「ジョジョの奇妙な冒険 第3部 スターダストクルセイダース」を読み返していて、ふと「こいつ、実は最強なんじゃないか?」と手が止まってしまうスタンドがいます。
そう、砂漠のど真ん中で承太郎一行を絶望的な熱地獄に突き落とした、タロットカード「太陽」の暗示を持つスタンド、その名も**「太陽(サン)」**です。
ジョジョ史上、これほどまでにシンプルかつ圧倒的なスケールを持ちながら、最後は最高にシュールな笑いと共に退場した敵キャラも珍しいですよね。今回は、知れば知るほど奥が深い「太陽」のスタンド能力や、意外と知られていない本体アラビア・ファッツの謎、そしてファンの間で語り継がれる「最強説」の裏側に迫ります。
圧倒的スケール!スタンド「太陽(サン)」の能力を再確認
まずおさらいしておきたいのが、このスタンドの「デカさ」です。普通のスタンドが数メートル程度の射程距離やサイズ感なのに対し、太陽は上空約100メートルに居座り、文字通り「二つ目の太陽」として君臨します。
1. 擬似的な太陽の生成
この能力の恐ろしいところは、ただ明るいだけではない点です。本物の太陽と同じ、あるいはそれ以上の光と熱を放出し、周囲の気温を短時間で70℃から80℃以上にまで上昇させます。砂漠という極限環境において、この温度上昇はまさに致命傷。承太郎たちも、防護服なしでは数分と持たない過酷な状況に追い込まれました。
2. 逃げ場のない広域攻撃
射程距離は文句なしの「A」。広大な砂漠の全方位を熱波で包み込みます。さらに、単に暑いだけでなく、自分を観察しようとする者に対しては、高熱のレーザー状の光弾を正確に放ってきます。双眼鏡で本体を探そうとしたジョセフが危うく撃ち抜かれそうになったシーンは、このスタンドの「精密動作性」が意外と侮れないことを示しています。
3. 持続力という恐怖
スペック表での持続力も「A」。作中では午後8時を過ぎてもなお、真昼のような明るさと熱を保ち続けていました。本体のスタミナが続く限り、永遠に終わらない「昼」を作り出せる。これ、もし町の中で使われていたら、甚大な被害が出ていたはずです。
本体「アラビア・ファッツ」の正体と元ネタの秘密
これほどまでに強力なスタンドを操る使い手は、一体どんな凄腕の刺客なのか?その正体は、ジョジョファンの間でも語り草になっているアラビア・ファッツです。
姿を見せない「引きこもり型」の刺客
彼は作中で、直接承太郎たちの前に姿を現して名乗りを上げることはありませんでした。常に特製の「エアコン完備・鏡張り車両」の中に引きこもり、外の熱波を避けながらじわじわと相手をなぶり殺しにするスタイル。DIOの刺客の中ではかなり慎重派、あるいは臆病な性格だったと言えるかもしれません。
名前の由来はレジェンドたち
「アラビア・ファッツ」という名前には、ジョジョシリーズ恒例の音楽ネタが隠されています。
- ファッツ・ドミノ(Fats Domino): ロックンロールの先駆者として知られるピアニスト。
- ファッツ・ナバロ: ジャズ界の天才トランペッター。
「ファッツ(太っちょ)」の名が示す通り、鏡を割られて引きずり出された彼の姿は、非常に恰幅の良い男性でした。彼の唯一のセリフが、石をぶつけられた時の「ドギャス!」という悲鳴だけというのも、なんともジョジョらしいシュールな演出です。
なぜ承太郎たちは爆笑したのか?シュールすぎる決着の理由
「太陽」戦といえば、手に汗握る死闘というよりは、結末の「笑い」が印象に残っている方が多いのではないでしょうか。あの一行の爆笑には、実は深い心理的な背景があります。
完璧すぎるトリックの「穴」
アラビア・ファッツは、砂漠に巨大な鏡を設置し、自分たちの姿を風景に溶け込ませていました。しかし、あまりにも完璧に風景を模倣しすぎたせいで、「同じ形の岩が左右対称に並んでいる」という不自然な状況を生み出してしまいます。
さらに、太陽(スタンド)の位置と、岩の影の方向が一致していないという、初歩的なミス。承太郎たちは極限の熱地獄の中で「一体本体はどこにいるんだ……!」と神経を研ぎ澄ませていたわけですが、その正体が「すぐそこの岩の陰に隠れているだけ」だと気づいた瞬間、緊張の糸がプツリと切れてしまったのです。
「ハイ」になった一行の狂気
70℃を超える猛暑、正体不明の敵、脱水症状。そんな絶望的な状況下で、敵があまりにも間抜けな失敗をしていた。このギャップが、承太郎、花京院、ポルナレフのツボを直撃しました。ジョジョの物語全体を通しても、これほどまでに主役たちが腹を抱えて笑い転げるシーンは他にありません。あの笑いは、死の淵から生還した安堵と、敵への嘲笑が混ざり合った「最高のカタルシス」だったのです。
DIOと「太陽」の矛盾?吸血鬼がなぜこのスタンドを雇ったか
ここで一つ、多くのファンが抱く疑問があります。「日光が弱点のDIOが、なぜ『太陽』のスタンド使いを部下にしたのか?」という点です。
紫外線が含まれていない説
吸血鬼を灰にするのは、日光に含まれる特定の波長(紫外線)です。スタンドとしての太陽が放っているのが「高熱と可視光線」だけであれば、DIOにとって脅威にはなりません。あるいは、本体のアラビア・ファッツが自在に波長をコントロールできる可能性もあります。
昼間の「番犬」としての役割
DIOは夜しか活動できません。そのため、昼間に承太郎たちが進軍してくるのを止めるには、昼の環境を支配できるスタンド使いが必要不可欠でした。DIOにとっては、自分の代わりに昼の砂漠を支配してくれる「太陽」は、非常に都合の良いツールだったと考えられます。
意外な実力?「太陽」最強説を考察する
ネタキャラ扱いされがちな「太陽」ですが、実は条件さえ整えば第3部のスタンドの中でもトップクラスに強いと言われています。
もし、承太郎たちが「岩の違和感」に気づくのがあと数分遅れていたら?もし、アラビア・ファッツがもっと遠くから遠隔操作していたら?
物理的な攻撃が届かない高度から熱攻めをされれば、近距離パワー型の「スタープラチナ」でも手が出せません。ジョジョのバトルは「相性」と「知略」で決まることを、この戦いは改めて教えてくれます。
ジョジョの世界観をもっと深く楽しみたい方には、原作漫画を揃えてじっくり読み込むのがおすすめです。特に第3部はスタンドバトルの原点にして頂点。ジョジョの奇妙な冒険 第3部で、あの熱い砂漠の戦いを再体験してみてください。
また、カラー版で読むと、太陽の放つ「異常な明るさ」がよりリアルに伝わってきて、承太郎たちの絶望感がより鮮明に理解できるはずです。
まとめ:ジョジョ3部「太陽」の強さは?スタンド能力や元ネタ、謎多き本体の正体を徹底解説!
いかがでしたでしょうか。第3部の中盤に登場し、強烈なインパクト(と笑い)を残していった「太陽」。その能力は、砂漠というフィールドにおいて文字通り最強に近いスペックを誇っていました。
- 広範囲を熱地獄に変える圧倒的な持続力と破壊力
- 鏡を使った巧妙(?)な隠密作戦
- 音楽の巨匠を元ネタに持つアラビア・ファッツ
- 緊張と緩和が生んだ、シリーズ屈指の爆笑シーン
一見するとギャグ回のようですが、その裏には綿密な能力設定と、ジョジョらしい「観察眼の重要性」が詰まっています。次に読み返す時は、ぜひ岩の影の向きに注目しながら、彼らの死闘(?)を楽しんでみてください。
「太陽」以外にも、ジョジョには魅力的な敵スタンドがたくさん登場します。他のスタンド使いについても詳しく知りたい方は、ぜひ関連記事もチェックしてみてくださいね。
それでは、アリーヴェ・デルチ(さよならだ)!

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