「ジョジョの奇妙な冒険」という作品名は、漫画好きならずとも一度は耳にしたことがあるはずです。独特のポージングや「ゴゴゴ」という擬音、そして予測不能なスタンドバトル。その唯一無二の世界観は、世代を超えて熱狂的なファンを生み出し続けています。
しかし、長年追いかけているファンや、これから全巻読破しようと考えている方の中には、ふとした疑問を持つ人も少なくありません。
「ジョジョって、昔は週刊少年ジャンプで読んでいた気がするけど、今は違うの?」
「掲載誌が変わったって聞いたけど、出版社まで変わったの?」
結論からお伝えすると、ジョジョの出版社は一貫して「集英社」です。
ですが、物語の途中で掲載される「雑誌」が大きく変わるという、漫画界でも珍しい歴史を歩んできました。今回は、ジョジョの出版社にまつわる謎や、伝説的な移籍の裏側に迫ります。
ジョジョの出版社はどこ?全シリーズ集英社が手がける理由
まず、基本情報を整理しておきましょう。『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズは、1987年の連載開始から現在連載中の第9部『The JOJOLands』に至るまで、すべての単行本が集英社から発行されています。
「ジャンプの看板作品」というイメージが強い通り、ジョジョは集英社の歴史を支えてきた柱の一つです。第1部から第6部までは、まさに黄金期の『週刊少年ジャンプ』を牽引する存在でした。
現在、書店でジョジョの単行本を探すと、さまざまな形態が並んでいます。
- 王道のジョジョの奇妙な冒険 ジャンプ・コミックス
- 持ち運びに便利なジョジョの奇妙な冒険 集英社文庫
- 豪華な装丁の完全版ジョジョニウム
これらすべてが集英社のレーベルです。出版社が変わっていないのに「どこで連載しているのか」が議論になるのは、第7部『STEEL BALL RUN(スティール・ボール・ラン)』の途中で起きた「歴史的な移籍」が原因です。
週刊少年ジャンプからウルトラジャンプへ!移籍の境界線
ジョジョの歴史を語る上で避けて通れないのが、掲載誌の変更です。
1987年から2004年まで、ジョジョは約17年間にわたり『週刊少年ジャンプ』で連載されていました。第1部『ファントムブラッド』から始まり、空条承太郎が登場する第3部で人気は爆発。その後、舞台を日本に移した第4部、イタリアを舞台にした第5部、そして第6部『ストーンオーシャン』でひとつの物語が完結を迎えました。
大きな転換点は、2004年に連載が始まった第7部『STEEL BALL RUN』です。
当初、この作品は『週刊少年ジャンプ』で連載を開始しましたが、第24話をもって同誌での連載を終了。その後、2005年より集英社の月刊青年漫画誌『ウルトラジャンプ』へと籍を移しました。
この時、多くの読者が「出版社まで変わったのではないか?」と驚きましたが、あくまで同じ集英社内での「引っ越し」だったのです。この移籍以降、ジョジョは「少年漫画」の枠を超え、より深い人間ドラマを描く「青年漫画」へと進化していくことになります。
なぜ移籍した?荒木飛呂彦先生が選んだ「月刊」というリズム
なぜ、絶大な人気を誇るジョジョが、発行部数の多い『週刊少年ジャンプ』を離れたのでしょうか。そこには、作者である荒木飛呂彦先生の「作家としての決断」と「肉体的な事情」がありました。
最大の理由は、執筆のペースとクオリティの維持です。
週刊連載は、毎週約20ページの原稿を仕上げる過酷なスケジュールです。荒木先生はインタビューなどで、年齢を重ねるにつれて週刊連載の物量が肉体的に厳しくなってきたこと、そして「一晩寝ても疲れが取れにくくなった」といった変化を率直に語っています。
特にジョジョのような、緻密な背景描写や複雑な心理戦を描く作品において、週刊のスピード感は限界に近いものがありました。長く、最高のクオリティで作品を描き続けるために、月刊誌である『ウルトラジャンプ』へ移ることは、作家生命を延ばすためのポジティブな選択だったのです。
また、月刊誌に移ることで、1回あたりのページ数が約40〜50ページに増えました。これにより、週刊連載では難しかった「じっくりと溜めをつくる演出」や「複雑な伏線の回収」が可能になり、物語の深みが一層増したのです。
表現の進化!青年誌だからこそ描けたジョジョの真髄
掲載誌が『ウルトラジャンプ』に変わったことで、ジョジョの表現は劇的に変化しました。
少年誌には、やはり「子供たちに悪影響を与えない」ための一定の制約があります。グロテスクな描写や性的なニュアンス、あるいは救いのない残酷な展開などは、ある程度マイルドにする必要がありました。
しかし、青年誌である『ウルトラジャンプ』には、その制限がほとんどありません。
移籍後の第7部後半、そして第8部『ジョジョリオン』では、肉体の損壊描写や精神的なエロティシズム、そして善悪だけでは割り切れない「人間という生き物の業」がよりストレートに描かれるようになりました。
画風についても、より写実的でファッショナブル、かつ芸術的なタッチへと磨きがかかっています。現在のジョジョが、漫画という枠を超えて「アート」として評価されているのは、この月刊誌への移籍による「表現の自由」があったからこそと言えるでしょう。
最新作『The JOJOLands』を追いかける方法
2026年現在、ジョジョの最新作である第9部『The JOJOLands』は、引き続き『ウルトラジャンプ』で絶賛連載中です。
最新話をリアルタイムで追いかけたい方は、毎月発売されるウルトラジャンプをチェックするのが一番確実です。また、電子書籍版も集英社の公式アプリ「ゼブラック」や「少年ジャンプ+」などで配信されています。
もし、「昔のジャンプ時代しか知らない」という方がいれば、ぜひジョジョの奇妙な冒険 第7部 スティール・ボール・ランから読み直してみてください。少年漫画の熱量を持ちつつ、大人の鑑賞に耐えうる深淵なストーリーテリングに、きっと驚かされるはずです。
単行本は、通常版のほかに電子書籍のカラー版も人気です。ジョジョ特有の鮮やかな色彩感覚をフルに楽しみたいなら、ジョジョの奇妙な冒険 カラー版を選ぶのも一つの手ですね。
まとめ:ジョジョの出版社はどこ?ジャンプからウルトラジャンプへ移籍した理由と歴史を解説
改めて整理すると、『ジョジョの奇妙な冒険』の出版社は集英社です。
1987年の誕生から現在まで、集英社という土壌の中でジョジョは育まれてきました。
- 第1部〜第6部:週刊少年ジャンプ(少年漫画としての黄金期)
- 第7部〜現在:ウルトラジャンプ(青年漫画としての深化と進化)
掲載誌が変わったのは、作者である荒木飛呂彦先生が、より高いクオリティで、より自由に、そしてより長く描き続けるための前向きな決断によるものでした。
週刊誌時代の勢いあるバトルも魅力的ですが、月刊誌に移ってからの芸術的なまでの書き込みと、予測不能な心理戦は、まさに大人のためのエンターテインメントです。
もしあなたが「ジョジョの出版社はどこだったっけ?」と疑問に思ってこの記事に辿り着いたのなら、それはジョジョが歩んできた長い歴史の一部に触れた証拠でもあります。
かつてのジャンプ読者も、新しくファンになった方も、集英社が誇るこの不朽の名作を、ぜひ最新の第9部まで楽しんでみてください。奇妙な冒険の旅は、今もなお、私たちの想像を遥かに超える場所へと続いています。

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