「ジョジョの奇妙な冒険」を読んでいて、一度は「自分でもこんなにかっこいい絵が描けたらな…」と思ったことはありませんか?独特の陰影、彫りの深い顔立ち、そしてあの奇抜なポーズ。一見すると、プロ級の画力がないと描けないように見えますよね。
でも、安心してください。実はジョジョ風のイラストには、いくつかの「決まったルール」が存在します。そのポイントさえ押さえれば、絵心に自信がない初心者の方でも、驚くほど簡単に「それっぽい」イラストが描けるようになるんです。
今回は、難しい解剖学の話は抜きにして、誰でも今日から実践できるジョジョ風イラストの描き方のコツを詳しくお伝えします。
なぜジョジョの絵は「難しそう」に見えるのか?
ジョジョの絵が難しく感じる最大の理由は、圧倒的な「情報の密度」にあります。普通のアニメや漫画のキャラクターは、線を減らしてスッキリ見せる「引き算」の美学で描かれることが多いですが、荒木飛呂彦先生の絵はその逆。線を足して、影を足して、質感を書き込む「足し算」の絵画なのです。
初心者がいきなり全部を真似しようとすると、どこから手をつけていいか分からず混乱してしまいます。そこで大切なのが、「ジョジョらしさ」を形作っている要素をバラバラに分解して、一つずつ攻略していくことです。
まずは、顔のパーツごとに「ここだけ守ればジョジョに見える」というポイントを見ていきましょう。
顔のパーツ別!初心者でも失敗しない描き方のルール
ジョジョ風に見せるための最重要ポイントは、ズバリ「鼻」と「口」です。ここを意識するだけで、絵の雰囲気はガラリと変わります。
鼻筋と「鼻の下の影」が命
一般的な漫画では、鼻は点や短い線だけで省略されがちですが、ジョジョでは鼻の存在感をしっかり出します。
- 鼻筋を一本の線で引くのではなく、眉頭から鼻筋にかけて「斜線(ハッチング)」を入れて影を表現する。
- 小鼻の横や鼻の穴の周りに、あえて黒いベタ(塗りつぶし)を入れる。
- 一番のポイントは、鼻のすぐ下(人中あたり)に小さな三角形の影を描くこと。これだけで一気に劇画調の立体感が生まれます。
唇は「下唇」にボリュームを出す
ジョジョのキャラクターがセクシーに見えるのは、唇の描き方に秘密があります。
- 上唇は薄く、下唇は思い切って厚く描く。
- 唇全体を塗りつぶすのではなく、下唇の中央に光が当たっているような「白抜き」を作り、その周りを細かい縦線で埋める。
- 口角(口の両端)に小さな黒い溜まり(影)を描くと、表情が引き締まります。
鋭い眼光を作るアイライン
目は口ほどに物を言うと言いますが、ジョジョ風の目は「鋭さ」が重要です。
- 上まぶたのラインを太く、力強く描く。
- 下まつ毛を数本、短くハッキリと描き込む。
- 瞳の中のハイライト(光)は最小限にする。キラキラさせすぎず、瞳の上半分を影で暗くすると、ジョジョ特有の威圧感が出ます。
魔法のテクニック「ハッチング」と「ベタ」の活用
形が描けたら、次は「質感」を出していきましょう。ジョジョ風イラストにおいて、色は二の次。モノクロの状態での「密度」が重要です。
斜線(ハッチング)で影を作る
ジョジョの絵をよく見ると、顔の影がグラデーションではなく、細かい「斜線」で表現されていることに気づくはずです。これをハッチングと呼びます。
- 頬骨の下、おでこの端、首筋などに、同じ方向に流れる細い線を何本も引いてみてください。
- 線の密度を上げることで影の濃さを調節します。多少線がはみ出しても、それが「味」になるのがジョジョ風のいいところです。
迷ったら「黒ベタ」で塗りつぶす
「なんだか物足りないな」と思ったら、顔の半分や目の窪み、髪の毛の重なっている部分を思い切って真っ黒に塗りつぶしてみましょう。
このコントラストの強さが、ジョジョ特有の重厚感を生みます。特に、デジタルで描いている方は、iPad Proなどのタブレットを使って、筆圧を意識しながらガリガリと描き込むと、よりアナログらしい力強さが出せますよ。
「ジョジョ立ち」を簡単に再現するための体の使い方
顔が描けたら、次はポーズです。有名な「ジョジョ立ち」ですが、初心者がいきなり複雑なひねりを加えるのは至難の業。まずは「重心」だけを意識してみましょう。
コントラポストを意識する
コントラポストとは、片方の足に体重をのせ、左右の肩と腰のラインをあえて斜めにズラすポーズのことです。
- 直立不動ではなく、片方の腰をグイッと横に突き出す。
- 出した腰とは逆の肩を下げる。
- これだけで、体の中に「S字」のラインができ、優雅で力強い立ち姿になります。
指先の「くねり」が個性を生む
ジョジョのキャラクターは、手の表情が非常に豊かです。
- 手を開くときは、指の関節を少し大げさに曲げる。
- 顔に手を添えたり、顎に指をかけたりするポーズは定番中の定番です。
- 指先まで神経が通っているような「ピン」とした緊張感を出すのがコツです。
仕上げに欠かせない!背景と擬音のエフェクト
イラストが描き上がったら、最後に「ジョジョの世界観」をトッピングしましょう。これがあるだけで、少々絵が似ていなくてもジョジョ風として成立します。
描き文字(擬音)を配置する
「ゴゴゴゴ」「メメタァ」「ドジャアァァン」など、おなじみの擬音を画面の空いているスペースに大きく描き込みましょう。
- 文字はレタリングするように、厚みを持たせて描く。
- 文字自体に影をつけたり、震えているような線を加えたりすると迫力が出ます。
奇抜な配色で「色化け」を楽しむ
ジョジョのカラーイラストには「正解の配色」がありません。空が黄色かったり、肌が紫だったりしてもOKなのがこの作品の魅力です。
デジタルイラストなら、最後に色相をガラッと変えてみてください。普段なら選ばないようなビビッドな色使いにすることで、一気に芸術的なジョジョ風イラストへと進化します。
もしアナログで練習したいなら、コピックなどの発色の良いマーカーを使って、思い切った色を置いてみるのも楽しいですよ。
練習の第一歩!身近なものをジョジョ風に変えてみる
いきなりゼロからキャラクターを生み出すのは大変です。まずは、自分の自撮り写真や、身近な文房具などをジョジョ風にアレンジすることから始めてみましょう。
自分の写真をトレスしてみる
スマートフォンの写真の上に紙を置くか、ペイントソフトで写真の不透明度を下げて、その上から「ジョジョのルール」を当てはめて線を引いてみてください。
「自分の鼻の下に影を足したらどうなるか?」「下唇を厚くしたらどう見えるか?」を試すのが、上達への一番の近道です。この時、Apple Pencilのような細かい描写ができるペンがあると、ハッチングの練習がスムーズに進みます。
ジョジョ風イラストの簡単な描き方!初心者でも特徴を掴んで上手く描くコツを徹底解説
いかがでしたか?ジョジョ風のイラストは、一見すると非常に難解に見えますが、実は「影の置き方」や「パーツの強調の仕方」という明確なパターンがある世界です。
- 鼻の下に三角形の影を入れる
- 下唇を厚く、光らせる
- 細かい斜線(ハッチング)で密度を上げる
- 重心をズラしてポーズを決める
- 仕上げに「ゴゴゴ」と擬音を添える
この5つのステップを意識するだけで、あなたのイラストは劇的にジョジョらしくなります。完璧を目指す必要はありません。まずは楽しみながら、ガリガリと線を書き込む快感を味わってみてください。
もっと具体的なキャラクターの描き分けや、服のシワの表現などを知りたくなった時は、ぜひ原作のコミックスをじっくり観察してみてください。そこには、今回紹介したコツがいたるところに散りばめられています。
さあ、あなたもペンを手に取って、自分だけの「奇妙な世界」を描き出してみませんか?
まずは、一番好きなキャラクターの「目」だけを練習することから始めてみましょう!

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