「レロレロレロレロ……」
この奇妙な擬音を聞いて、真っ先に赤いさくらんぼを思い浮かべるなら、あなたは立派なジョジョ好きですね。
『ジョジョの奇妙な冒険 第3部 スターダストクルセイダース』に登場する花京院典明。彼がさくらんぼを舌の上で転がすあのシーンは、連載から数十年が経過した今でも、ネットミームとして語り継がれる伝説的な場面です。
「なぜあんな食べ方をしているの?」
「アニメ版のあの高速レロレロはどうやって録音したの?」
「そもそも、あれは本物の花京院なの?」
今回は、ジョジョファンの間で語り草となっている「さくらんぼ」にまつわるエピソードを、元ネタからアニメの裏話、さらには「やり方」まで、ディープに解説していきます。
花京院典明とさくらんぼの出会い:初登場の回はどこ?
まず押さえておきたいのが、このシーンが原作漫画のどこで登場するのかという点です。
さくらんぼの「レロレロ」が初めて描かれたのは、単行本15巻(文庫版では10巻)に収録されている「黄の節制(イエローテンパランス) その①」というエピソードです。
物語の舞台はシンガポール。空条承太郎一行がホテルに到着し、しばしの休息を取ろうとしている場面で事件は起こります。いつもは冷静沈着で、誰よりも礼儀正しいはずの花京院典明が、突然おかしな行動を取り始めるのです。
- 盗みを働こうとしたスリの指を容赦なく折る
- 火のついた煙草を口の中に放り込む
- そして、デザートのさくらんぼを手に取り、狂ったように舌で転がし始める
このあまりに不気味でインパクトのある「レロレロ」描写に、当時の読者は「花京院はどうしちまったんだ!?」と度肝を抜かれました。
衝撃の事実!あの「レロレロ」は偽物だった?
実は、シンガポールで奇行を繰り返していた花京院は、本物ではありませんでした。
その正体は、DIOが放った刺客、ラバーソール。彼のスタンド「黄の節制(イエローテンパランス)」は、肉を食らって肥大化するだけでなく、他人の姿に完璧に化ける能力を持っていました。
つまり、あの「レロレロ」は、敵が花京院になりすまして承太郎を挑発していた姿だったのです。
しかし、ここからがジョジョの面白いところです。ラバーソールを倒した後、怪我から復帰した「本物」の花京院が合流します。物語の締めくくりで、本物の花京院が何気なくさくらんぼを手に取ると……。
「レロレロレロレロ……」
なんと、本物も全く同じやり方でさくらんぼを食べていたのです!
偽物のラバーソールが花京院をバカにしてやっていた奇行だと思いきや、実は花京院本人の「隠れた特技(癖)」だったというオチ。このギャップこそが、花京院典明というキャラクターに人間味と、少しの不気味さを与える名演出となりました。
アニメ版・平川大輔さんの神業「レロレロ」
原作でも十分なインパクトがあったこのシーンですが、2014年から放送されたテレビアニメ版でその人気は不動のものとなりました。
花京院役を演じた声優の平川大輔さんによる「レロレロ」の演技が、あまりにも完璧すぎたのです。
通常、擬音をそのまま口に出すのは非常に難しいものですが、平川さんは「レロレロレロレロ……」という高速の動きを、息を継ぐ間もないほどのスピードで表現しました。
アニメ制作時のエピソードによると、このシーンのために特別な「レロレロ専用の台本」が用意されていたそうです。文字数や秒数に合わせて、どれくらい舌を回すかが緻密に計算されていたというから驚きです。
平川さん自身、収録後は「舌がちぎれるかと思った」と語るほどの熱演。このこだわりがあったからこそ、海外のファンからも「Rero Rero」として愛される名シーンが誕生したわけですね。
ちなみに、ジョジョのグッズにはさくらんぼをモチーフにしたものも多く、ジョジョの奇妙な冒険 フィギュアなどで花京院のフィギュアを探すと、さくらんぼを持った造形のものが見つかることもあります。
実際にできる?「レロレロ」のやり方とコツ
ジョジョ好きなら一度は「自分でもできるだろうか」と、鏡の前でさくらんぼを口に含んだことがあるのではないでしょうか。
実は、あの動きを再現するにはちょっとしたコツが必要です。
- さくらんぼの選び方:軸(茎)がついているものを選んでください。軸を持つことで、舌の上でさくらんぼが喉の奥へ滑り落ちるのを防ぐことができます。安全第一です。
- 舌のポジション:舌の先端ではなく、真ん中あたりにさくらんぼを乗せます。
- 動かし方のコツ:舌を上下に動かすのではなく、波打たせるように「レ」と「ロ」の中間の音を意識しながら、高速で震わせます。
ただし、実際にやってみると分かりますが、花京院のようなスピードで転がすのは至難の業です。種を飲み込んでしまったり、口の周りがベタベタになったりするので、挑戦する際は周りに誰もいないことを確認してからにしましょう。
なぜ花京院はさくらんぼを「レロレロ」するのか
ここからは少し真面目な考察です。なぜ荒木飛呂彦先生は、花京院にこのような設定を与えたのでしょうか。
花京院は、生まれつきスタンドが見えることで、幼少期から誰とも心を割り振ることができない孤独な少年時代を過ごしてきました。
「自分以外の人間には見えない世界がある」という孤独。そんな彼にとって、一人でいる時間に編み出した「さくらんぼ転がし」は、誰にも邪魔されない自分だけの聖域のような遊びだったのかもしれません。
一見するとエリートで冷静な彼が、実は心の中に強いこだわりや、他人には理解されない「変な部分」を抱えている。その象徴がさくらんぼだったのだと考えると、あのコミカルなシーンも少し切なく、愛おしく感じられませんか?
ジョジョの物語をより深く楽しむなら、原作漫画を読み返すのが一番です。ジョジョの奇妙な冒険 第3部を手に取って、ラバーソールの化けた偽物と、ラストシーンの本物の「レロレロ」をぜひ見比べてみてください。
ジョジョのさくらんぼ「レロレロ」の理由は?元ネタや回、やり方を徹底解説!のまとめ
いかがでしたでしょうか。
ジョジョ第3部の屈指の名シーンである「さくらんぼのレロレロ」。それは、単なる敵の奇行にとどまらず、花京院典明というキャラクターの「孤高の裏返し」や「意外な茶目っ気」を象徴する大切なピースでした。
- 初登場は原作15巻の「黄の節制」編
- 最初は偽物(ラバーソール)がやっていたが、実は本物の癖だった
- アニメ版では平川大輔さんの超絶技法によって伝説となった
- 実際にやるのはかなり難しい(そして少し危険)
次にさくらんぼを食べる機会があったら、ぜひ心の中で「レロレロ……」と呟いてみてください。きっと、花京院のあのクールな眼差しが頭に浮かんでくるはずです。
もし、あなたがこれからジョジョの世界にどっぷり浸かりたいなら、まずはジョジョの奇妙な冒険 第1部から読み始めて、その独特な世界観の変遷を辿ってみるのがおすすめですよ。
ジョジョの奇妙な冒険は、こうした細かな描写の一つひとつに、キャラクターの魂が宿っています。さくらんぼ一つでここまで語れる作品、他にありませんよね!

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