「ジョジョの奇妙な冒険」という作品を語る上で、絶対に外せないのが各部でバトンを繋いでいく魅力的な主人公たちですよね。1987年の連載開始から現在に至るまで、世代を超えて愛され続けるこの物語は、部ごとに主人公が交代するという斬新なスタイルを貫いています。
「ジョジョって名前は聞くけど、結局誰が主人公なの?」「部ごとのつながりが複雑でよく分からない」という方も多いはず。そこで今回は、第1部から最新第9部まで、歴代のジョジョたちのプロフィールや能力、そして彼らが戦う理由を深く掘り下げていきます。
荒木飛呂彦先生が描き出す「人間讃歌」の物語。その中心に立つ彼らの生き様を知れば、作品がもっと面白くなること間違いなしです。
第1部:ジョナサン・ジョースター|すべての始まり、誇り高き英国紳士
物語の幕開けを飾るのは、19世紀末のイギリスに生きる青年、ジョナサン・ジョースターです。彼はまさに「正義」と「勇気」を体現したような人物。裕福な貴族の家に生まれ、真の紳士を目指して育ちました。
彼の宿敵であり、シリーズ全体の元凶とも言えるのがディオ・ブランドーです。ディオはジョースター家の乗っ取りを企み、さらには石仮面の力で吸血鬼へと変貌してしまいます。非力な人間だったジョナサンは、謎の男ツェペリから「波紋(はもん)」という技術を学び、ディオの野望を阻止するために立ち上がります。
ジョナサンの魅力は、敵であるディオに対しても奇妙な友情を感じ、最期まで高潔さを失わなかった点にあります。スタンド能力が登場する前の物語ですが、肉体一つで魔物と戦う彼の姿は、のちの主人公たちに受け継がれる「黄金の精神」の原点となりました。
第2部:ジョセフ・ジョースター|策士が魅せる波紋疾走の真骨頂
第2部の舞台は1938年。ジョナサンの孫にあたるジョセフ・ジョースターが主人公です。彼は祖父とは正反対の性格で、お調子者で計算高く、戦いにおいても「逃げる」ことを選択肢に入れるようなリアリスト。
しかし、その根底には仲間を想う熱い心が流れています。「柱の男」と呼ばれる超生物との戦いでは、天性の勘とハッタリを駆使して、圧倒的な格上の敵を次々と翻弄していきます。「次にお前は〜と言う!」というお決まりの台詞は、彼の頭脳戦を象徴する名フレーズですね。
ジョセフは第3部では老いた先導役として、第4部ではボケの始まったおじいちゃんとして再登場します。シリーズを通じて最も長く生き、読者に親しまれているキャラクターと言えるでしょう。
第3部:空条承太郎|スタンド時代の幕開けを飾る絶対的アイコン
ジョジョといえばこの人を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。第3部の主人公、空条承太郎です。ジョセフの孫にあたる彼は、寡黙でクール、一見すると不良学生ですが、その内面には激しい情熱を秘めています。
この第3部から、精神エネルギーを具現化した「スタンド」という概念が登場します。承太郎のスタンドスタープラチナは、圧倒的な破壊力とスピード、そして精密動作を誇る最強クラスの能力です。
100年の時を経て復活したDIOを倒すため、仲間と共にエジプトを目指すロードムービー的な展開は、ジャンプ黄金期を支えた伝説的なストーリー。クライマックスで見せる「時を止める」能力への目醒めは、漫画史に残る衝撃的なシーンでした。
第4部:東方仗助|日常を守る優しき不良と壊れない心
第4部の舞台は、日本の地方都市・杜王町。主人公の東方仗助は、実はジョセフ・ジョースターの隠し子という驚きの設定です。承太郎にとっては年下の叔父にあたります。
仗助のスタンドクレイジー・ダイヤモンドは、壊れたものや傷ついた人を「直す」能力。この「破壊」ではなく「再生」の能力を持っている点が、仗助の優しさを象徴しています。
物語は町に潜む殺人鬼、吉良吉影を追うサスペンスフルな展開へと進みます。世界を救う壮大な旅だった第3部とは対照的に、自分たちの住む町を守るという身近な動機が、読者の共感を呼びました。リーゼントを馬鹿にされると我を忘れて怒るという、愛すべき人間味も彼の大きな魅力です。
第5部:ジョルノ・ジョバァーナ|運命を切り拓く黄金の風
第5部はイタリアを舞台にしたギャングの物語です。主人公ジョルノ・ジョバァーナは、なんとDIOの息子。しかし、肉体はジョナサンのものだったため、彼もまたジョースターの血を引いています。
ジョルノは「ギャングスター」になるという夢を持ち、腐敗した組織を浄化するために内部からの成り上がりを目指します。彼のスタンドゴールド・エクスペリエンスは、物質に生命を与える能力。
冷静沈着で知略に長け、時に冷酷な判断も下すジョルノですが、その根底には正義があります。運命に翻弄されるのではなく、自らの手で運命を切り拓く姿は、多くのファンの心を掴みました。
第6部:空条徐倫|父から娘へ受け継がれる誇りと自由
シリーズ初の女性主人公として登場したのが、空条承太郎の娘、空条徐倫です。罠にはめられ刑務所に収監された彼女が、父を救うために過酷な運命に立ち向かいます。
徐倫のスタンドストーン・フリーは、自分の体を糸にする能力。決して最強とは言えない能力を工夫と根性で使いこなし、成長していく姿は圧巻です。
父・承太郎との確執と和解、そして歴代最強の敵・プッチ神父との最終決戦。第1部から続いてきたジョースター家とディオの因縁が、一つの終着点を迎える感動的なラストは見逃せません。
第7部:ジョニィ・ジョースター|再生と祈りのスティール・ボール・ラン
第7部からは世界観が一新され、パラレルワールド的な舞台設定となります。19世紀末のアメリカ大陸横断レースを舞台に、元天才騎手のジョニィ・ジョースターが主人公として描かれます。
ジョニィは過去の過ちから下半身不随となっており、物語開始時点では非常に後ろ向きで、精神的にも未熟な青年として描かれています。しかし、ジャイロ・ツェペリとの出会いを通じて「回転」の技術を学び、スタンド能力タスクを開花させていきます。
これはヒーローの物語というよりも、一人の人間が「ゼロ」から「プラス」へと歩き出す、泥臭くも美しい自己再生の記録です。
第8部:東方定助|自分が誰かを知るための「等身大」の戦い
再び杜王町を舞台にした第8部の主人公は、記憶喪失の青年・東方定助。彼は震災後の地割れから現れた謎の人物で、自分の正体を探るために行動します。
定助のスタンドソフト&ウェットは、泡を使って「何かを奪う」能力。摩擦を奪ったり、音を奪ったりと、トリッキーな戦い方が特徴です。
自分が何者なのか、どこから来たのか。家族の絆や血の繋がりをテーマに、複雑に絡み合う謎を解き明かしていくプロセスは、ミステリー要素が非常に強く、これまでのジョジョとは一味違った面白さがあります。
第9部:ジョディオ・ジョースター|大富豪を目指す現代の少年
現在連載中の第9部『The JOJOLands』。主人公は15歳の少年、ジョディオ・ジョースターです。ハワイを舞台に、彼が「大富豪になる」という野望を抱き、麻薬の運び屋などの裏稼業に手を染めながら成長していく姿が描かれます。
ジョディオのスタンドノーベンバー・レインは、重みのある雨を降らせる能力。現代社会の仕組みや「仕組み(メカニズム)」を理解しようとする彼の冷徹な視線は、これまでの主人公たちとは一線を画す新世代のジョジョを感じさせます。
彼がいかにして大富豪になっていくのか、その過程にはどのような試練が待ち受けているのか。リアルタイムで追いかけられる喜びを噛み締めたい作品です。
ジョジョ 各部 主人公たちの共通点と「人間讃歌」の精神
ここまで歴代の主人公たちを振り返ってきましたが、いかがでしたでしょうか。時代も国籍も、そして性格さえもバラバラな彼らですが、共通しているのは「運命から逃げない」という強い意志です。
荒木先生が掲げるテーマ「人間讃歌」とは、神や機械の力ではなく、人間が自らの意志と勇気で困難を乗り越えていく姿を讃えること。どの部の主人公も、たとえ絶望的な状況に置かれても、最後には自分の精神を信じて一歩を踏み出します。
ジョジョの物語は、単なる能力者同士のバトル漫画ではありません。それは、私たちが生きていく上でも大切な「折れない心」を教えてくれる哲学書のような側面も持っています。
もし、まだ読んでいない部があるなら、ぜひこの機会に手に取ってみてください。それぞれのジョジョが持つ独特の魅力に触れることで、あなたの日常にも少しだけ「黄金の精神」が宿るかもしれません。
ジョジョ 各部 主人公を知ることは、作品の深いメッセージを理解する第一歩です。あなたのお気に入りのジョジョは、一体誰になるでしょうか。

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