世界中で愛されたファンタジー・ドラマの金字塔、『ワンス・アポン・ア・タイム(Once Upon a Time)』。おとぎ話の住人たちが現代の町で記憶を失って暮らしているという独創的な設定は、私たちの想像力を激しく揺さぶりましたよね。
しかし、2018年に放送されたシーズン7をもって、惜しまれつつも幕を閉じました。ファンとしては「なぜもっと続いてくれなかったのか?」と、打ち切りの真相が気になるところです。
実は、この物語が終了に至った背景には、キャストの動向や視聴率、さらにはテレビ業界のシビアな裏事情が複雑に絡み合っています。今回は、数々の魔法と愛を届けてくれたこのシリーズが、なぜシーズン7でその歩みを止めたのか、その理由を深く掘り下げていきます。
主人公エマと中心キャストの大量降板がもたらした衝撃
『ワンス・アポン・ア・タイム』の終了を語る上で、絶対に避けられないのが主要キャストの降板劇です。
シーズン6の終盤、物語の「救世主」であり絶対的な主人公であったエマ・スワン役のジェニファー・モリソンが、自身のキャリアのステップアップとプライベートの充実を理由に、番組を去ることを決断しました。彼女は「6年間、自分の人生のすべてをこの作品に捧げてきたけれど、今は家族や友人と過ごす時間、そして新しい創造的な挑戦が必要だ」と語っています。
これに続くように、白雪姫役のジニファー・グッドウィン、チャーミング王子役のジョシュ・ダラス、そして幼い頃のヘンリーを演じたジャレッド・ギルモアなど、番組の「核」となっていたメンバーが次々と降板を発表。制作陣はシーズン7での続投を望んでいましたが、主要な契約が切れるタイミングも重なり、主要キャストのほとんどを失うという異常事態に陥りました。
主人公不在の物語をどう継続させるか。制作側は難しい舵取りを迫られることになったのです。
視聴率の低下と「金曜夜」という死のタイムスロット
テレビドラマである以上、ビジネスとしての「数字」は残酷なまでに番組の寿命を左右します。
全盛期のシーズン1から2にかけては、全米で1,000万人を超える視聴者数を記録し、ABCネットワークの看板番組として君臨していました。しかし、物語が複雑化し、長期化するにつれて、徐々に視聴者離れが進んでいきました。
特にシーズン6からシーズン7にかけての視聴率の下落は深刻でした。さらに追い打ちをかけたのが、放送時間の変更です。ABCはシーズン7において、番組を「日曜の夜」から「金曜の夜」へと移動させました。
アメリカのテレビ業界において、金曜の夜は「死のタイムスロット(Death Slot)」と呼ばれています。週末の夜に外出するターゲット層がテレビの前にいないため、視聴率が壊滅的に下がりやすく、打ち切り目前の番組が最後に置かれる場所としてのイメージが定着しているからです。
この枠移動が決まった時点で、業界内では「ネットワーク側はもう、番組を終わらせる準備に入ったのではないか」という憶測が飛び交っていました。
シーズン7で行われた「ソフトリブート」の誤算
主要キャストが去った後、制作陣はシーズン7で「ソフトリブート(再始動)」という大きな賭けに出ました。
物語の舞台をストーリーブルックからシアトルの「ハイペリオン・ハイツ」へと移し、大人になったヘンリーを主人公に据えて、新しいキャラクターたちとの物語を紡ごうとしたのです。
しかし、この新しい試みが既存のファンを十分に納得させることはできませんでした。
- 設定がシーズン1の「焼き直し」のように感じられたこと
- 長年愛着を持っていたエマやスノーたちの不在を埋めきれなかったこと
- 新しいキャラクターたちの魅力が浸透する前に視聴者が離れてしまったこと
こうした要因が重なり、シーズン7は意欲的な試みであったにもかかわらず、視聴者の心を完全に取り戻すには至りませんでした。
製作コストとディズニーブランドとしての維持
『ワンス・アポン・ア・タイム』は、豪華な衣装や特殊効果(VFX)、そしてファンタジーの世界を構築するためのロケ費用など、1話あたりの製作費が非常に高額な作品です。
視聴率が右肩下がりの中で、これほど高価な番組を維持し続けるのは、放送局にとって大きなリスクとなりました。一方で、本作はディズニー傘下のABCが製作しているため、ディズニーのキャラクターを実写化するという「ブランド戦略」の一翼を担っていました。
しかし、スピンオフとして制作されたワンス・アポン・ア・タイム・イン・ワンダーランドも視聴率不振で1シーズンで終了。シリーズ全体の勢いが弱まる中で、無理に引き延ばすよりも、最高の形で幕を引くという決断がなされたのです。
美しき結末:打ち切りでも「完結」と言える理由
「打ち切り」という言葉はどこか悲しい響きを持ちますが、この作品に関しては少し意味合いが異なります。
番組の終了が正式に決定したのはシーズン7の放送中でしたが、制作陣には「物語を完結させるための十分な時間」が与えられました。そのため、唐突な終わり方ではなく、ファンが納得できるエンディングを丁寧に作り上げることができたのです。
最終回には、降板していたジェニファー・モリソン(エマ)をはじめ、ジニファー・グッドウィン(白雪姫)やジョシュ・ダラス(チャーミング王子)といったオリジナルキャストたちが奇跡の再集結を果たしました。
すべての呪いが解け、すべての物語が一つに繋がる。文字通り「ハッピーエンディング」で幕を閉じたこの終わり方は、多くのファンに「これ以上の終わり方はない」と言わしめる、完璧なフィナーレでした。
放送終了後も続く「ワンス」の魔法
番組が終わってからも、この作品が人々に与えた影響は色褪せていません。
現在はDisney+(ディズニープラス)などの配信サービスで全シーズンを視聴することができ、新しいファンが増え続けています。放送終了後に本作を見始めた視聴者からは、「なぜこんなに面白いドラマがシーズン7で終わってしまったのか」と、後から打ち切りの理由を検索する声が絶えません。
レジーナ(悪い女王)の更生、ルンペルシュティルツキンの愛と葛藤、そして「希望を持ち続けること」の大切さ。これら一貫したテーマは、今もなお私たちの心に深く刻まれています。
DVDやBlu-rayなどのパッケージ版ワンス・アポン・ア・タイム コンプリートBOXを手に取るファンも多く、物理的なメディアとしてもその価値を保ち続けています。
ワンス・アポン・ア・タイム打ち切りの理由は?シーズン7で終了した真相を解説!まとめ
さて、ここまで『ワンス・アポン・ア・タイム』が終了した背景を詳しく見てきました。
打ち切りの真相をまとめると、以下の4つのポイントに集約されます。
- エマ役ジェニファー・モリソンをはじめとする主要キャストの大量降板
- 視聴率の低下と、それに伴う「死のタイムスロット」への放送枠移動
- 高額な製作費に対する、ビジネスとしての収益性の低下
- シーズン7での大胆なリブートが、視聴者層に十分に受け入れられなかったこと
表向きは「打ち切り」という形かもしれませんが、クリエイターたちが最終的に語りたかった「愛は必ず勝つ」というメッセージを、完璧な形で描き切って終われたことは、このシリーズにとって最大の幸運だったと言えるでしょう。
物語は終わっても、ストーリーブルックの魔法は私たちの心の中に生き続けています。もしあなたがまだシーズン7を最後まで見ていない、あるいは途中で離れてしまったというなら、ぜひもう一度、彼らの勇気ある冒険の結末を見届けてみてください。そこにはきっと、あなたを笑顔にする魔法が待っているはずですから。

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