「ジョジョの奇妙な冒険 第5部 黄金の風」を読んだり観たりして、夜も眠れないほどの衝撃を受けたシーンといえば何を思い浮かべますか?
多くのファンが真っ先に挙げるのが、暗殺チームのメンバーであるソルベが辿った凄惨な最期、通称**「輪切りのソルベ」**事件ではないでしょうか。
物語の本編が始まる前の出来事でありながら、そのあまりの残虐さと、後に続く暗殺チームの造反のきっかけとなった重要性は無視できません。今回は、なぜソルベはあのような無残な姿にならなければならなかったのか、そして実行犯は一体誰だったのか、アニメ版での補完描写を含めて徹底的に深掘りしていきます。
暗殺チームを襲った悲劇の始まり
イタリアのギャング組織「パッショーネ」において、リゾット・ネエロ率いる暗殺チームは非常に高い実力を持ちながらも、冷遇されていました。
彼らに与えられる仕事は、リスクが高い割に報酬が少なく、組織の幹部への道も閉ざされているという理不尽な状況。そんな不満が渦巻く中、メンバーのソルベとジェラートは、ある「禁忌」に手を染めることを決意します。
それが、組織のトップである「ボス」の正体を探ることでした。
パッショーネにおいて、ボスの正体を探ることは死を意味します。しかし、ソルベたちは現状を打破するため、あるいはボスを強請るネタを手に入れるために、その絶対的なタブーを破ってしまったのです。
ソルベが「輪切り」にされた理由とボスの思惑
ソルベがなぜあのような「輪切り」という手間のかかる凄惨な方法で殺されたのか。そこにはボスの執念深い恐怖政治が反映されています。
- 見せしめとしての効果単に殺すだけでは、暗殺チームの反骨心をへし折るには不十分だとボスは考えました。肉体を薄くスライスし、それを一枚ずつ額縁に入れて標本のように送りつけるという狂気的な手法は、残されたメンバーに「ボスに逆らえば、人間としての尊厳すら奪われる」という強烈な恐怖を植え付けるためのものでした。
- 処刑の残酷なプロセスソルベは一気に殺されたわけではありません。相方であるジェラートの目の前で、足の先から少しずつ生きたまま切り刻まれました。その苦痛と絶叫は想像を絶するものであり、それを見せつけられたジェラートは、あまりの絶望から猿ぐつわを噛み切って喉に詰まらせ、窒息死するという壮絶な結末を迎えました。
この一件は、組織における「ボスの絶対性」を証明する儀式でもあったのです。
実行犯は誰?チョコラータ関与説の信憑性
原作漫画では、ソルベを直接手にかけた人物は明言されていません。しかし、ファンの間では以前から「犯人はチョコラータではないか」と囁かれてきました。
チョコラータは元医師であり、生物を解体することに異常な快感を覚える猟奇的な性格の持ち主です。彼のスタンドジョジョの奇妙な冒険 黄金の風に登場する「グリーン・ディ」はカビを操る能力ですが、それ以上に彼自身の「解剖学的な知識」と「残虐性」がソルベの処刑方法と完全に一致します。
後にアニメ版第10話において、この推測を裏付けるような描写が追加されました。暗い部屋で、楽しげに作業を進める人物のシルエット。その手口や雰囲気は、まさにチョコラータそのものでした。ボスが直接手を下すのではなく、組織内でもとりわけ異常な男に「処刑」を委託したというのは、非常に説得力のある展開です。
アニメ版で描かれた「補完」という名の恐怖
アニメ版「黄金の風」では、原作では数コマで語られたこの過去エピソードが大幅に補完されています。
原作では、暗殺チームのたまり場に36枚の額縁が届き、ホルマジオが「これはソルベだ……」と気づくシーンが印象的でしたが、アニメでは「処刑そのものの光景」が断片的に描かれました。
- 音による演出直接的な切断シーンそのものを映さずとも、ソルベのくぐもった絶叫や、作業機械の音、そしてチョコラータと思われる人物の不気味な鼻歌が、視聴者の想像力を掻き立て、原作以上のトラウマを植え付けました。
- 額縁の不気味さ完成した「36枚の額縁」が並べられた光景は、色彩豊かなアニメーションだからこそ、その異常性が際立っていました。それはもはや殺害ではなく、悪趣味な「芸術作品」のようであり、パッショーネという組織の底知れない闇を象徴していました。
暗殺チームの造反と「黄金の精神」への対比
ソルベの死は、暗殺チームを恐怖で黙らせるはずでした。しかし、これが逆にリゾットたちの怒りに火をつけることになります。
彼らは仲間を惨殺された恨み、そして自分たちの境遇への怒りを胸に、ボスの娘であるトリッシュを奪うという命懸けの反旗を翻します。暗殺チームは敵役でありながら、彼らなりの「仲間の絆」や「覚悟」を持っていました。
ジョルノたちが持つ「黄金の精神」とは異なる、暗く、泥臭い、しかし強烈な「漆黒の意志」。その原動力となったのが、まさにソルベの輪切り事件だったのです。
もし、ソルベがもう少し慎重に動いていたら、あるいはボスがここまで残虐でなかったら、第5部の物語は全く違うものになっていたかもしれません。
現代の視点で見るジョジョの描写力
ジョジョシリーズには、多くの凄惨な死に様が登場します。しかし、ジョジョの奇妙な冒険の中でも「輪切りのソルベ」がこれほど語り継がれるのは、それが物理的な破壊だけでなく、精神的な「尊厳の破壊」を描いているからに他なりません。
荒木飛呂彦先生の描く恐怖は、常に「人間とは何か」という問いと表裏一体です。生きたまま標本にされるという極限状態において、人はどうなるのか。それを目撃した相方はどう動くのか。そうした極限の人間ドラマが、読者の心に深く刻まれるのです。
また、このエピソードを知った上でチョコラータとセッコのコンビが登場する後半戦を読み返すと、ジョルノが放った「無駄無駄ラッシュ」の爽快感がより一層増すことでしょう。
まとめ:【ジョジョ】ソルベが輪切りにされた理由は?犯人やアニメ版の衝撃描写を徹底解説!
ソルベが輪切りにされた理由は、組織のボスに対する反逆への「見せしめ」であり、その実行犯は異常な解剖愛好家であるチョコラータであった可能性が極めて高いことが分かりました。
この事件は、単なるグロテスクな演出ではなく、暗殺チームという魅力的な悪役たちが命を賭して戦う動機を作る、物語上の重要なターニングポイントです。
アニメ版での演出変更や補完によって、その恐怖はさらに立体的なものとなり、今なお新規ファンに衝撃を与え続けています。
「ジョジョ」という作品が持つ、人間の美しさと醜さの対比。その最も暗い部分を象徴するソルベの悲劇を理解することで、黄金の風という物語が持つ「覚悟」の重みを、より深く感じることができるのではないでしょうか。
皆さんは、あの額縁のシーンを初めて見た時、どう感じましたか?改めて原作を読み返したり、アニメを見返したりして、その緻密な構成に触れてみてください。


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