「ジョジョの奇妙な冒険 第4部 ダイヤモンドは砕けない」の中で、読者に強烈なトラウマとインパクトを与えたエピソードといえば、何といっても「『狩り(ハンティング)』に行こう!」ではないでしょうか。
主人公・東方仗助と、前作の主人公であり最強のスタンド使いである空条承太郎。この二人がコンビを組んで挑んだ相手は、なんと「ネズミ」でした。
「最強の承太郎が、たかがネズミにそこまで苦戦するの?」と、初見で驚いた方も多いはず。しかし、この「虫食い」と呼ばれるネズミは、ジョジョ史上屈指の「初見殺し」にして「理詰め」の強敵だったのです。
今回は、杜王町を恐怖に陥れたスタンド使いのネズミ「虫食い」の恐るべき能力や、承太郎がなぜあそこまで追い詰められたのか、その驚愕の結末までを徹底的に深掘りしていきます。
杜王町に潜む「スタンド使いのネズミ」の正体
物語の舞台は、平穏な地方都市・杜王町。承太郎は、かつて自分が戦った敵・音石明が放った「弓と矢」によって、人間以外の動物がスタンド能力に目覚めてしまった可能性を危惧していました。
その調査の中で発見されたのが、2匹のドブネズミです。承太郎は、右耳が欠けている個体を「虫食い」、左耳が欠けている個体を「虫食い逆(ぎゃく)」と命名しました。
ただの野生動物と侮ることなかれ。彼らはスタンド能力を手に入れたことで、人間を凌駕する知能と、あまりにも残虐な攻撃手段を手に入れていたのです。
スタンド「ラット」の凶悪すぎる狙撃能力
「虫食い」が操るスタンドジョジョの奇妙な冒険の名は「ラット」。その姿は、機械的な歯車やパイプ、そして巨大な銃口を備えた「移動式の固定砲台」のような形状をしています。
このスタンドの最大の特徴は、圧倒的な射程距離と、着弾した瞬間に発動する「煮こごり」の能力です。
1. 回避不能な「毒針」の狙撃
ラットは、ダーツのような形状をした毒針を高速で射出します。これ自体が物理的な殺傷能力を持っていますが、真の恐怖はその先にあります。
2. 生きたまま溶かされる「煮こごり」の恐怖
針が身体の一部にでもかすめれば、そこから特殊な酸のような毒素が広がり、肉体がドロドロのゼリー状(煮こごり)に変化してしまいます。劇中では、農家の夫婦がこの能力によって肉の塊に変えられ、ネズミの「保存食」として積み上げられているという、ジョジョ屈指のホラー描写が登場しました。
3. 恐るべき学習能力と知能
「虫食い」は、ただ闇雲に撃ってくるわけではありません。
- 自分の足跡を辿って戻り、追跡者を攪乱する「バックトラック」
- 岩の跳ね返りを利用して死角から狙う「跳弾」
- 相手が回避する方向を予測した「置きエイム」
これらを本能、あるいは進化した知能で使いこなすため、並のスタンド使いでは近づくことすら許されません。
なぜ最強の承太郎が「虫食い」に負傷させられたのか?
「時を止める」という無敵の能力を持つスタープラチナを擁しながら、承太郎は「虫食い」との戦いで全身に煮こごりを作られるほどの重傷を負いました。これには、いくつかの明確な理由があります。
教育者としての「あえて」の振る舞い
この狩りの真の目的は、承太郎自身が敵を倒すことではなく、仗助のスタンド能力の精度を上げること、そして戦士としての心構えを教えることにありました。
承太郎は仗助に対し「プレッシャーの中で正確に的を射抜く」訓練をさせるため、自分自身が囮(ターゲット)役を買って出たのです。
射程距離の致命的な差
スタープラチナは最強ですが、有効射程はわずか数メートル。対する「虫食い」は数百メートル先から狙撃してきます。近づくためには遮蔽物のない平地を突き進む必要があり、その道中で毒針の雨を避け続けるのは、無敵の承太郎にとっても至難の業でした。
止まった時間の短さ
第4部時点の承太郎が時を止められる時間は、全盛期の5秒から大幅に短縮され、0.5秒から2秒程度。跳弾を組み合わせて計算し尽くされた狙撃をすべて完璧に回避し切るには、この「2秒」という時間はあまりにも短すぎたのです。
知略のぶつかり合い!承太郎と仗助が選んだ決着の時
戦いは、まさに「狩るか狩られるか」の極限状態。虫食いは岩陰に隠れ、承太郎の動きを完全に支配していました。
承太郎はわざと隙を見せて毒針を自分に引き寄せ、その着弾の瞬間、仗助に「狙撃しろ」と指示を出します。仗助が手に持っていたのは、ライフル銃の弾丸。これをクレイジー・ダイヤモンドの指の力で「弾き飛ばす」ことで、遠距離の敵を射抜く作戦です。
一度目は失敗し、プレッシャーに押しつぶされそうになる仗助。しかし、承太郎がボロボロになりながらも自分を信じて囮を続ける姿を見て、仗助の覚悟が決まります。
「次は外さねえ……!」
二度目の狙撃。虫食いはその知能ゆえに、飛んできた弾丸をスタンドで迎撃しようとしました。しかし、仗助が放ったのは、あえて威力を殺し、着弾までの時間を計算した「二の矢」。虫食いの裏をかいた見事な狙撃が、その眉間を貫きました。
虫食いエピソードがファンに愛される理由
この「虫食い」戦は、ジョジョのバトルが単なるパワーゲームではないことを象徴しています。
- 最強キャラをあえてピンチに追い込む構成の妙
- 動物という予測不能な敵の怖さ
- 「能力の相性」が勝敗を分けるルールの徹底
承太郎という絶対的な安心感が揺らぐことで生まれる緊張感、そして仗助の精神的成長。わずか数話のエピソードでありながら、読者の記憶に深く刻まれているのは、この完成度の高さゆえでしょう。
もし、あなたがこれからジョジョの奇妙な冒険 第4部を読み返すなら、ぜひ虫食いの「目」に注目してみてください。そこには、獲物を追い詰める冷酷なハンターの意志が宿っているはずです。
ジョジョ4部の強敵「虫食い」の能力とは?まとめ
杜王町の用水路に潜んでいた「虫食い」は、スタンドという力を得たことで、食物連鎖の頂点に立つ人間、それも最強のスタンド使いを恐怖させた存在でした。
その正体は、機械仕掛けの狙撃スタンド「ラット」を操るドブネズミ。着弾した部位を「煮こごり」に変える恐ろしい攻撃と、バックトラックや跳弾を使いこなす高度な知性は、まさに「狩人」そのものでした。
承太郎が苦戦したのは、仗助を成長させるための囮役に徹したからこそですが、それでも「虫食い」の戦術が承太郎を限界まで追い詰めた事実に変わりはありません。
「たかがネズミ、されどネズミ」。
ジョジョの世界における戦いの深さを、これほどまでに分からせてくれるキャラクターは他にいないでしょう。
今回の記事を通じて、もう一度あの手に汗握るハンティングの緊張感を思い出していただけたら幸いです。次は、あなた自身が原作やアニメで、その知略戦の結末を確かめてみてくださいね!

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