ジョジョの作画変化を1部から9部まで徹底解説!絵柄が変わった理由と魅力を再発見

ジョジョ
この記事ではアフィリエイトプログラムを利用して商品を紹介しています。アマゾンアソシエイトプログラムに参加しています。

「ジョジョの奇妙な冒険」を読み始めた時、誰もが一度は「あれ? さっきまでと絵が全然違くない?」と驚いた経験があるはずです。1部のムキムキな肉体美から、最新シリーズのファッショナブルで洗練された造形まで、その変遷はもはやひとりの作家が描いたとは思えないほどの劇的な進化を遂げています。

なぜ荒木飛呂彦先生は、これほどまで大胆にスタイルを変え続けてきたのでしょうか。今回は、ジョジョの作画変化の歴史を紐解きながら、それぞれの部で追求された美学とその裏側にある理由を徹底的に深掘りしていきます。


劇画の極致!1部・2部に見る「肉体への讃歌」

シリーズの幕開けである第1部「ファントムブラッド」と第2部「戦闘潮流」は、まさに1980年代の週刊少年ジャンプを象徴するような、重厚な劇画タッチが特徴です。

当時は『北斗の拳』に代表されるような、強靭な肉体を持つヒーローが支持されていた時代。ジョナサン・ジョースターやジョセフ・ジョースターの体つきは、プロレスラーやボディビルダーを彷彿とさせる圧倒的なボリューム感で描かれていました。

  • 1部の特徴: 太い輪郭線と緻密なハッチング(斜線による陰影)。石造りのような硬質な質感が強調されています。
  • 2部の特徴: ポージングにひねりが加わり始め、後の「ジョジョ立ち」に繋がる躍動感が見え隠れします。

この時期の作画は、物語のテーマである「人間讃歌」をストレートに肉体の強さで表現していました。今読み返すと、その筆致のエネルギーに圧倒されるはずです。

3部で完成された「ジャンプ黄金期」の王道スタイル

第3部「スターダストクルセイダース」に入ると、作画はより洗練され、キャラクターの描き分けが明確になります。空条承太郎というアイコニックな主人公の誕生とともに、ジョジョという作品のビジュアルイメージが世間に浸透した時期でもあります。

この時期の大きな変化は「スタンド」の登場です。これまではキャラクター自身の肉体が武器でしたが、背後に精神エネルギーの具現化であるスタンドが立つようになったことで、画面構成がより立体的になりました。

  • キャラクターデザイン: 依然として筋肉質ではあるものの、1部のような「岩のような筋肉」から、よりスマートで格闘家らしいシルエットへと移行しています。
  • 表情の進化: 承太郎のクールな眼差しや、DIOの妖艶な表情など、キャラクターの個性が顔の造形だけで伝わるようになっています。

ジョジョの奇妙な冒険 第3部 モノクロ版を手に取ってみると、この時期がいかに少年漫画としての完成度が高かったかがよく分かります。

4部で起きた「日常」へのシフトと劇的なスリム化

多くのファンが「一番絵が変わったのはどこか?」と聞かれて答えるのが、第4部「ダイヤモンドは砕けない」の物語中盤です。

連載開始当初は3部の余韻を残す劇画タッチでしたが、物語が進むにつれて東方仗助たちの体つきはみるみるスリムになっていきました。これには明確な理由があります。

  • 理由1:日常のリアリティ4部の舞台は日本の地方都市。そこに住む高校生があまりにムキムキすぎると、日常に潜む恐怖というテーマに馴染まないと考えたためです。
  • 理由2:ファッションへの傾倒荒木先生がイタリアのファッション誌や彫刻に強く影響を受け始め、キャラクターを「漫画の登場人物」としてだけでなく「モデル」のように描こうとした時期です。

後半の岸辺露伴が登場するあたりのタッチは、もはや初期とは別人のような軽やかさと、ハイブランドの広告のようなオシャレさを纏っています。

5部・6部で極まった「中性的な美学」と装飾性

第5部「黄金の風」と第6部「ストーンオーシャン」では、作画のベクトルはさらに「美しさ」へと舵を切ります。

5部の舞台であるイタリアの色彩感覚が取り入れられ、カラー原稿の配色はよりサイケデリックで芸術的なものになりました。キャラクターの顔立ちも、彫りの深さはそのままに、唇の厚みや睫毛のラインが強調され、性別を超越した中性的な魅力が爆発します。

  • 5部の変化: ジョルノ・ジョバァーナをはじめとするチームの面々は、タイトなスーツを着こなし、ポージングもファッションモデルそのもの。
  • 6部の挑戦: 初の女性主人公・空条徐倫を描くにあたり、しなやかな筋肉と、凛とした強さを併せ持つ「新しい女性像」を構築しました。

この時期、荒木先生は「一生同じ絵を描き続けるのは不自然だ」といった趣旨の発言をされています。変化することを恐れず、常に最新の「美」を追求する姿勢が、ジョジョを単なる少年漫画の枠から押し広げたのです。

7部・8部以降の青年誌移籍と「芸術の領域」

第7部「スティール・ボール・ラン」からは、連載の場をウルトラジャンプへと移しました。月刊誌への移行により、作画の密度は驚異的なレベルへと到達します。

特に7部は、馬の筋肉、広大なアメリカ大陸の風景、そして複雑なスタンド能力の描写など、週刊連載では不可能だった緻密な描き込みがなされています。

  • 7部の特徴: 西部劇のような泥臭さと、ルネサンス美術のような美しさが同居。ジョニィ・ジョースターの瞳の輝きなど、細部へのこだわりが凄まじい。
  • 8部(ジョジョリオン)の特徴: 線が極限まで整理され、引き算の美学を感じさせます。キャラクターの顔立ちが一定の型に収束しつつも、内面の感情が瞳の奥に宿るような表現へと進化しました。

STEEL BALL RUN ジョジョの奇妙な冒険 Part7を読み返すと、もはや漫画というよりも「画集」をめくっているような感覚に陥るはずです。

荒木先生が「絵を変え続ける」本当の理由とは

なぜ、これほどまでに作画は変化し続けるのでしょうか。その背景には、荒木先生の飽くなき探究心と、芸術家としての誠実さがあります。

漫画家の中には、キャラクターのアイコン性を守るために同じ絵柄を維持する方も多いですが、荒木先生は真逆です。「今の自分が一番かっこいいと思うもの」を紙の上に投影することに全力を注いでいます。

  1. ルネサンス美術の影響: ミケランジェロやベルニーニといった彫刻家の「ねじれ」の表現を、漫画のポージング(ジョジョ立ち)に落とし込んでいます。
  2. カラーの魔術師: ジョジョには「公式の色」が決まっていません。その時々の感性で色を塗るため、作画の変化とともに色彩表現も常にアップデートされています。
  3. 不老不死の精神: 先生自身のルックスが変わらないことは有名ですが、その精神も常に若々しく、新しい流行や音楽、アートを吸収し続けています。

変化し続けることは、ファンを驚かせるだけでなく、作品そのものを「古びさせない」ための魔法なのです。

まとめ:ジョジョの作画変化を1部から9部まで楽しむ贅沢

最新作である第9部「The JOJOLands」でも、ジョディオ・ジョースターという新たな主人公とともに、また新しいタッチの挑戦が始まっています。

初期の熱い劇画が好きだった人も、今の洗練されたアートスタイルに惹かれる人も、その変化の過程すべてが「ジョジョ」というひとつの壮大なサーガであることを忘れてはいけません。

  • 1部〜3部: ほとばしる情熱と圧倒的なエネルギー。
  • 4部〜6部: スタイリッシュな進化と個性の爆発。
  • 7部〜9部: 芸術の域に達した緻密さと精神性。

一気読みをすると、まるでタイムスリップをしながら美術館を巡っているような不思議な感覚を味わえるはずです。次に読み返す時は、ストーリーだけでなく、ペン先のライン一本一本がどう変わっていったのか、そのジョジョの作画変化に注目してみてください。そこには、荒木飛呂彦先生が35年以上にわたって戦い続けてきた、表現者としての足跡が刻まれています。

どの部から読み始めても、その時その瞬間の「最高のジョジョ」に出会える。それこそが、この作品が世界中で愛され続ける最大の理由なのかもしれません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました