『ジョジョの奇妙な冒険』という長く、そしてあまりにも奇妙な物語の系譜に、また新たな伝説が刻まれようとしています。
2023年から連載が開始された第9部『The JOJOLands(ザ・ジョジョランズ)』。皆さんはもう、この最新の「仕組み(メカニズム)」を目撃したでしょうか?
かつて空条承太郎がエジプトを目指し、ジョルノ・ジョバァーナがギャングの頂点を夢見たように、今回の主人公もまた、自らの野望のために動き出します。しかし、今回の物語の肌触りは、これまでのシリーズとは一味も二味も違います。
この記事では、現在進行形で語られているジョジョ最新作の魅力を、あらすじからスタンド能力、そして物語の鍵を握る重要な謎まで徹底的に解説していきます。
舞台は現代のハワイ!主人公ジョディオが目指す「大富豪」への道
物語の舞台は、青い海と鮮やかな自然が広がる現代のハワイ・オアフ島です。これまでの部でもイタリアやアメリカ、杜王町など様々な場所が舞台になってきましたが、ハワイというロケーションはシリーズ初。リゾート地の光と、その裏側に潜む影が交差する独特の空気感が漂っています。
主人公の名前はジョディオ・ジョースター。わずか15歳の少年です。彼は兄のドラゴナ・ジョースターと共に、島で「運び屋」の仕事をして生計を立てています。
ジョディオが抱いている野望は、非常にシンプルで、かつ現代的です。それは「大富豪になること」。
彼は世界を救いたいわけでも、正義を貫きたいわけでもありません。ただ、この世界の「仕組み(メカニズム)」を理解し、その頂点に立つことで、確固たる地位と富を手に入れようとしているのです。この少し冷徹でリアリストな主人公像は、読者に新鮮な衝撃を与えました。
物語は、ジョディオたちが所属するグループのボスから「ある日本人富豪の別荘から、高価なダイヤモンドを盗み出せ」という指令を受けるところから大きく動き出します。
第9部の主要キャラクターと個性的すぎるスタンドたち
ジョジョの醍醐味といえば、やはり「スタンド能力」ですよね。今作でも、一癖も二癖もある能力が登場しています。
ジョディオ・ジョースター:ノーベンバー・レイン(11月の雨)
ジョディオのスタンドは、これまでの「人型」とは一線を画す、蜘蛛のような脚を持つ独特のフォルムをしています。能力は、自分の周囲に「重さのある雨」を降らせること。この雨に打たれた対象は、凄まじい圧力で地面に叩きつけられます。物理的な破壊力だけでなく、対象を「押し潰す」という一点に特化した、非常に強力な能力です。
ジョジョの奇妙な冒険 第9部 ザ・ジョジョランズ 1巻ドラゴナ・ジョースター:スムース・オペレイターズ
ジョディオの兄であるドラゴナは、自身の肉体を美容整形のように作り変えている中性的なキャラクターです。スタンドは複数の小型ロボットのような姿で、物の位置を「スライド」させて移動させることができます。車のナンバープレートを書き換えたり、人間の顔のパーツを動かしたりと、トリッキーなサポート能力に長けています。
パコ・ラブランテス:THE(ザ)ハッスル
筋肉を自在に操る能力を持つスタンドです。筋肉で物を掴んだり、壁を登ったりと、一見地味ながらもパコの驚異的な身体能力と組み合わさることで、予測不能な動きを見せます。
ウサギ・アロハオエ:THE(ザ)マッテ・クダサイ
他人が「こうしたい」「あれが欲しい」と願ったものを、その場にあるものを使って具現化する能力です。ただし、自分自身の願いは叶えられないという制約があります。カメラが必要な時にカメラを作ったり、GPSが必要な時に偽の装置を作ったりと、作戦の要となる能力です。
物語を動かす謎のアイテム「溶岩」の存在
ダイヤモンドを盗み出すミッションの最中、ジョディオたちはある奇妙な「溶岩」を手に入れます。実はこの溶岩こそが、第9部において最も重要なキーアイテムとなります。
この溶岩には「価値のあるものを引き寄せる」という不可思議な性質があります。例えば、溶岩の近くに置いておいたダイヤモンドが、いつの間にか持ち主の手元に戻ってきたり、高価なものが自然と集まってきたりするのです。
ジョディオはこの溶岩の性質に気づき、これこそが自分が大富豪になるための「仕組み」そのものであると確信します。しかし、この溶岩を狙っているのは彼らだけではありません。ハワイの広大な土地を支配する巨大企業や、未知のスタンド使いたちが次々とジョディオたちの前に立ちはだかります。
岸辺露伴の登場と過去作との繋がり
ジョジョファンにとって最大のサプライズだったのが、物語序盤での「岸辺露伴」の登場です。第4部の人気キャラクターである露伴が、なぜハワイの別荘にいたのか。そして彼が何を調べていたのか。
彼はこの「溶岩」の謎を追ってハワイを訪れていました。ジョディオたちと一戦交えることになりますが、その中で露伴はジョディオに、この溶岩がもたらす意味について重要な示唆を与えます。
また、第8部『ジョジョリオン』の舞台であった杜王町の東方家との血縁関係も示唆されており、シリーズを長年追いかけているファンにとっては、過去の点と線が繋がっていく感覚を味わえる構成になっています。
ジョジョの奇妙な冒険 第8部 ジョジョリオン 全27巻セットなぜ今、ジョディオの物語が面白いのか
これまでのジョジョの主人公たちは、どこか「運命」に導かれるように戦いに身を投じてきました。しかしジョディオは、自ら「富」という非常に世俗的な目的のために、運命をハックしようとしています。
現代社会における格差や、見えない「仕組み」によって支配されている感覚。私たちは日々の生活の中で、自分の力ではどうにもならない大きな流れ(メカニズム)を感じることがあります。ジョディオはその流れに逆らうのではなく、その流れを理解し、利用することで勝とうとしているのです。
この「ダークヒーロー」的な立ち回りと、それでも時折見せる仲間への思いやりやジョースター家らしい覚悟の片鱗が、読者を強く惹きつけてやみません。
今後の展開予想:さらなる強敵と世界の「仕組み」
現在、物語はハワイの大地主である「ハウラー社」との対立を深めています。彼らは単なる企業ではなく、スタンド能力を組織的に利用し、社会のインフラそのものを握ろうとする強大な敵です。
ジョディオたちが手に入れた溶岩は、単に金品を集めるだけでなく、より大きな「価値」……例えば土地の利権や、人々の運命さえも引き寄せる可能性を秘めています。
この先、ジョディオは本当に大富豪になれるのか。そして、その過程で彼が失うもの、あるいは手に入れる「真の誇り」とは何なのか。荒木飛呂彦先生が描く、現代版の「黄金の精神」がどのような形で結実するのか、一瞬たりとも目が離せません。
ジョジョ最新作『ザ・ジョジョランズ』徹底解説!第9部のあらすじ・スタンド能力まとめ
ここまで、最新作『ザ・ジョジョランズ』の魅力を駆け足でお伝えしてきました。
ジョディオという新しいタイプの主人公、ハワイという開放的な舞台、そして「溶岩」という謎に満ちたアイテム。これらが見事に融合し、今まさに私たちの目の前で新しい「奇妙な冒険」が繰り広げられています。
まだ読んでいないという方は、ぜひこの機会にジョディオたちの旅に同行してみてください。これまでのシリーズを知らなくても楽しめる独立した面白さがありつつ、知っていれば思わずニヤリとしてしまう仕掛けも満載です。
ジョジョという作品は、常に「人間讃歌」をテーマにしてきました。第9部において、ジョディオ・ジョースターがどのような形で人間としての誇りを証明していくのか。その結末を見届けるのは、今を生きる私たちの特権かもしれません。
最新刊や連載をチェックして、あなたもこの「仕組み」の一部になってみてはいかがでしょうか。
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