ジョジョの色使いの秘密とは?荒木飛呂彦氏の色彩感覚とアニメの特殊演出を徹底解説!

ジョジョ
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「ジョジョの奇妙な冒険」を読んだり観たりして、まず衝撃を受けるのはどこでしょうか?スタンド能力の斬新さ、独特のポージング(ジョジョ立ち)、それとも手に汗握る知略戦……。

もちろんそれらも魅力ですが、視覚的に最も「ジョジョらしさ」を形作っているのは、あの独創的でサイケデリックな**「色使い」**に他なりません。

空が黄色く塗られ、キャラクターの肌が紫に変わり、次の瞬間には服の色が反転している。一見すると「デタラメ」のようにも思えるその色彩設計には、実は作者・荒木飛呂彦先生の深い芸術的背景と、読者の心を揺さぶる緻密な計算が隠されています。

今回は、ジョジョ特有の色彩感覚のルーツから、アニメ版でファンを熱狂させた「色変え」演出の意図まで、その圧倒的な美学の正体を徹底的に紐解いていきます。


1. なぜ「決まった色」がないのか?荒木飛呂彦の色彩哲学

一般的な漫画やアニメの世界では、キャラクターには「イメージカラー」が固定されているものです。例えば、ある主人公の服は常に赤、ライバルは青、といった具合です。しかし、ジョジョの世界にはその常識が通用しません。

荒木飛呂彦先生はインタビューなどで、「色彩は固執すべきものではない」という趣旨の発言をたびたびされています。

補色の魔術と視覚的ダイナミズム

荒木先生が最も重視しているのは、単体の色ではなく「色の組み合わせ」です。ここでキーワードになるのが「補色」という考え方。

色相環で正反対に位置する色(例えば「赤と緑」「黄色と紫」など)を隣り合わせることで、画面に強烈なインパクトとダイナミズムを生み出しています。ジョジョのカラー原画を見ると、背景が真っ黄色なのにキャラクターの影が青紫で塗られていたりしますが、これは補色の関係を利用して、キャラクターを浮かび上がらせ、画面を活性化させるための手法なのです。

計算と偶然が混ざり合うライブ感

荒木先生は、色を塗る際に起こる「偶然性」も大切にされています。最初からすべてを計算し尽くして塗るのではなく、その時の気分や筆の走りで生まれる「にじみ」や「コントラスト」を肯定する。このスタイルが、ジョジョという作品に宿る特有のライブ感や、予測不能なエネルギーの源泉となっています。


2. 芸術の都イタリアとポスト印象派からの影響

ジョジョの色彩は、単なる漫画のテクニックではなく、西洋美術の伝統に深く根ざしています。特に荒木先生が公言しているのが、ルネサンス美術とポスト印象派の画家、ポール・ゴーギャンの影響です。

ゴーギャンの「心の目で見える色」

ポスト印象派の巨匠ゴーギャンは、「木が赤く見えたなら、赤く塗ればいい」という思想を持っていました。現実がどうであるかよりも、自分の感性がどう捉えたかを優先する。

荒木先生もこの教えに共鳴し、現実の空がどれだけ青くても、その場の緊迫感や恐怖、あるいは奇妙な静けさを表現するために、空をピンクやオレンジで塗ることを厭いません。ジョジョの空が黄色いのは、それが「杜王町の空気感」を最もよく表現できる色だからなのです。

ミケランジェロから学んだ肉体の造形美

また、イタリア・ルネサンスの彫刻家ミケランジェロなどの作品からも、多大な影響を受けています。

キャラクターの肉体美を際立たせるため、陰影に独特の彩色(青い影や紫のハイライト)を施す手法は、平面の漫画に圧倒的な立体感と重厚感を与えています。単なる「色」ではなく、光と影の彫刻としてキャラクターを捉えているからこそ、あの唯一無二の存在感が生まれるわけです。


3. アニメ版『ジョジョ』が継承した「色変え」という発明

原作の「決まった色がない」というスタイルは、アニメ化の際に大きな壁となりました。毎週放送されるアニメで、カットごとに色がバラバラでは視聴者が混乱してしまうからです。そこで制作スタジオのdavid productionが編み出したのが、あの伝説的な「色変え」演出でした。

心理描写を色で視覚化する

アニメを観ていると、戦闘シーンやキャラクターの感情が爆発する場面で、突如として画面全体の色調がガラリと変わることがあります。

これは単なるオシャレな演出ではありません。恐怖、驚愕、覚悟、怒り。キャラクターの心の中で起きている嵐を、言葉ではなく「色の反転」によって視聴者の脳にダイレクトに叩き込んでいるのです。

カラー原画の衝撃を映像体験へ

荒木先生が描くカラー原画は、まさに芸術品です。あの「何色が飛び出してくるかわからないワクワク感」をアニメでも再現するために、あえて色彩の一貫性を崩す。この挑戦的な演出こそが、ジョジョのアニメを他の作品とは一線を画す「動く芸術」へと昇華させました。


4. 杜王町はなぜ黄色い?背景色が語る物語

第4部「ダイヤモンドは砕けない」の舞台である杜王町。この町の空は、しばしば鮮やかな黄色で描かれます。これには、物語のテーマが深く関わっています。

日常に潜む不気味さの演出

第4部のテーマは「日常に潜む恐怖」です。一見平和な地方都市なのに、どこかおかしい。どこかに殺人鬼が潜んでいる。

空を黄色く、地面を紫や緑に塗ることで生まれる「不自然な違和感」は、読者の心に静かな不安を植え付けます。この色彩マジックによって、私たちは「平穏な日常がいつ崩れるかわからない」というサスペンス特有の緊張感を、無意識のうちに味わわされているのです。

プリンスと紫の高貴な関係

また、荒木先生が愛するアーティスト、プリンスのイメージカラーである「紫」も多用されます。紫は「高貴さ」と「危うさ」を併せ持つ色。ジョジョが描く「黄金の精神」と「奇妙な恐怖」という二面性を表現するのに、これほどふさわしい色はありません。


5. ファッション業界をも虜にするジョジョの色彩バランス

ジョジョの色使いは、今や漫画界だけでなく、世界のファッション業界からも熱い視線を浴びています。

ハイブランドとの親和性

イタリアの高級ブランド、グッチ(GUCCI)とのコラボレーションや、ファッション誌『SPUR』の表紙を飾るなど、ジョジョのキャラクターたちはモデル顔負けの着こなしを見せてきました。

ヴェルサーチのような派手で装飾的な色使いを、日本の漫画のキャラクターがこれほど完璧に乗りこなせるのは、荒木先生の色彩バランス感覚が、世界のトップクリエイターと同じ次元にあることの証明です。

コーディネートの参考にもなる?

一見バラバラに見える色同士を、トータルで調和させるテクニックは、ファッションに興味がある人にとっても学びが多いはずです。多色使い(マルチカラー)でありながら散らかって見えないのは、明度や彩度のコントロールが神業的に行われているからです。

ジョジョの画集ジョジョ画集を眺めることは、最先端のファッションカタログを見るのと同義だと言えるでしょう。


6. ファンが気になる「カラー版」と「正解の色」の真実

ネット上のコミュニティでよく議論されるのが、「結局、このキャラの本当の色は何なの?」という疑問です。

「正解」がないことが「正解」

結論から言えば、ジョジョに「正解の色」は存在しません。集英社から発売されているデジタル着色版(フルカラー版)も、基本的には編集部の担当者が彩色しており、荒木先生が指定した固定色ではありません。

アニメ版の色、ゲーム版の色、フィギュアの色、そして画集ごとに変わる色。そのすべてが「その瞬間のジョジョ」を表現した真実の色なのです。固定概念に縛られないこと。それこそが、ジョジョという作品が私たちに教えてくれる最大の美学かもしれません。

自分だけの色を見つける楽しみ

もしあなたがファンアートを描いたり、塗り絵を楽しんだりするなら、ぜひ「肌は肌色」というルールを捨ててみてください。影を思い切って緑にしてみる、ハイライトにピンクを乗せてみる。そうすることで、あなただけの「奇妙な冒険」が始まります。


7. まとめ:ジョジョの色使いの秘密とは?荒木飛呂彦氏の色彩感覚とアニメの特殊演出を徹底解説!

さて、ここまでジョジョの色彩の世界を旅してきましたが、いかがでしたでしょうか。

ジョジョの独創的な色使いは、単に目立つための奇抜さではなく、以下のような要素が複雑に絡み合って生まれたものです。

  • 固定概念を破壊する: 色彩に正解を求めない荒木先生の自由な哲学。
  • 美術史への敬意: ルネサンスやゴーギャンから受け継いだ、感情を色に乗せる技法。
  • アニメスタッフの執念: 「色変え」という手法で原作の精神を映像化した演出。
  • 心理的効果の計算: 補色や背景色を操り、読者の感情をコントロールする演出力。

これらの要素が融合することで、私たちはページをめくるたび、画面が変わるたびに、未体験の視覚的興奮を味わうことができるのです。

もし次にジョジョを読んだり観たりする機会があれば、ぜひストーリーだけでなく、その背景に流れる「色」に注目してみてください。きっと、今まで見落としていたキャラクターの悲しみや、戦闘の熱量が、より鮮明にあなたの心に響いてくるはずです。

ジョジョの奇妙な世界を彩る、果てしない色彩の海。そこには、言葉以上に雄弁な物語が眠っています。

次はぜひ、お気に入りの画集JOJO A-GO!GO!を手に取って、一色一色に込められたエネルギーを感じてみてください。あなたの日常の色も、少しだけ違って見えてくるかもしれません。

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