「ドラゴンボール」の物語が、フリーザとの死闘を終えて次なるステージへと進んだ「人造人間・セル編」。その幕開けを飾る不気味な刺客として登場したのが、今回スポットを当てるドラゴンボール 19 号です。
真っ白な肌に、どこか無機質な表情。そして、かつての強敵たちとは全く異なる「エネルギー吸収」という特殊な能力。リアルタイムでジャンプを読んでいた世代なら、あの絶望的な初登場シーンを覚えている方も多いのではないでしょうか。
今回は、そんな人造人間19号の隠された正体や驚きのモデル、そしてなぜ最強を自負しながらベジータに完敗したのか、その真相に迫っていきます。
そもそも人造人間19号とは?基本プロフィールをチェック
ドクター・ゲロと共に南の都の南西9キロ地点に現れた人造人間19号。彼は、これまでの人造人間たちとは決定的に異なる特徴を持っています。
まず、彼の最大の特徴は「完全なロボット」であるという点です。人造人間18号や17号が、元々は人間をベースに改造された「サイボーグ」であるのに対し、19号はゼロから組み立てられた純粋な人工知能搭載機。これは、ドクター・ゲロが過去に17号たちの反抗に手を焼いたため、より忠実で制御しやすい個体を求めた結果でした。
性格はきわめて冷徹で、感情の起伏が少ないように見えます。しかし、戦闘で優位に立つとニヤリと不気味な笑みを浮かべたり、逆に追い詰められると「ハ、ハナセー!」と叫びながら逃げ出そうとしたりと、プログラムの枠を超えたような「恐怖」の感情を見せる場面もありました。
また、ドラゴンボールの世界でフィギュア化される際も、その独特なシルエットは異彩を放っています。もしデスクに飾りたいならドラゴンボール フィギュアで検索してみると、その再現度の高さに驚くかもしれません。
衝撃の事実!19号のデザインには意外なモデルがいた
19号の見た目は、チャイナ服のような装束に尖った帽子、そしてふっくらとした体型と、どことなく人形のような雰囲気を漂わせていますよね。実はこれ、単なる偶然ではないんです。
原作者である鳥山明先生のインタビューによると、19号のモデルは「ドクター・ゲロがかつて敵の基地から戦利品として持ち帰った人形」だとされています。ゲロはその人形のデザインをひどく気に入り、自分の最高傑作の一つとして19号の外見に採用したのです。
レッドリボン軍という冷酷な組織の科学者が、飾ってあった人形を気に入ってそのままロボットのデザインにする……。そう考えると、19号のあの無機質でどこか可愛らしくも不気味なビジュアルには、制作者であるゲロの歪んだ愛着が投影されているのかもしれません。
エネルギー吸収式の脅威と「掌の秘密」
19号を語る上で外せないのが、手のひらについている赤い球体です。これが彼の生命線であり、最大の武器である「エネルギー吸収装置」です。
この装置には2つの使い方がありました。
- 物理的な接触による吸収:相手の体や首筋を掴むことで、直接そのエネルギーを吸い取ります。
- 気功波の吸収:放たれたエネルギー弾を手のひらで受け止め、そのまま自分のパワーに変換します。
当時の悟空たちは「気」をコントロールして戦うのが当たり前でした。しかし、19号はその「気」を吸い取ることで自分を強化し、相手を弱体化させるという、いわばアンチ・戦士的な能力を持っていたのです。
実際に、心臓病で体力を削られていたとはいえ、あの超サイヤ人孫悟空が19号にエネルギーを吸い取られ、地に伏したシーンは読者に大きな衝撃を与えました。
なぜベジータに惨敗したのか?語られざる3つの敗因
悟空を倒し、絶頂期にいたはずの19号。しかし、直後に現れたベジータによって、彼は無残な最期を遂げることになります。あそこまで圧倒的な差がついたのはなぜだったのでしょうか。
1. ドクター・ゲロのデータ不足
ドクター・ゲロは小型の偵察虫を使って悟空たちのデータを収集していましたが、それはナメック星に行く前までのデータに過ぎませんでした。ゲロは「サイヤ人はこれ以上強くならない」と高を括っていたのです。しかし、ベジータは血の滲むような修行の末、ゲロの計算を遥かに上回る戦闘力を手に入れていました。
2. 「超サイヤ人ベジータ」の誕生
何よりの誤算は、ベジータまでもが超サイヤ人に覚醒していたこと。圧倒的なパワーの差がある場合、19号の吸収能力は追いつきません。ベジータはあえてエネルギーを吸わせる余裕を見せつつ、19号が反応できないスピードで攻撃を叩き込みました。
3. 両腕を破壊されたことによる無力化
ベジータの戦い方は冷酷そのものでした。19号の武器である「掌」を封じるため、力ずくでその両腕を引きちぎったのです。吸収する手段を失い、ただの「逃げ惑う人形」と化した19号に、もはや勝機はありませんでした。
最後に放たれた新必殺技「ビッグ・バン・アタック」の威力は凄まじく、19号は頭部だけを残して跡形もなく消し飛ばされました。この圧倒的な勝利劇は、ベジータというキャラクターの強さと恐ろしさを改めて読者に知らしめる結果となったのです。
制作秘話:19号が「真のラスボス」になれなかった理由
実は、物語の構成上、19号と20号(ドクター・ゲロ)がそのまま人造人間編のメインヴィランとして君臨する予定だったという説があります。
しかし、当時の担当編集者から「デブとジジイじゃないですか」という直球のダメ出しが入ったことで、鳥山先生は急遽、美男美女の17号・18号を登場させることにしたのだとか。
もしあのまま19号が物語を引っ張っていたら、今とは全く違う「ドラゴンボール」になっていたかもしれません。そう考えると、19号は物語の転換点を作った非常に重要な「引き立て役」だったとも言えますね。
まとめ:ドラゴンボール 19 号という不気味な先駆者
物語の序盤で退場してしまったドラゴンボール 19 号ですが、その特殊な能力と強烈なビジュアルは、今なお多くのファンの記憶に刻まれています。
彼が悟空を追い詰めたことで、読者は「超サイヤ人でも勝てない相手がいるのか?」という新しい恐怖を味わいました。そして、ベジータが彼を粉砕したことで、新章のパワーインフレの凄まじさを実感したのです。
単なる「やられ役」の一言では片付けられない、ドクター・ゲロの執念が詰まった人造人間19号。もし改めて彼のアニメ回を見返したいならドラゴンボール DVDなどをチェックして、あの独特な電子音や不気味な笑い声を再確認してみるのも面白いかもしれません。
ドラゴンボールの歴史を語る上で、この「人形から生まれた刺客」の存在は、決して無視できないユニークなスパイスとなっているのです。

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