『ジョジョの奇妙な冒険 第6部 ストーンオーシャン』を読んでいて、もっとも「得体の知れない恐怖」を感じたシーンといえばどこでしょうか?多くのファンが挙げるのが、プッチ神父の息子の一人、リキエルとの死闘です。
彼が操る謎の未確認生物、通称「ロッズ」。このロッズが、実は単なるスタンド能力の産物ではなく、実在する(と噂された)UMAをモデルにしていることをご存知でしょうか。今回は、ジョジョファンなら知っておきたいロッズの正体、リキエルのスタンド「スカイ・ハイ」の恐ろしさ、そして現実世界でのスカイフィッシュの真実について深掘りしていきます。
ロッズ(スカイフィッシュ)とは何か?その不気味な生態
ジョジョの物語において、ロッズは「実在する未確認生物」として登場します。物語の舞台となる刑務所の周囲や、荒野の空中に潜んでいるという設定です。
身体的特徴と驚異のスピード
ロッズは細長い棒状の体をしており、その側面には複数のヒレのようなものが並んでいます。最大の特徴はその移動速度です。時速200kmから300kmという、生物としては規格外のスピードで飛行します。
あまりにも速すぎるため、人間の肉眼で捉えることは不可能です。ビデオカメラなどの映像に、細長い糸のようなものが一瞬だけ映り込む……そんな不気味な存在として描かれています。
熱を喰らう「熱吸収細胞」
ロッズがなぜ人間に害をなすのか。それは彼らが「他者の体温」をエネルギー源としているからです。ロッズは獲物の体の一部からピンポイントで熱を奪います。
熱を奪われた部位は、急激な温度低下によって機能不全に陥ります。これがリキエル戦において、徐倫たちを苦しめる最大の要因となりました。
リキエルのスタンド「スカイ・ハイ」とロッズの連携
リキエルが操るスタンドジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャンの「スカイ・ハイ」は、実はロッズそのものではありません。
スタンド自体は手首に装着するタイプ
スカイ・ハイ本体は、リキエルの手首に装着された小型のスタンドです。このスタンドの能力は「周囲にいる野生のロッズを支配し、自在に操ること」にあります。
つまり、リキエルはスタンドエネルギーで攻撃するのではなく、自然界に存在する恐ろしい生物を「兵器」として誘導しているのです。この「自然界の法則を利用する」という点が、プッチ神父の息子たちらしい、運命に干渉するような不気味さを引き立てています。
精密すぎる「疾病攻撃」
リキエルはロッズを敵の特定の神経や臓器に飛ばし、そこからだけ熱を奪わせます。
- まぶたの熱を奪い、目が開かないようにする。
- 喉の神経の熱を奪い、呼吸を止める。
- 指の神経を狙い、引き金を引きけなくする。
直接殴られるよりも回避が難しく、いつの間にか体が動かなくなっている。この「じわじわと詰んでいく感覚」こそが、スカイ・ハイの真骨頂です。
絶望的な状況を打破した徐倫の「覚悟」
リキエルとの戦いで、徐倫はかつてない窮地に立たされます。姿の見えないロッズに体温を奪われ、視界も自由も失っていく中で、彼女が選んだ解決策はあまりにも衝撃的でした。
自分の体に火をつけるという選択
「熱を奪われるのが問題なら、奪いきれないほどの熱を供給すればいい」
徐倫はガソリンを被り、自らの体に火を放ちました。炎に包まれることで、ロッズが狙う「体温のポイント」を撹乱し、攻撃を無効化したのです。
このシーンは、ジョジョシリーズに共通する「肉体を削ってでも勝利を掴む覚悟」が象徴的に描かれた名シーンです。炎の中でリキエルに詰め寄る徐倫の姿は、まさに黄金の精神を体現していました。
現実世界におけるスカイフィッシュの正体
さて、作中で「実在する」と語られたロッズ(スカイフィッシュ)ですが、現実の世界ではどのような扱いなのでしょうか。
90年代を席巻したUMAブーム
かつて、メキシコの洞窟などで撮影された映像に「高速で飛ぶ棒状の物体」が映り込み、世界中でニュースになりました。当時は「未知の高速移動生物が見つかった!」と大騒ぎになり、特番が組まれるほどのブームでした。
荒木飛呂彦先生は、この当時のオカルトブームや科学的な噂を非常にうまく漫画に取り入れています。「カメラには映るが肉眼では見えない」という設定を、スタンドバトルという形で昇華させたわけです。
科学的な結論:モーションブラー現象
現在の科学的な結論として、スカイフィッシュの正体は「ハエや蛾などの普通の昆虫」であると証明されています。
カメラのシャッタースピードが昆虫の羽ばたきに追いつかず、残像が連なって棒状に見えてしまう「モーションブラー」という現象が原因でした。夢のない話かもしれませんが、ジョジョの世界では「実は本当にいたんだ!」という解釈にしているのが、ファンにとってのロマンですよね。
リキエルというキャラクターの魅力
ロッズを操るリキエル自身も、非常に魅力的な敵キャラクターです。
彼は物語の当初、パニック障害のような症状を抱え、自分の人生に絶望していました。まぶたが痙攣し、何をやってもうまくいかない。そんな彼がプッチ神父に出会い、自分の能力を自覚することで、凄まじい精神的成長を遂げます。
「アポロ11号は月に行った。私はそこへ向かう」
このセリフに象徴されるように、彼は最後、敵でありながらも「自分の運命を切り開くヒーロー」のような清々しさを纏っていました。彼がロッズを完璧に制御できたのは、技術ではなく、その「精神的な目覚め」があったからこそなのです。
まとめ:ジョジョ ロッズが教えてくれる未確認生物の恐怖
『ストーンオーシャン』の中でも、ロッズを用いたバトルは異色の知略戦でした。目に見えないスピード、体温を奪うという特殊な攻撃、そして実在のUMAをベースにしたリアリティ。これらが組み合わさることで、読者はリキエル戦に強く引き込まれたのです。
現実では「カメラの残像」と結論づけられたスカイフィッシュですが、ジョジョのページをめくっている間だけは、空中のどこかに熱を奪う「ジョジョ ロッズ」が本当に潜んでいるのではないか……そんな風に想像してしまいますよね。
アニメ版でもそのスピード感あふれる演出は必見です。ぜひジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン Blu-rayなどで、あの緊張感あふれるバトルを再確認してみてください。
もし、あなたの体が急に冷えたり、思い通りに動かなくなったりしたなら……それはもしかすると、リキエルの操るロッズが近くにいるサインかもしれません。
次にジョジョを読むときは、ぜひ背景の「空」にも注目してみてください。そこには、肉眼では捉えきれない「運命の残像」が映っているはずです。
「ジョジョ ロッズ」についての考察は以上となります。皆さんは、リキエルの「覚悟」と徐倫の「炎」、どちらがより印象に残っていますか?

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