『ジョジョの奇妙な冒険』の世界において、避けては通れないキーワードが「隕石」です。
物語の根幹をなす特殊能力「スタンド」。その発現の鍵を握る「矢」の原材料が、実は宇宙から飛来した隕石だったことをご存知でしょうか?また、第6部「ストーンオーシャン」では、そのものズバリ隕石を呼び寄せる恐るべきスタンドも登場します。
今回は、ジョジョにおける隕石の重要性と、物語の裏側に隠された壮大な設定を深掘りしていきましょう。
スタンドの起源は5万年前の隕石にあった
ジョジョの物語において、精神エネルギーの具現化である「スタンド」は、ある時期を境に爆発的に増えていきました。そのきっかけを作ったのが、第4部や第5部で重要な役割を果たす「弓と矢」です。
この矢の先についている「鏃(やじり)」こそが、数万年前に地球に落下した隕石から削り出されたものなのです。
グリーンランドに落ちた「未知のウイルス」
約5万年前、現在のグリーンランド、ケープヨーク付近にひとつの隕石が落着しました。19世紀後半、この地を調査した探検隊によって発見されたその岩石には、驚くべき秘密が隠されていたのです。
それは、宇宙からやってきた「未知のウイルス」の付着です。
このウイルスは、地球上のあらゆる生物に対して「進化」を促す特殊な性質を持っていました。ウイルスが体内に侵入した際、それに耐えうる強靭な精神力や生命力を持つ個体は、眠っていた才能を強制的に引き出されます。これが、私たちが知る「スタンド能力」の正体です。
一方で、精神力が弱く、ウイルスの侵食に耐えられない人間は、無残にも命を落としてしまいます。スタンド使いが増える過程には、文字通り「命がけの選別」があったというわけです。
ディアボロが掘り起こした「運命の矢」
この隕石から「矢」を作ったのは、数百年前にいたある男でした。彼は隕石に触れても死ななかった数少ない人間の一人であり、その力を制御するために隕石を加工したと言われています。
その後、1986年にエジプトの遺跡発掘現場で、若き日のディアボロ(第5部のボス)が6本の矢を発見します。彼はそのうち5本をエンヤ婆に売り払い、彼女の手を通じてDIOや虹村形兆、音石明といった面々に矢が渡っていくことになりました。
つまり、ジョジョの歴史が大きく動き出したのは、すべて宇宙から降ってきた隕石が始まりだったのです。
第6部に登場する隕石使い「プラネット・ウェイブス」
「隕石」という言葉をジョジョファンが聞くとき、もうひとつ頭に浮かぶのが第6部「ストーンオーシャン」に登場する敵スタンドです。
グリーンドルフィンストリート刑務所の看守、ヴィヴァーノ・ウエストウッド。彼が操るスタンド「プラネット・ウェイブス」は、まさに隕石そのものを武器にする能力でした。
宇宙の彼方から「引力」で呼び寄せる
プラネット・ウェイブスの能力はシンプルかつ豪快です。宇宙空間を漂っている微小な隕石の欠片を、自身の周囲に「引き寄せる」というもの。
この隕石は凄まじい速度で大気圏に突入し、高熱を帯びながらターゲットへと降り注ぎます。徐倫との戦いでは、狭い懲罰隔離房という閉鎖空間の中で、回避不能の超高速弾として猛威を振るいました。
本来、小さな隕石の欠片であっても、大気圏突入時の速度と熱量は凄まじい破壊力を持ちます。それをピンポイントで自分(本体)のいる場所に呼び寄せるという、まさに「天災」を個人で操るような能力です。
なぜ本体のウエストウッドは無事なのか?
ここで一つの疑問が浮かびます。「自分に向かって隕石を呼んだら、自分に当たって死ぬのではないか?」という点です。
実は、このスタンドには非常に都合の良い、かつ不可思議な特性があります。引き寄せた隕石は、本体であるウエストウッドに衝突する直前に「燃え尽きる」ようになっているのです。
そのため、ウエストウッドは自分自身の体を盾にするようにして、相手にだけ隕石をぶつけることができます。徐倫はこのカラクリを見抜くまで、一方的な攻撃にさらされることになりました。
当初のスタンド名は「アース・ウィンド・アンド・ファイヤー」だった
余談ですが、このスタンドは連載当初「アース・ウィンド・アンド・ファイヤー」という名前でした。しかし、この名前は第4部に登場する自称宇宙人、支倉未起隆の能力名(?)と重複していたため、コミックス収録時に「プラネット・ウェイブス」へと変更された経緯があります。
どちらの名前も宇宙を感じさせるもので、荒木先生のこだわりが見て取れますね。
隕石とウイルスが示す「スタンド」の科学的側面
ジョジョの世界観は、幽霊や超能力といったオカルト的な要素が強い一方で、この「隕石=ウイルス」という設定によって、ある種のSF的なリアリティが与えられています。
なぜ「ウイルス」だったのか
スタンドが「精神の形」であるならば、なぜ物質的なウイルスが必要だったのでしょうか。
これには、生物学的な「進化」のプロセスが関係していると考えられます。自然界でも、ウイルスが生物のDNAに入り込み、進化を促すケースが存在します。荒木先生は、スタンドという超常現象を「宇宙から来た未知の生命体による突然変異」として解釈することで、物語に奥行きを持たせたのかもしれません。
荒木作品における宇宙と重力
ジョジョの物語において、「宇宙」や「重力」は重要なテーマです。
- 第2部のカーズは宇宙へ追放され、考えるのをやめた。
- 第6部のプッチ神父は「C-MOON」で重力を操り、最終的に宇宙の理を一周させた。
- 第7部の「悪魔の手のひら」も、宇宙からの落下物との関連が示唆されている。
隕石がスタンドの起源であるという設定は、こうした「天上の力」が地上の人間たちの「運命」を支配するという、シリーズ通底のメッセージとも合致しています。
ジョジョ関連アイテムを楽しむなら
ジョジョの壮大な世界観をより深く知るためには、原作漫画を読み返すのが一番です。
ジョジョの奇妙な冒険 第6部 ストーンオーシャン 文庫版また、第5部で語られた「矢」の秘密や、ポルナレフが命をかけて守った設定を再確認すると、第6部のプラネット・ウェイブス戦もまた違った視点で楽しめます。
さらに、迫力あるスタンドバトルをアニメで楽しみたい方は、Blu-rayや配信サービスをチェックしてみてください。隕石が降り注ぐシーンの描写は、映像ならではのスピード感と迫力に満ちています。
ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン Blu-rayジョジョの隕石とは?まとめ:すべては宇宙から始まった運命
ここまで解説してきた通り、ジョジョにおける隕石は、単なる舞台装置以上の意味を持っています。
- 起源としての隕石: エイリアン・ウイルスを運び、スタンドを生む「矢」の材料となった。
- 能力としての隕石: 第6部でプラネット・ウェイブスが操り、徐倫を苦しめた。
- テーマとしての隕石: 宇宙、重力、そして避けられない「運命」の象徴。
ジョジョの奇妙な冒険という物語は、5万年前のグリーンランドへの隕石落着から、すでにその運命が決定づけられていたのかもしれません。
次に作品を読むときは、キャラクターたちが振るうスタンド能力の源流に、遥か彼方の宇宙から届いた「隕石」の輝きがあることを思い出してみてください。きっと、物語のスケールがさらに大きく感じられるはずです。
ジョジョの隕石とは?スタンドの起源「矢」の正体と6部プラネット・ウェイブスの謎を解説しました。

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