大晦日の夜、家族でこたつを囲みながら格闘技を観る。そんな「日本の年末の風物詩」が、ここ数年でガラリと姿を変えてしまいました。かつては民放各局がこぞって放送していたRIZINですが、現在は地上波からその姿を消しています。
「なぜ突然見られなくなったの?」「裏で何があったの?」という疑問を抱えているファンの方は少なくありません。そこで今回は、RIZINの地上波放送が打ち切りになった本当の理由と、現在の格闘技界を取り巻く事情、そして2026年最新の視聴方法までを、どこよりも分かりやすく深掘りしていきます。
衝撃の放送中止。RIZINが地上波から消えた「コンプライアンス」の壁
RIZINの地上波放送、特にフジテレビとの関係が断絶した最大のきっかけは、2022年6月に開催された伝説の興行「THE MATCH 2022」にあります。那須川天心選手と武尊選手という、日本格闘技史上最大のビッグマッチを目前に控え、フジテレビが突如として「放送見送り」を発表しました。
この背景には、週刊誌によって報じられた主催者側の不適切な交際疑惑が関係していると言われています。テレビ局という公共の電波を扱う組織にとって、コンプライアンス(法令順守)は生命線です。一度でも「反社会的勢力との繋がり」という疑念をかけられれば、スポンサー企業は一斉に手を引き、局としての責任が問われることになります。
フジテレビには、かつて「PRIDE」という格闘技イベントを同様のスキャンダルで打ち切った過去があります。過去の教訓から、リスクに対して極めて慎重にならざるを得なかったというのが、打ち切りに至った直接的な理由の一つです。どんなに視聴率が見込めるキラーコンテンツであっても、現代の放送倫理においては、クリーンであることの方が優先されるのです。
テレビ局の事情とPPVモデルへの移行という戦略的選択
地上波打ち切りの理由は、スキャンダルだけではありません。実は、格闘技ビジネスそのものが「テレビ放送」という枠組みから卒業しようとしていた側面もあります。
従来の地上波放送は、スポンサーからの広告収入で制作費を賄うモデルでした。しかし、これには大きな制限がありました。放送時間の枠が決まっているため、試合が長引けば途中で中継が終わってしまいますし、残酷に見える流血シーンや過激な煽りVTRには厳しい自主規制が入ります。
一方で、fire tv stickなどのデバイスを使って視聴するPPV(ペイ・パー・ビュー)という「見たい人が直接お金を払って観る」仕組みは、RIZINにとって大きなメリットをもたらしました。
- 視聴料がそのままダイレクトに運営や選手のファイトマネーに還元される
- 広告主の顔色を伺わずに、格闘技本来の過激な演出が可能になる
- 放送時間の制限がなく、全試合を最初から最後まで生中継できる
「THE MATCH 2022」では、地上波放送がないにもかかわらず、ABEMAでのPPV売上が50億円を超えるという驚異的な記録を打ち立てました。これにより、「テレビがなくても、格闘技はビジネスとして成立する」ことが証明されたのです。
フジテレビ社員の参戦と2026年現在の不自然な距離感
2026年現在、RIZINとテレビ局の関係は非常にユニークなものになっています。特筆すべきは、フジテレビの現役社員が会社に無断でRIZINのリングに上がったという、前代未聞の騒動です。
この事件は、局内でも大きな議論を呼びました。会社側は厳重な処分を下しましたが、ワイドショーなどの情報番組ではこの話題が取り上げられ、ある種の宣伝効果を生むという皮肉な結果になったのです。
また、格闘技実況の第一人者であるアナウンサーがフリーに転身し、そのままRIZINのメイン実況を担当し続けるなど、現場レベルでは今もなお強い繋がりが残っています。経営層はリスクを避けるために放送を控えていますが、制作現場や視聴者のニーズは依然として高いまま。この「不自然な距離感」が、今のRIZINの立ち位置を象徴しています。
今どこで観るのが正解?2026年の最新視聴ガイド
地上波での放送がなくなった今、RIZINを観るためのプラットフォーム選びは非常に重要です。2026年現在、主な選択肢は3つに絞られます。
まず、最も利用者が多いのがABEMAです。操作性が良く、iphoneやタブレットで移動中も手軽に観られるのが魅力です。新規登録時のキャッシュバックキャンペーンを頻繁に行っているため、実質的な視聴コストを抑えたい方には第一の選択肢になります。
次に、映画やドラマも一緒に楽しみたいならU-NEXTがおすすめです。毎月付与されるポイントをPPVチケットの購入に充てることができるため、普段からVODサービスを利用している人にとっては最も効率的な選択となります。
最後に、テレビの大画面で遅延なく、最高画質で楽しみたいならスカパー!です。インターネット回線の速度に左右されないため、重要な局面で画面が固まるストレスがありません。特に大晦日などのアクセスが集中する大会では、この安定性が最大の武器になります。
ネット配信が加速させた格闘技の「深掘り」文化
地上波放送がなくなったことで、格闘技の楽しみ方はより深く、多層的になりました。テレビ放送は「にわかファン」を増やすには最適でしたが、ネット配信は「コアなファン」を満足させるコンテンツ作りに特化しています。
YouTubeでは選手本人が発信するチャンネルが乱立し、試合前の舌戦から練習風景までがリアルタイムで共有されます。もはや、試合当日の数分間の戦いだけを観るのではなく、そこに至るまでの数ヶ月間の「物語」をセットで楽しむのが現代のスタイルです。
ipadなどの大画面タブレットで、SNSの反応をリアルタイムで追いながら観戦するスタイルは、受動的だった地上波時代にはなかった新しい熱狂を生み出しています。
2026年のRIZIN地上波放送はなぜ打ち切り?理由や再開の可能性、最新の視聴方法を解説のまとめ
さて、ここまでRIZINの地上波放送に関する裏側を整理してきましたが、いかがでしたでしょうか。
打ち切りの最大の理由は、テレビ局が求める「潔癖なコンプライアンス」と、格闘技という「剥き出しのエンターテインメント」の間に埋められない溝ができたことにあります。しかし、それは決して格闘技の衰退を意味するものではありません。むしろ、PPVという新しい武器を手に入れたことで、RIZINは地上波の制約から解き放たれ、より自由でダイナミックな進化を遂げました。
2026年現在、地上波放送の完全な復活はまだ先の話になりそうです。しかし、それ以上に魅力的な視聴環境がネット上に整っています。あの熱狂をもう一度味わいたいなら、自分に合った配信プラットフォームを選んで、最前線の興奮に飛び込んでみてください。テレビでは流せなかった「本物の格闘技」が、そこには待っています。

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