『ジョジョの奇妙な冒険 第5部 黄金の風』を読み返して、ふと思うことがあります。「一番『暗殺者』としてプロフェッショナルだったのは誰か?」と。
多くのファンが、その筆頭に挙げるのがホルマジオではないでしょうか。
物語序盤、ブチャラティチームの前に最初に立ちはだかった刺客。彼の戦いは、ド派手なスタンドバトルというよりも、極限の心理戦であり、泥臭い知恵比べでした。今回は、そんなホルマジオという男の魅力と、彼が操るスタンド「リトル・フィート」の真の恐ろしさ、そして伝説のナランチャ戦について深掘りしていきます。
暗殺チームの切り込み隊長ホルマジオという男
ジョジョ5部において、主人公たちを絶望の淵に叩き込んだ「暗殺チーム(ラ・スクアドラ・ディ・エセクツィオーネ)」。ホルマジオはそのチームの一員であり、物語の空気を一変させた重要人物です。
彼は、一見すると少し気だるげで、口癖のように「しょーがねーなあ~」とこぼすような、どこか憎めない雰囲気を持っています。しかし、その内面は冷徹なプロの暗殺者そのもの。ターゲットを追い詰めるためなら、自分自身の体さえ躊躇なく傷つける覚悟を持っています。
組織内での立ち位置と不遇な背景
暗殺チームは、パッショーネという巨大組織の中にありながら、非常に不遇な扱いを受けていました。命を懸けた汚れ仕事をこなしながらも、得られる報酬は少なく、正当な評価もされない。ホルマジオたちが反旗を翻した背景には、そんな切実な怒りがありました。
ホルマジオは、チームの中でも特に洞察力に優れ、情報の収集や初動の襲撃を任されることが多いタイプです。アニメ版では、仲間のソルベとジェラートが無残な姿で送り返されてきた際、誰よりも冷静に、かつ心の底で激しい怒りを燃やす姿が描かれ、多くのファンの涙を誘いました。
スタンド「リトル・フィート」は決して弱くない
ホルマジオのスタンド「リトル・フィート(小さな足)」は、初見では「地味だな」と感じる読者も多いかもしれません。なんせ、その能力は「相手を小さくする」という、少年漫画では古典的なものだからです。
しかし、ジョジョの世界において「能力の強さは使い手の知能に比例する」という法則を、彼は身をもって証明してくれました。
能力の発動条件と恐怖のプロセス
リトル・フィートの能力を発動させるには、スタンドの人差し指にある鉤爪で、対象を一度でも傷つける必要があります。たった一太刀、かすり傷でも負わせれば、ホルマジオの勝ち筋が見えてくるのです。
- 徐々に縮小する恐怖: 傷を負った対象は、時間の経過とともにゆっくりと小さくなっていきます。一瞬で小さくなるのではなく「じわじわ」というのがミソです。ナランチャは最初、自分が小さくなっていることにすら気づけませんでした。
- 自身の縮小は一瞬: 相手を小さくするのは時間がかかりますが、自分自身を小さくするのは一瞬です。これにより、ホルマジオは敵の視界から消えたり、ネズミの背中に乗って移動したりといった変幻自在の立ち回りを可能にします。
- 環境を武器に変える: 体が小さくなれば、普段は何でもない排水溝が迷路になり、ただの蜘蛛が巨大な怪物に変わります。ホルマジオはこの「環境の変化」を最大限に利用してターゲットを精神的に追い詰めます。
もし彼が現代にいたら、iphoneのような精密機器の内部に入り込んで回路を破壊する、なんて暗殺方法も選んでいたかもしれませんね。
ナランチャ戦にみる「暗殺者の矜持」と戦略
ホルマジオの名を不動のものにしたのは、やはりナランチャ・ギルガとの死闘です。このバトルは、5部の中でも屈指の名カードとして語り継がれています。
索敵vs潜伏の極限バトル
ナランチャのスタンド「エアロスミス」は、二酸化炭素を検知して敵を捕捉する強力な索敵能力を持っています。本来なら、隠れるのが得意なホルマジオにとって天敵とも言える相手です。
しかし、ホルマジオは驚くべき方法でこれを切り抜けます。街中にいるネズミをリトル・フィートで小さくし、自分の周囲に放つことで二酸化炭素の反応を攪乱。さらに、自分自身もネズミの群れに紛れることで、レーダーを無力化しました。
この「相手の強みを逆手に取る」戦法こそ、ホルマジオがプロの暗殺者と呼ばれる所以です。
自分の腹を切り裂く「覚悟」
バトルの終盤、ナランチャの機転によって周囲一帯が火の海に包まれました。炎によって二酸化炭素が充満し、ホルマジオの潜伏場所が特定されそうになったその時、彼は信じられない行動に出ます。
自らリトル・フィートの縮小を解き、元のサイズに戻る際の勢いを利用して、噴き出す自分の血で周囲の火を消したのです。自分の体を切り裂く激痛に耐え、血を消火剤として使う。この凄まじい「覚悟」は、まさに黄金の精神を持つ主人公たちと同等、あるいはそれ以上の重みを持っていました。
敵ながら天晴れと言わせるホルマジオの死に様
どんなに追い詰められても、ホルマジオは最後まで「暗殺者」であり続けました。
彼は、自分の命が尽きようとする瞬間まで、ボスの娘であるトリッシュの居場所を突き止めようとし、仲間たちのために情報を持ち帰ろうと足掻きました。最期の瞬間、ナランチャに向かって放った言葉には、敗北への悔しさ以上に、敵を認めた清々しささえ感じられました。
ホルマジオがナランチャを極限まで追い詰めたからこそ、ナランチャは「命令を待つだけの子供」から「自分の意志で戦う戦士」へと成長できたのだと言えます。
ジョジョ5部ホルマジオの魅力と能力を徹底解説!まとめ
ジョジョ第5部の物語を語る上で、ホルマジオというキャラクターは欠かせないスパイスです。
彼の「リトル・フィート」という能力は、単にサイズを変えるだけのものではありませんでした。それは、プロの技術と執念が合わさることで、どんな最強スタンドをも翻弄できる「最強の暗殺術」へと昇華されていたのです。
もし、あなたが今ジョジョ5部を読み返しているなら、ぜひホルマジオの視点に立ってナランチャ戦を追いかけてみてください。彼がどれほど緻密に計算し、どれほど熱いプライドを持って戦っていたかが、より深く伝わってくるはずです。
ジョジョの奇妙な冒険 第5部を片手に、暗殺チームの誇り高き戦いをもう一度堪能してみてはいかがでしょうか。ホルマジオの生き様を知れば、あなたの「覚悟」の定義も少し変わるかもしれません。

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