『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズの中でも、ひときわ異彩を放つ第6部「ストーンオーシャン」。その物語の幕開けにおいて、主人公・空条徐倫の運命を決定づけた「判事」の存在を覚えていますか?
名前すら明かされない端役でありながら、読者に強烈な絶望感を与えたあの裁判シーン。今回は、ジョジョにおける「判事」という存在が物語にどんな意味を持っていたのか、そしてなぜあそこまで理不尽だったのかを徹底的に掘り下げていきます。
絶望のカウントダウン!徐倫を地獄へ送った判事の冷徹さ
物語の冒頭、空条徐倫は恋人ロメオとのドライブ中にひき逃げ事件に巻き込まれます。動揺する徐倫に対し、ロメオと弁護士は「死体を隠せば大丈夫だ」と甘い言葉をかけますが、これはすべて仕組まれた罠でした。
ここで登場するのが、無機質な表情で教壇に立つ「判事」です。
ジョジョの世界における判事は、正義を体現する存在ではありません。むしろ、逆らうことのできない「システムの壁」として描かれています。徐倫がどれほど無実を訴えようとも、提出される証拠はすべて彼女に不利なものばかり。判事はそれらを淡々と処理し、情状酌量の余地を一切与えません。
このシーンの恐ろしさは、判事自身が「悪」というよりも、巨大な「悪意の歯車」の一部として機能している点にあります。読者は、言葉の通じない怪物と対峙しているような、えも言われぬ圧迫感を感じることになります。
なぜ懲役15年?判決の裏に透けて見えるプッチ神父の影
徐倫に下された判決は、州立グリーン・ドルフィン・ストリート重警備刑務所への収容と、懲役15年というあまりにも重いものでした。初犯であり、司法取引に応じたはずの彼女に対して、この判決は明らかに異常です。
ここで注目したいのが、判事の背後にちらつく黒幕、エンリコ・プッチ神父の存在です。
- 弁護士がプッチ神父の手先であったこと
- 証拠が完璧に偽造されていたこと
- 刑務所という「閉鎖空間」に徐倫を閉じ込める必要があったこと
これらを考えると、あの判決を下した判事もまた、何らかの形でプッチ神父の影響下にあったと推測するのが自然です。スタンド能力「ホワイトスネイク」によって記憶や精神を操作されていたのか、あるいは司法界にまでプッチの権力が及んでいたのか。
いずれにせよ、あの判事は徐倫という「星の血統」を縛り付けるための、最初の「重力」として機能していたのです。
読者が震えた!ジョジョ特有の「理不尽な裁判」シーンの演出術
荒木飛呂彦先生の描く裁判シーンは、一般的なリーガルドラマとは一線を画します。何よりも特徴的なのは、その「スピード感」と「圧倒的な孤独感」です。
通常、裁判は時間をかけて議論されるものですが、ジョジョにおける判事は、徐倫の言い分をまるでノイズを払うかのように切り捨てます。この「会話が成立しない恐怖」こそが、ストーンオーシャンのテーマである「閉鎖的な状況からの脱出」を際立たせています。
また、判事のビジュアルも絶妙です。個性を消した厳格な佇まいは、個人の意思が通用しない「国家権力」や「運命」そのものを象徴しているかのようです。
読者からは「あの弁護士もムカつくけど、淡々と判決を読み上げる判事が一番怖い」「ジョジョの判事は、味方じゃない時の絶望感がすごい」といった声が多く上がっています。
司法制度すら敵?第6部を貫く「法」と「倫理」の葛藤
『ジョジョの奇妙な冒険』第6部は、シリーズの中でも特に「社会の仕組み」が敵として立ちはだかる側面が強い作品です。
刑務所という場所は、本来「法」によって管理される場所ですが、中に入ってみればそこはスタンド使いが跋扈し、看守が私腹を肥やす無法地帯。その入り口に立つ判事は、表向きの「法」がいかに脆く、悪意によって容易に捻じ曲げられるかを象徴しています。
徐倫は、判事によって下された「15年」という時間を、自らのスタンド能力と精神力で切り拓いていくことになります。つまり、あの不当な判決こそが、徐倫をひとりの少女から「戦士」へと成長させる過酷な産声だったとも言えるでしょう。
ジョジョファンにとって、あの裁判シーンを読み返すことは、物語の原点にある「拭いきれない理不尽」を再確認する作業でもあります。
もしあの時、別の判断が下されていたら?物語の分岐点
もし、あの判事が公正な人物で、徐倫の無実を見抜いていたらどうなっていたでしょうか。
おそらく、徐倫は刑務所に行くことなく、父・空条承太郎との確執も解けないまま、平穏ながらもどこか虚しい日常を送っていたかもしれません。しかし、それではプッチ神父の計画を止める者は誰もいなくなります。
そう考えると、あの「悪徳ともとれる判決」を出した判事すらも、ジョジョの世界を流れる巨大な運命(デスティニー)の一部だったのかもしれません。「天国へ行く方法」を実現させるために、運命がその判事を選び、徐倫をあの場所に導いたのだとしたら……。
ジョジョにおける「引力」という概念を当てはめると、あの判決シーンの深みがより一層増してきます。
ジョジョの奇妙な冒険「判事」の正体とは?名シーンの裏側と読者の反応を徹底解説!:まとめ
いかがでしたでしょうか。名前もなき「判事」というキャラクターが、実は『ジョジョの奇妙な冒険』第6部の根幹を揺るがす重要な役割を担っていたことがお分かりいただけたかと思います。
彼は単なる脇役ではなく、徐倫という魂を試すための最初の壁であり、プッチ神父が仕掛けた巨大な罠の象徴でした。
物語を改めて追いたい方は、ぜひ原作漫画やアニメで、あの冷徹な判決シーンをチェックしてみてください。徐倫が感じた絶望と、そこから立ち上がる勇気が、より鮮明に伝わってくるはずです。
もし、この記事を読んでジョジョの世界にどっぷり浸かりたくなったなら、ジョジョの奇妙な冒険 第6部 ストーンオーシャンを手に取って、運命の物語を最初から体験してみるのがおすすめですよ!
あなたの好きな「ジョジョの意外な名脇役」についても、ぜひ思いを馳せてみてくださいね。

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