2000年代のファンタジー漫画界を席巻した名作『エレメンタル ジェレイド』。武器に変身する美少女「聖戦天使(エディルレイド)」と、空賊の少年が絆を深めていく王道ストーリーに、当時の私たちは胸を熱くさせましたよね。
しかし、ネットで作品名を検索すると必ずといっていいほど「打ち切り」という不穏なワードがセットで出てきます。アニメも大ヒットし、ゲーム化もされた人気作がなぜそんな風に言われてしまうのか。
結論からお伝えすると、物語の主軸である「赤」はしっかり完結していますが、続編である「青」については非常に切ない事情で止まっているのが現状です。今回は、長年のファンもこれから読み始める方も気になる「完結の真相」と、作者である東まゆみ先生の現状について、心を込めて解説していきます。
「打ち切り」の噂が絶えない理由は2つのシリーズ構成にある
まず整理しておきたいのが、『エレメンタル ジェレイド』には大きく分けて2つの物語が存在するということです。
一つは、テレビアニメ化もされた本編『EREMENTAR GERAD』(通称:赤)。そしてもう一つが、その2年後の世界を描いた外伝・続編的な立ち位置の『EREMENTAR GERAD -蒼空の戦旗-』(通称:青)です。
実は、「打ち切り」という言葉が一人歩きしてしまった背景には、この2作の終わり方が大きく関係しています。
本編である「赤」は、2002年から2009年まで月刊コミックブレイドで連載され、単行本全18巻で完結しました。ストーリーとしても、主人公のクーとヒロインのレンが目的地である「エディルガーデン」に辿り着き、宿敵との決着をつけて大団円を迎えています。
それなのになぜ打ち切りと言われるのか?それは、最終回付近のテンポが非常に速かったからです。それまでの旅路が丁寧だった分、後半からラストにかけて一気に伏線を回収していく流れが、読者には「急いで終わらせた=打ち切り」のように見えてしまったんですね。
しかし、本当の意味で「打ち切りのような形」になってしまったのは、もう一方の「青(蒼空の戦旗)」の方でした。
続編『蒼空の戦旗』が連載中止に至った切実な理由
続編の『蒼空の戦旗』は、本編とは対照的に、過酷な運命を背負った少女・アシェアの戦いを描くシリアスな物語として人気を集めていました。しかし、この作品は2015年を境に更新が止まってしまいます。
結論を言うと、これは作品の人気が落ちたからではなく、作者である東まゆみ先生の健康状態が原因でした。
2015年当時、連載誌の公式サイト等で「東まゆみ先生の病気療養のため」という理由で無期限の休載が発表されました。漫画家という職業は、指先や腕を酷使するだけでなく、睡眠時間を削って原稿に向き合う過酷な仕事です。東先生は長年の連載による負担で、執筆を継続することが困難なほどの体調不良に陥ってしまったのです。
当初は「再開を待つ」という形でしたが、その後10年近くが経過しても新刊が出ることはなく、事実上の「連載中止」という形になっています。物語がまさにこれから盛り上がる、核心に触れるという場面で止まってしまったため、未完のまま残されたファンの喪失感が「打ち切り」という言葉に繋がってしまったわけです。
作者・東まゆみ先生の現状と作品への愛
ファンとして最も気になるのは、やはり東まゆみ先生の現在ですよね。
先生は現在、漫画家としての長期連載からは一線を退いていますが、完全に活動を辞めてしまったわけではありません。SNS等を通じて近況を報告されることもあり、体調が良いときには美麗なイラストを投稿してくださることもあります。
また、エレメンタル ジェレイド 画集などを手に取ってみると分かりますが、東先生の描くキャラクターや世界観へのこだわりは凄まじいものがあります。病気療養中も、自身の生み出したキャラクターたちを大切に想っていることが伝わってきます。
かつてのようなペースで漫画を描くことは難しいかもしれませんが、今でも多くのファンが先生の健康を第一に願い、いつか何らかの形で「青」の結末が語られることを静かに待っています。
今からでも遅くない!『エレメンタル ジェレイド』を楽しむ方法
「完結していないなら読むのが怖い」と思う方もいるかもしれませんが、それはあまりにもったいない!たとえ「青」が未完であっても、この作品が放つ輝きは一切失われていません。
今から本作を存分に楽しむためのポイントをいくつかご紹介します。
1. まずは「赤」を全巻読破する
本編全18巻は、ファンタジー好きなら絶対に損をしない完成度です。クーとレンの絆、そして聖戦天使たちが背負う悲哀と希望。王道でありながら、現代の読者にも刺さる深いテーマが隠されています。電子書籍でも手軽に読めるので、ぜひ最後まで駆け抜けてみてください。
2. アニメ版との違いを楽しむ
2005年に放送されたテレビアニメ版は、当時まだ原作が完結していなかったため、後半は完全オリジナルの展開になっています。原作とはまた違ったアプローチで描かれる結末は、パラレルワールドとして楽しむのが正解です。石田彰さんや高橋美佳子さんといった豪華キャストの声で動くキャラクターたちは今見ても魅力的ですよ。
3. ドラマCDや関連グッズで世界観を広げる
当時はメディアミックスが盛んに行われていたため、ドラマCDなどの音声コンテンツも充実しています。漫画のコマの間を埋めるようなエピソードが語られていることもあるので、古本屋やオークションサイトで見かけたらチェックしてみてください。
私たちが『エレメンタル ジェレイド』を愛し続ける理由
この作品が今もなお語り継がれるのは、単なる美少女アクション漫画ではなかったからです。
人間を武器として扱うことの残酷さ、それでも結ばれる心の強さ。そして何より、登場人物たちが自分の意志で運命を切り拓こうとする姿に、私たちは自分自身の人生を重ね合わせてきました。
エレメンタルジェレイド コミック 全巻セットたとえ続編が止まっていても、クーたちが歩んだ道のりは消えません。物語の「続き」は、読んだ一人ひとりの心の中に存在し続けているのです。
まとめ:エレメンタル ジェレイドは打ち切り?完結の真相と連載中止の理由
改めて整理すると、本編(赤)はしっかりと完結しており、打ち切りではありません。 一方で、**続編(青)は作者である東まゆみ先生の病気療養により、残念ながら連載中止(未完)**という形になっています。
打ち切りという言葉には「人気がなくて終わった」というネガティブなニュアンスが含まれがちですが、この作品に関しては全く当てはまりません。むしろ、今もなお多くの読者が再開を夢見るほど、愛され続けている特別な作品なのです。
もしあなたが「未完だから」という理由で手に取るのをためらっているなら、どうか安心して一歩踏み出してください。そこには、言葉では言い表せないほど美しい空の旅が待っています。そして読み終えたとき、あなたもきっと東まゆみ先生への感謝と、作品への深い愛を抱くことになるはずです。
「リアクト(謳え)!」――あの合言葉とともに、今一度エディルガーデンの世界へ飛び込んでみませんか?

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