『ジョジョの奇妙な冒険 第4部 ダイヤモンドは砕けない』。杜王町を舞台にしたこの物語で、主人公・東方仗助の相棒として、そして一人の少年としての圧倒的な成長を見せてくれるのが広瀬康一です。
物語の語り部的な側面も持つ彼ですが、ファンの間でたびたび話題にのぼるのが「声優さん」について。実は、広瀬康一の声はメディア展開によって何度か交代しているんです。
「アニメから入ったから梶裕貴さんのイメージが強いけれど、昔のゲームだと違った気がする……」
「どうして途中でキャストが変わったの?」
そんな疑問を抱いているジョジョファンのために、今回は広瀬康一を演じた歴代キャストの比較や、変更に至った背景、そしてそれぞれの声が持つ魅力について徹底的に深掘りしていきます。
歴代の広瀬康一役を務めた豪華声優陣
ジョジョという作品は歴史が長く、連載当時から数えると30年以上の月日が流れています。そのため、アニメ化される以前に発売されたゲームやドラマCDでは、今とは異なるキャスティングが行われていました。
まずは、これまで広瀬康一に命を吹き込んできた声優さんたちを振り返ってみましょう。
TVアニメ版・現在のメインキャスト:梶裕貴
現在、最も多くのファンにとって「康一くんの声」として定着しているのが、2016年放送のTVアニメ版から担当している梶裕貴さんです。
梶さんといえば、『進撃の巨人』のエレン・イェーガー役など、熱量のある演技で知られるトップ声優。ジョジョ第4部でも、最初はひ弱で頼りなかった康一が、強敵との戦いを通じて精神的に自立していく過程を完璧に演じ切っています。
特に印象的なのは、スタンド「エコーズ」がACT3へと進化した際の演技。あの独特なキレのある台詞回しや、強大な敵に立ち向かう際の「覚悟」がこもった声は、アニメ版ならではの熱さを生んでいます。第5部『黄金の風』の冒頭でイタリアを訪れた際の、少し大人びた康一の声も彼が続投しており、シリーズを通した一貫性を保っています。
ゲーム『オールスターバトル(ASB)』版:朴璐美
アニメ化される以前、多くのファンが「康一の声」として親しんでいたのが、2013年発売のPS3ソフトジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトルなどで演じた朴璐美さんです。
朴璐美さんは『鋼の錬金術師』のエドワード・エルリック役などで知られる、少年役のスペシャリスト。彼女が演じる康一は、梶さん版よりも少し低めで、最初から「芯の強さ」を感じさせるキャラクター像でした。
ドラマCDなどでもこのキャスティングが採用されており、当時のファンからは「康一の勇気ある一面が際立っていてかっこいい」と絶賛されていました。少年らしい瑞々しさと、ジョースター家にも引けを取らない黄金の精神を感じさせる名演です。
2006年PS2ゲーム版:夏樹リオ
さらに遡ること2006年。PS2専用ソフトとして発売された『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の旋風』では、夏樹リオさんが康一役を演じていました。
このゲームは第5部をメインに据えた作品でしたが、冒頭に登場する康一も重要な役割を果たします。夏樹さんが演じる康一は、非常に可愛らしく、より「後輩キャラ」としての側面が強調されたものでした。原作初期の、まだ体が小さくて丸っこいイメージの康一に非常にマッチしたトーンといえます。
なぜ声優が変更されたのか?その裏事情を考察
ここで気になるのが、「なぜ朴璐美さんから梶裕貴さんへ変更されたのか?」という点ですよね。人気が高かったキャストが変わる際、ファンとしてはその理由を知りたくなるものです。
公式に明確な理由が語られることは稀ですが、アニメ業界やジョジョシリーズの傾向から、いくつかの要因が見えてきます。
アニメ化に伴うプロジェクトの刷新
ジョジョのアニメシリーズは、制作スタジオであるdavid productionを中心に、非常に強いこだわりを持って作られています。各部の放送が始まる際、音響監督やプロデューサーを含めた制作チームは、改めて「その時、そのキャラクターに最も適した声」をオーディションで選定するのが通例です。
ゲーム版(ASBなど)はバンダイナムコエンターテインメントが主導するプロジェクトであり、TVアニメ版とは製作委員会が異なります。そのため、既存のイメージに縛られすぎず、アニメとしてのクオリティを最大化するために新キャストを起用するという判断がなされたと考えられます。
実際に、主人公の東方仗助(羽多野渉さんから小野友樹さんへ)や、空条承太郎(小野大輔さんは続投ですが、格ゲー時代は梁田清之さんなど)といった他の主要キャラも、メディアごとに変更が行われています。
キャストの統一化という流れ
面白い現象として、最新のゲームジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル Rでは、以前のゲーム版キャストではなく、アニメ版の梶裕貴さんへとボイスが差し替えられています。
これは、TVアニメの成功によって「梶裕貴=広瀬康一」というイメージが世間一般に完全に定着したためです。コンテンツを多角的に展開する際、アニメとゲームで声が違うと新規ファンが混乱する可能性があるため、現在はアニメ版のキャストへ統合・統一していく流れが主流となっています。
梶裕貴版・広瀬康一の魅力:成長を声で表現する技術
梶裕貴さんが演じる康一の何が凄いのか。それは「成長のグラデーション」です。
物語開始当初の康一は、学校の行き帰りに仗助に振り回されるだけの、ごく普通の(あるいは普通以下の)臆病な少年でした。この頃の梶さんの声は、高く、少し震えるような、守ってあげたくなるような響きです。
しかし、エコーズACT1、ACT2、そしてACT3とスタンドが進化するたびに、声に厚みが増していきます。由花子との対峙で見せた男らしさ、シアーハートアタック戦で見せた極限の緊張感、そして最終決戦での勇姿。
「静かにしろと言ってるんだッ!」という怒りの声は、初期の彼からは想像もつかないほど力強く、視聴者に「康一くん、本当に成長したな……」と親心のような感動を抱かせます。この微細な変化を1クール、2クールかけて表現できるのは、まさに実力派声優ならではの技と言えるでしょう。
ファンからの評価とそれぞれのキャストへの愛
SNSやネット上のコミュニティを見ると、どちらのキャストにも熱烈な支持があることが分かります。
- 「梶さんの康一は、本当に等身大の男の子がヒーローになっていく感じがして熱い」
- 「朴璐美さんの康一は、少年漫画としての『かっこよさ』が詰まっていて、あれはあれで最高だった」
- 「夏樹リオさんの頃の、ちょっと頼りない感じが懐かしくて好き」
このように、どの声優さんもそれぞれの解釈で広瀬康一という多面的なキャラクターを魅力的に演じています。
特にジョジョは「世代を超えて受け継がれる物語」というテーマがあるため、ファンも「この時期の康一はこれ!」と、それぞれのメディア展開を楽しんでいる傾向があります。過去のゲームを引っ張り出してPS3やPS4で演じ分けを聴き比べるのも、ジョジョの楽しみ方の一つかもしれません。
まとめ:ジョジョ康一の声優は誰?歴代キャスト比較とアニメ版・ゲーム版で変更された理由
広瀬康一というキャラクターは、ジョジョ第4部におけるもう一人の主人公といっても過言ではありません。
そんな彼を演じた声優さんたちは、以下の通りでした。
- TVアニメ版・現在:梶裕貴さん(成長の表現が圧巻)
- 初期ゲーム・ドラマCD版:朴璐美さん(芯の通った少年ボイスが魅力)
- PS2ゲーム版:夏樹リオさん(初期の可愛らしさを体現)
変更の主な理由は、アニメ化に伴う制作体制の刷新と、それに続くメディア全体でのキャスト統一によるものです。かつてのゲーム版キャストを懐かしむ声もありますが、現在では梶裕貴さんの熱演が、新しい世代のファンにとっても「広瀬康一の象徴」となっています。
声優さんが変わることで、キャラクターの新しい魅力が引き出される。これもまた、長く愛される『ジョジョの奇妙な冒険』という作品の深みなのかもしれません。
もし、まだ片方の演技しか聴いたことがないという方がいれば、ぜひアニメとゲームの両方をチェックしてみてください。声の違いから、康一というキャラクターの新しい一面が見つかるはずですよ。

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