「ギャングの拷問といえば?」と聞かれて、真っ先に「キレッキレのダンス」を思い浮かべてしまうのは、世界中でジョジョ好きだけかもしれません。
アニメ『ジョジョの奇妙な冒険 第5部 黄金の風』の放送当時、SNSや動画サイトを文字通り「爆破」させたあの伝説のシーン。敵を拷問しているはずなのに、なぜか視聴者が釘付けになってしまう中毒性の塊、通称「ギャングダンス」について、今回は徹底的に深掘りしていきます。
「あのダンス、結局何話で見られるの?」「流れているカッコいい曲の正体は?」といった疑問をすべて解決していきましょう。
ギャングダンス(拷問ダンス)が登場するのはアニメ第7話!
まずは結論から。あの衝撃的なギャングダンスが拝めるのは、TVアニメ版の**第7話「セックス・ピストルズ登場 その①」**です。
物語の舞台は、カプリ島へと向かう船の上。ブチャラティチームの面々は、隠れた敵スタンド使いであるマリオ・ズッケェロを捕らえます。情報を吐かせるために彼らが行ったのは、暴力……ではなく、あまりにも奇妙でスタイリッシュな「儀式」でした。
原作漫画では単行本48巻に登場するこのシーン。実は原作だとわずか数ページ、コマ数にして4ページ分ほどの描写だったんです。それがアニメ化にあたって、約1分間にも及ぶフル尺のダンスシーンへと超進化を遂げました。
この「原作の余白を全力の情熱で埋める」という制作陣のこだわりこそが、伝説の始まりだったと言えるでしょう。
鳴り響く名曲『Canzoni preferite』の正体
ダンスのキレもさることながら、視聴者の耳を離さないのがあのファンキーな楽曲ですよね。
この曲のタイトルは**『Canzoni preferite』**。イタリア語で「お気に入りの歌」という意味を持ちます。ジョジョ第5部の音楽を全編にわたって担当している作曲家・菅野祐悟氏による書き下ろし楽曲です。
プリンスへのリスペクトが詰まったサウンド
ジョジョの原作者である荒木飛呂彦先生が、伝説のミュージシャン「プリンス(Prince)」の大ファンであることは有名です。この楽曲も、プリンスが80年代に放っていたような、重厚なベースラインと軽快なカッティングギターが絡み合うPファンクスタイルを見事に再現しています。
ボーカルを務めるのはハセガワダイスケ氏。劇中で流れる歌詞をよく聴いてみると、「地獄へ落ちろ」「焼き尽くしてやる」といった、拷問シーンにふさわしい過激なフレーズが英語で散りばめられています。それなのにメロディが最高にキャッチーというギャップが、シュールさを加速させているんですね。
もし、じっくりとフルサイズで聴き込みたいのであれば、ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風 オリジナルサウンドトラック Vol.1をチェックしてみてください。アニメ放送版よりも長い間奏部分があり、よりディープなファンクの世界に浸ることができます。
ナランチャ・ミスタ・フーゴの完璧なコンビネーション
このダンスを踊っているのは、チームの中でも特に血気盛んな3人組です。
- ナランチャ・ギルガ:ラジカセのスイッチを入れ、最初に踊り出すリーダー格。
- グイード・ミスタ:ナランチャの動きに合わせて、吸っていたタバコを投げ捨てて合流。
- パンナコッタ・フーゴ:最後はインテリなフーゴまで加わり、3人での完璧なフォーメーションが完成。
注目すべきは、普段はバラバラな個性を持つ彼らが、一糸乱れぬ動きを見せる点です。「こいつら、普段からどれだけ練習してるんだ?」と突っ込みたくなるほどのシンクロ率。
特に、普段は冷静(かつキレると怖い)なフーゴが、無言でスッとダンスの列に加わる瞬間は、チームの絆(?)を感じずにはいられません。ズッケェロが眼球を焼かれながら絶叫している横で、この3人が真顔で踊っているという構図そのものが、ジョジョという作品の「黄金の精神」ならぬ「黄金のシュール」を体現しています。
なぜこれほどまでに中毒性が高いのか?
なぜ私たちは、YouTubeやTikTokでこのダンスを何度も繰り返し見てしまうのでしょうか。その理由は、アニメ制作会社「david production」の異常なまでのこだわりにあります。
手描きアニメーションの極致
最近のアニメでは、複雑なダンスシーンには3DCGが使われることも多いですよね。しかし、このギャングダンスは**「手描き」**で制作されています。
人間の関節の動きとしては少し独特な、あの「ヌルヌル」とした不思議な質感。これは1コマ1コマ、アニメーターの技術によって生み出されたものです。3DCGでは出せない、手描き特有の「溜め」や「キレ」があるからこそ、私たちの目には強烈なインパクトとして焼き付くのです。
サイケデリックな演出
ダンスの途中で背景の色がガラリと変わる「カラーチェンジ」も、ジョジョアニメの伝統芸です。
ピンクやネオンカラーに彩られた画面の中で、キャラクターが影絵のように浮かび上がる演出は、まさに1970年代のミュージックビデオを彷彿とさせます。この視覚的な刺激と、中毒性の高いリズムが脳内で混ざり合い、一度見たら忘れられない体験を作り出しているのです。
世界中に広まった「Torture Dance」の波
このシーンの影響力は日本国内に留まりませんでした。海外のアニメファンの間では「Torture Dance(拷問ダンス)」として知られ、一大ムーブメントを巻き起こしました。
SNSでのミーム化
放送当時から現在に至るまで、世界中のダンサーやコスプレイヤーがこのダンスを完全再現した動画をアップしています。
ジョジョを知らない人たちが「この奇妙な動きは何だ?」と興味を持ち、そこから第5部の本編を見始めるという逆転現象まで起きました。もはや、一つの文化として確立されていると言っても過言ではありません。
ゲーム作品への影響
このダンスの人気は凄まじく、バンダイナムコエンターテインメントから発売されているジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル Rなどのゲーム作品でも、キャラクターの挑発アクションや特殊演出として採用されています。
原作では数ページだった描写が、アニメという媒体を経て「ジョジョを象徴するアイコン」へと昇華された稀有な例です。
ギャングダンスを楽しむための周辺アイテム
もしあなたが、このダンスをきっかけにジョジョ第5部の世界をもっと深く知りたくなったなら、いくつか手元に置いておきたいアイテムがあります。
まず、ナランチャの軽快なステップを再現するには、彼のスタンドである「エアロスミス」の活躍も欠かせません。超像可動 ナランチャ・ギルガ&エアロスミスといったフィギュアをデスクに飾れば、いつでもあの名シーンの興奮を思い出すことができます。
また、原作漫画で荒木先生が描いた「静止画としての躍動感」を確認するのも一興です。ジョジョの奇妙な冒険 第5部 モノクロ版 4(電子書籍含む)を読み返すと、アニメ制作陣がいかに原作のポージングを尊重しながら、あの複雑な動きを構築したのかがよく分かります。
ジョジョのギャングダンスは何話?曲名や元ネタ、中毒性の秘密を徹底解説【黄金の風】まとめ
あらためて振り返ってみると、あの「ギャングダンス」は、ジョジョという作品が持つ「奇妙さ」と「スタイリッシュさ」が奇跡的なバランスで融合した名シーンでした。
- 登場回: アニメ第7話(原作48巻)
- 曲名: 『Canzoni preferite』(サントラVol.1収録)
- 元ネタ: プリンスを意識した80年代ファンク
- 魅力: 手描きアニメの情熱とシュールな世界観の融合
捕らえた敵を拷問するという、本来なら目を背けたくなるような場面を、これほどまでにエンターテインメントへと昇華させたdavid productionの手腕には脱帽です。
ナランチャ、ミスタ、フーゴの3人が見せたあの一分間の輝きは、これからも新しいファンをジョジョの沼へと引きずり込み続けることでしょう。もし、まだアニメを未視聴の方がいれば、ぜひ第7話の衝撃をその目で確かめてみてください。きっと気がつけば、あなたもリズムに合わせて指を鳴らしているはずです。
あのキレのある動きと音楽、そして少しの狂気。それこそが、私たちがジョジョに魅了され続ける理由そのものなのですから。

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