少女漫画の枠を超え、一世を風靡した名作NANA。2009年の休載から長い月日が流れ、2026年現在も物語は止まったままです。しかし、作中に散りばめられた「未来編」の描写を繋ぎ合わせると、作者・矢沢あい先生が描こうとしていた「最終回の結末」の輪郭が浮かび上がってきます。
今回は、多くのファンが涙した衝撃の展開を振り返りつつ、ナナとハチ、そしてそれぞれのキャラクターが歩む「その後」について徹底考察します。
21巻までの衝撃的なあらすじと「未来」への伏線
物語は、同じ名前を持つ二人の少女、大崎ナナと小松奈々(ハチ)が上京の電車で出会うところから始まります。性格も境遇も正反対な二人は、共同生活を通してかけがえのない絆を深めていきました。
しかし、物語の後半、運命は残酷に動き出します。ナナの恋人であり、人気バンド「TRAPNEST(トラネス)」のギタリストである本城蓮(レン)が、交通事故で帰らぬ人となってしまったのです。この事件を境に、物語は急速に色を失い、登場人物たちの心はバラバラになっていきました。
実は、単行本の各所には「数年後」と思われる未来のシーンが挿入されています。そこでは、行方不明になったナナを、ハチやノブたちが探し続けている様子が描かれています。この「未来編」こそが、最終回への最大のヒントとなっているのです。
大崎ナナのその後:ロンドンのパブで歌い続ける孤独な歌姫
最も気になるのは、主人公の一人・ナナの行方ですよね。未来編において、ナナは日本を離れ、イギリス・ロンドンのパブで歌っている姿が描かれています。
なぜナナは姿を消したのか?
ナナが失踪した最大の理由は、やはりレンの死です。ナナにとってレンは、自分をこの世に繋ぎ止める唯一の「鎖」のような存在でした。彼を失ったことで精神的に限界を迎え、過換気症候群が悪化。さらに、ドラムのヤスやハチといった大切な人々への依存を断ち切るために、自ら孤独を選んだと考えられます。
未来でのナナの姿
ロンドンでの彼女は、かつてのパンキッシュな短髪ではなく、肩まで伸びた髪でステージに立っています。その表情はどこか虚ろですが、歌うことだけはやめていません。彼女が日本との連絡を絶っているのは、自分を「死んだ人間」として整理してほしいという、不器用な優しさなのかもしれません。
小松奈々(ハチ)のその後:母として、一人の女性としての自立
もう一人の主人公、ハチの変貌も見逃せません。恋に生き、常に誰かに依存していた彼女は、未来編では「強い母親」へと成長しています。
タクミとの冷え切った関係
ハチはトラネスのリーダー・タクミと結婚し、二人の子供を授かります。しかし、未来の描写では二人は別居状態。タクミはロンドンで息子と暮らし、ハチは東京の白金で娘の皐(さつき)を育てています。
かつてのハチなら、夫の不在に耐えられなかったはずです。しかし、今の彼女は「ナナがいつでも帰ってこられる場所を守る」という強い意志を持って、707号室を借り続け、自立した生活を送っています。
トラネスとブラスト、残されたメンバーたちの現在地
ナナとレンを失った二つのバンド、BLACK STONES(ブラスト)とTRAPNEST(トラネス)のメンバーたちも、それぞれに重い十字架を背負っています。
- ヤス(高木泰士):弁護士としての仕事をこなしつつ、常にハチたちの精神的支柱であり続けています。ナナを探すための情報収集も欠かしません。
- ノブ(寺島伸夫):実家の旅館を継ぐ修行をしながら、ハチへの想いを胸に秘めています。未来編では、ハチと少し距離を置きつつも、ナナを見つけ出すためにロンドンへ向かう決意を固めています。
- シン(岡崎真一):不祥事を乗り越え、俳優として大成。かつて愛したレイラへの感情は複雑ですが、大人の男性へと成長した姿が描かれています。
- タクミとレイラ:タクミはロンドンで、歌えなくなったレイラを世間から隠すように守っています。彼の行動は、愛情というよりは「才能への執着」に近い悲劇的なものに見えます。
結末を握る鍵は「二人のレン」
物語の最終回において、重要な役割を果たすのが「レン」という名前を持つ二人です。一人は亡くなった本城蓮。そしてもう一人は、ハチの息子である「一ノ瀬蓮」です。
未来編に登場する息子の蓮は、亡きレンに瓜二つの容姿を持ち、ギターを弾いています。タクミが彼をロンドンに連れて行ったのは、レイラに再び歌わせるための「装置」として利用している側面もありますが、読者視点で見れば、彼は「ナナの止まった時間を動かす存在」になり得ます。
ナナが、自分を愛してくれた男と同じ名前と顔を持つ少年と出会ったとき、彼女の凍りついた心は溶けるのか。これが物語のクライマックスを大きく左右するでしょう。
最終回の結末を大胆予想!ナナとハチは再会できるのか?
さて、ここからはあくまで考察ですが、矢沢あい先生が描こうとしているエンディングについて考えます。
ハッピーエンドへの道筋
多くのファンが望んでいるのは、やはりナナとハチの再会です。未来編の断片的な描写を繋ぎ合わせると、物語のラストシーンは**「707号室で、かつてのメンバーが揃って花火を見る」**という、第1話からの約束が果たされる場面になるのではないでしょうか。
ナナがロンドンで見つけ出され、ハチの娘・皐がその手を引いて日本へ連れ戻す。ナナは自分が守りたかったものが、形を変えて(子供たちという形で)受け継がれていることを知り、再び自分の人生を歩み始める。そんな「再生」の物語になることを期待せずにはいられません。
矢沢あい先生の現状と、連載再開への期待
矢沢あい先生は、2020年代に入ってからも原画展の開催や、人気ブランドとのコラボレーションなどで精力的な活動を見せています。
インタビューでは「少しずつですが、ペンを握る時間を増やしている」といった前向きなコメントもあり、完結への意欲は失われていないことが伺えます。ファンとしては、先生の体調が最優先ですが、いつか「ナナ」と「ハチ」が笑顔で再会する物語の幕引きを見届けたいものですね。
まとめ:漫画「ナナ」の最終回の結末を考察!登場人物のその後は?
漫画「ナナ」の最終回の結末を考察してきましたが、いかがでしたでしょうか。
物語の「その後」をまとめると以下のようになります。
- ナナはロンドンのパブで、孤独に歌い続けている。
- ハチは東京で母として自立し、ナナの帰りを待ち続けている。
- タクミとレイラは過去に縛られたままロンドンで暮らしている。
- ブラストの絆は今も途切れておらず、全員がナナとの再会を願っている。
レンの死という耐え難い悲劇を乗り越えた先に、ナナとハチがどのような言葉を交わすのか。その答えは、作者である矢沢あい先生の中にしかありません。
今、改めてNANA 1巻から読み返してみると、当時は気づかなかった伏線や、彼女たちの繊細な心の揺れがより深く理解できるはずです。伝説的な名作の完結を信じて、これからも二人を見守り続けましょう。

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