではいかないスタンドバトルの知略戦に。
読者がジョジョを読みながらどこか「ノリの良さ」を感じるのは、ページの中にロックのビートが刻み込まれているからかもしれません。
ジョジョの元ネタを聴くためのガイド
「ジョジョは好きだけど、洋楽は難しそう……」と感じている方に、特におすすめの入門曲を紹介します。これらを聴きながら読み返すと、シーンの解像度が跳ね上がりますよ。
- Queen「Killer Queen」吉良吉影のテーマ曲として聴くと、歌詞の「She’s a Killer Queen」というフレーズが非常に恐ろしく、かつ魅力的に響きます。
- The Rolling Stones「Brown Sugar」アルバム『Sticky Fingers』の冒頭を飾る曲。ブチャラティの覚悟を感じるような、力強いロックンロールです。
- Pink Floyd「Echoes」広瀬康一のスタンドの元ネタ。23分を超える大作ですが、音が進化していく過程は、まさに「ACT1」から「ACT3」への進化を予感させます。
最近では、音楽サブスクリプションサービスで「ジョジョ元ネタプレイリスト」を作っているファンも多いようです。スマートフォンやヘッドホンを用意して、自分だけのプレイリストを構築するのも楽しみの一つですね。
まとめ:ジョジョの元ネタ洋楽ロックバンド一覧を知れば作品はもっと楽しい!
『ジョジョの奇妙な冒険』の中に散りばめられた音楽の欠片を拾い集めていくと、それはまるで荒木先生の脳内ライブラリを覗き見しているような感覚に陥ります。
今回紹介したジョジョの元ネタ洋楽ロックバンド一覧!キャラ・スタンド名の由来と名曲を徹底解説という視点は、作品を再読する際の最高のスパイスになるはずです。
名前の由来を知ることは、単なる知識の蓄積ではありません。それは、作者が込めたキャラクターへの愛や、その人物が背負う「魂の響き」を理解することでもあります。次に漫画を開くときは、ぜひスピーカーから流れるロックンロールと共に、あの奇妙な世界へ飛び込んでみてください。
「次はこのスタンドの元ネタを調べてみようかな?」そう思った瞬間、あなたのジョジョ愛はさらに加速し、新しい音楽の扉が開かれることでしょう。

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