「漫画を描いてみたいけれど、絵に自信がない……」「大好きなあの漫画のクレジットにある『原作』って、具体的に何をしているの?」
そんな疑問を抱いたことはありませんか? 実は、私たちが普段手に取っている大ヒット漫画の多くは、物語を作るプロと絵を描くプロがタッグを組んだ「分業制」によって生み出されています。
今回は、漫画原作とは何か? その意味と制作の流れを分かりやすく解説していきます。漫画業界の裏側を知ることで、作品の楽しみ方が広がるだけでなく、あなた自身が「漫画原作者」としてデビューする道が見えてくるかもしれません。
漫画原作の本当の意味と役割
まず最初に、漫画原作の定義を整理しましょう。一言で言えば、漫画原作とは「物語の設計図」を作ることです。
漫画は「お話(ストーリー)」と「絵」という2つの大きな要素で成り立っています。多くの場合は漫画家が一人で両方をこなしますが、最近ではそれぞれの専門性を高めるために役割を分けるケースが非常に増えています。
原作者の主な役割は、世界観の構築、キャラクターの設定、そして物語の筋書きを考えることです。映画でいえば脚本家、家づくりでいえば建築士のような存在だと言えばイメージしやすいでしょうか。
「絵が描けないから漫画家にはなれない」と諦める必要はありません。物語を生み出す才能さえあれば、原作者として歴史に名を残す傑作を世に送り出すことが可能なのです。
漫画原作の種類とアウトプットの形
一口に「原作」と言っても、その形は作家さんによってさまざまです。編集部に持ち込んだり、作画担当者に渡したりする際の代表的な3つの形式を見てみましょう。
1. 文章(テキスト・脚本)形式
ドラマや映画の台本のように、「セリフ」と「ト書き(状況説明)」だけで構成するパターンです。小説家出身の原作者や、文字で情報を整理したいタイプの方に多い形式ですね。
この場合、コマ割りや構図の判断は作画担当者に委ねられるため、書き手の意図を超えたダイナミックな演出が生まれる面白さがあります。
2. ネーム形式
実は今、最も求められているのがこの「ネーム」での原作です。ネームとは、簡易的なコマ割りにラフな絵とセリフを描き込んだ、いわば「漫画の下書き」のこと。
「絵が下手でもいいから、どこに誰がいて、どんなテンポでページをめくるのか」が視覚的に分かるため、作画担当者とのイメージのズレが少なく、制作がスムーズに進みます。
3. 小説・原案形式
すでに発表されている小説やライトノベルを漫画化(コミカライズ)する場合です。この場合、原作者はすでに存在する物語を提供し、それを漫画の構成に落とし込む「構成担当」が別途入ることもあります。
漫画原作から完成まで! 制作の具体的な流れ
では、実際に一つの作品がどのように作られていくのか、そのプロセスを追いかけてみましょう。
① 企画と世界観の設定
まずは「どんな漫画にするか」の種をまく作業です。主人公はどんな性格か? どんな特殊能力を持っているのか? 舞台は現代か、それともファンタジーの世界か?
ここで読者がワクワクするような「独自の切り口」を考え抜くのが原作者の最初の腕の見せ所です。
② プロット(あらすじ)の作成
設定が固まったら、物語の始まりから終わりまでの流れを文章にします。
「ここでライバルが登場する」「ここで最大のピンチが訪れる」といった重要なポイントを整理し、ストーリーの矛盾をなくしていきます。この段階で担当編集者と打ち合わせを重ね、物語のクオリティを磨き上げます。
③ シナリオ・ネームの制作
プロットを元に、実際のページ数に合わせて物語を割り振ります。
「1話の中でどこを盛り上がりに持ってくるか」「最後のページでいかに読者を惹きつけるか」といった、漫画特有の演出を考えながら執筆します。
④ 作画担当者へのバトンタッチ
原作者が作成したネームや脚本が作画担当者に渡されます。
ここからは絵のプロの出番です。キャラクターの表情、背景の細部、迫力ある構図などが描き込まれ、物語に「命」が吹き込まれていきます。
⑤ 仕上げと校了
作画が終わると、トーン貼りや背景の合成などの仕上げ作業が行われます。最後にセリフの文字(写植)を入れ、誤字脱字や表現のチェックを経て、ようやく読者の元へ届く原稿が完成します。
漫画原作者になるには? 必要なスキルと始め方
「自分も原作を書いてみたい!」と思った方へ、原作者に求められる資質をお伝えします。
一番大切なのは、意外にも「分析力」です。今、何が流行っているのか? 読者はどんな展開にカタルシスを感じるのか?
たくさんの映画や本に触れ、ヒット作の構造を分析する習慣をつけることが大切です。
具体的なアクションとしては、以下のような方法があります。
- 漫画賞の「原作部門」に応募する。
- 小説投稿サイトに作品をアップし、コミカライズの声がかかるのを待つ。
- SNSで自作のネームを公開し、作画のパートナーを探す。
最近では、ipadなどのタブレットを使って、絵が苦手な人でも簡単にネームが描けるアプリも充実しています。まずは形にしてみることが、デビューへの第一歩です。
漫画原作者の権利とお金の話
プロとして活動するなら、ビジネス面も知っておきたいですよね。
分業の場合、一般的に「印税」や「原稿料」は原作者と作画者で分け合うことになります。比率は作品や契約によって異なりますが、お互いの貢献度を尊重して決められます。
また、作品がアニメ化や映画化された場合、原作者にも二次利用料が入ります。自分の生み出したキャラクターが動いたり、グッズになったりするのは、原作者にとって最高の喜びの一つです。
ただし、権利関係はトラブルになりやすいポイントでもあります。契約書の内容をしっかり確認し、お互いにリスペクトを持って仕事ができる環境を整えることが、長く活躍し続けるコツです。
漫画制作を支えるデジタルツール
現代の漫画制作において、デジタルツールの活用は欠かせません。原作者であっても、ツールを使いこなすことで仕事の幅が広がります。
例えば、プロットの整理にはmacbookなどのノートPCが最適ですし、ネーム制作には直感的に描けるapple_pencilがあると非常に便利です。
また、参考資料を探すためにkindleで膨大な数の漫画や資料を読み込むことも、創作活動の重要な一部となります。
便利な道具を味方につけて、創作の効率を上げていきましょう。
まとめ:漫画原作とは何か? その意味と制作の流れを分かりやすく解説
いかがでしたでしょうか。
漫画原作とは何か? その意味と制作の流れを分かりやすく解説してきましたが、原作者という仕事の魅力が少しでも伝われば幸いです。
漫画原作は、たった一つのアイデアや言葉で、世界中の人々を熱狂させる可能性を秘めた仕事です。絵が描けなくても、あなたの頭の中にある素晴らしい物語を世に送り出す方法はいくらでもあります。
もし、あなたの中に眠っている「伝えたい物語」があるのなら、今日からそれを文字に起こしてみませんか? その一歩が、数年後の大ヒット作に繋がっているかもしれません。
魅力的なキャラクター、胸を打つセリフ、そして誰も見たことがない世界観。あなたの手で、新しい漫画の歴史を作っていきましょう!

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