「この曲、ジョジョの元ネタだ!」
YouTubeで往年の名曲を聴いているとき、コメント欄がアニメのキャラクター名や名セリフで埋め尽くされている光景を見たことはありませんか?
荒木飛呂彦先生の超人気漫画『ジョジョの奇妙な冒険』。その最大の特徴とも言えるのが、登場人物や特殊能力「スタンド」の名前に洋楽のバンド名や曲名が付けられていることです。
しかし、ネット上では「ジョジョの洋楽ネタがうざい」という声が根強く存在します。なぜ、素晴らしい作品であるはずのジョジョが、音楽ファンの間で反感を買ってしまうことがあるのでしょうか。
今回は、ジョジョファンと音楽ファンの間に横たわる「温度差」の正体を探り、双方がハッピーに音楽を楽しめるためのヒントをまとめていきます。
なぜ「ジョジョの洋楽ネタ」は一部で嫌われてしまうのか
せっかく名曲を楽しもうと動画を開いたのに、コメント欄が「アリーヴェデルチ!」や「無駄無駄!」といった言葉ばかりだと、純粋な音楽ファンは疎外感を抱いてしまいます。具体的にどのようなポイントが「うざい」と感じさせてしまうのか、その主な原因を見ていきましょう。
- コメント欄の占拠(ログ流し状態)伝説的なバンド、例えばクイーンやピンク・フロイドの公式MVを開くと、英語や日本語でジョジョ関連の書き込みが殺到していることがあります。曲の構成や歴史、アーティストへのリスペクトを語りたい人にとって、作品の身内ノリで埋め尽くされた空間は「荒らし」に見えてしまうのです。
- 文脈を無視したこじつけ歌詞の意味やアーティストが込めたメッセージよりも、「この能力は作中でこうだった」「このキャラの最期を思い出す」といった作品側の文脈ばかりが強調されることがあります。音楽そのものを愛するリスナーからすれば、「曲をダシに使われている」と感じてしまうのも無理はありません。
- 「ジョジョのおかげ」という不遜な態度一番摩擦を生みやすいのが、「ジョジョのおかげでこの曲を知った人が増えたんだから感謝しろ」というニュアンスの書き込みです。確かに認知度は上がりますが、アーティストや古参ファンに対して敬意を欠いた発言は、作品自体のイメージまで悪化させてしまいます。
- 内輪ノリの強要「To Be Continued」のミームや、独特の擬音を関係のない場所で多用することも、ジョジョを知らない層からすれば意味不明な「ノイズ」でしかありません。この「自分たちだけが分かればいい」という空気が、外部の人をイライラさせる大きな要因となっています。
荒木飛呂彦先生が洋楽を引用する「真のリスペクト」とは
ここで勘違いしてはいけないのが、作者である荒木飛呂彦先生自身は、音楽に対して並々ならぬ敬意と愛情を持っているという点です。
荒木先生は執筆中、常に音楽を流しており、そのリズムやアーティストの生き様からキャラクターのインスピレーションを受けています。
- プリンスへの深い傾倒荒木先生が最も影響を受けたアーティストの一人がプリンスです。第5部の主人公ジョルノのスタンド「ゴールド・エクスペリエンス」や、第8部の「ソフト&ウェット」などは、彼のアルバムや楽曲から名付けられています。単に名前を借りるだけでなく、プリンスの持つ「既存の枠に囚われない革新性」をキャラクターの精神性に投影させているのです。
- 時代を映す鏡としての音楽荒木先生はビリー・アイリッシュやダフト・パンクといった現代のアーティストも積極的に聴いています。新しい時代の空気感を漫画に取り入れるためのアンテナとして音楽を活用しており、そこには「流行っているから使う」という安易な気持ちではなく、一人の音楽ファンとしての探究心があります。
- 洋楽への「恩返し」としての命名荒木先生はインタビュー等で、自分が素晴らしい音楽から受けた感動を、作品を通じて読者に伝えたいという趣旨の発言をされています。実際にジョジョをきっかけにイエスやバングルスを知り、レコードショップに足を運んだ若者は世界中に数えきれないほど存在します。
海外での反応と「著作権」という高い壁
「ジョジョの洋楽ネタがうざい」という現象は、日本国内だけではありません。むしろ海外の音楽コミュニティの方が、より激しい議論が交わされることもあります。
海外でのジョジョ人気は凄まじく、YouTubeのコメント欄が英語のジョジョネタで埋まるのは日常茶飯事です。しかし、そこには海外ならではの事情も絡んでいます。
- 名前が変わってしまう「ローカライズ」問題海外でアニメやゲームを展開する際、音楽の商標権やパブリシティ権の問題が非常に厳しく立ちはだかります。そのため、海外版では名前が変更されるのが通例です。
- キラークイーン → Deadly Queen
- スティキィ・フィンガーズ → Zipper Man
- ゴールド・エクスペリエンス → Golden Windこうした「改名」があるからこそ、海外ファンは「本物の名前(元ネタの曲)」に対してより強い執着を持ち、元ネタの動画に集まるという側面があるのです。
- アーティスト公認のケースも一方で、ポジティブな反応もあります。キング・クリムゾンの公式側がジョジョのミームを面白がって紹介したり、アーティスト本人が「自分の曲がアニメに使われて嬉しい」と反応したりすることもあります。こうしたWin-Winの関係が築けている場合は、ファンも安心して交流を楽しめているようです。
嫌われないための「推し活」マナー
ジョジョをきっかけに素晴らしい音楽に出会えるのは、とても素敵なことです。しかし、その喜びを表現する場所と方法を間違えると、誰かを不快にさせてしまいます。
これからは、以下のポイントを意識して音楽を楽しんでみませんか?
- コメント欄では「音楽」を主役にするもしYouTubeなどにコメントを残すなら、「ジョジョから来ました」だけで終わらせず、「このギターのリフがかっこいい」「歌詞のここが好き」といった、音楽そのものに対する感想を添えるようにしましょう。
- 「隠れ家」を使い分ける作品の話を思いっきりしたい時は、SNSのハッシュタグや専用の掲示板、ファンコミュニティを活用しましょう。一般の音楽動画は「みんなの場所」であることを忘れないのが大切です。
- アーティストへの敬意を忘れない「ジョジョに採用されたから名曲になった」のではなく、「名曲だからジョジョに採用された」のです。この優先順位を間違えないようにしましょう。
- 実際に音楽を聴き込む名前を知っているだけでなく、Amazon MusicなどのサブスクやCDでアルバム全体を聴いてみる。アーティストの歴史を調べてみる。そうすることで、荒木先生がなぜその名前を選んだのか、より深い意図が見えてくるはずです。
まとめ:ジョジョの洋楽ネタが「うざい」と言われる理由は?嫌われる原因と楽しむマナーを解説
ジョジョと洋楽は、切っても切れない密接な関係にあります。荒木飛呂彦先生が音楽から受け取った情熱が、あの熱い物語を生み出しました。
「ジョジョの洋楽ネタがうざい」という批判は、作品そのものへの否定ではなく、一部のファンの振る舞いに対する拒否反応であることがほとんどです。ファン一人ひとりが、元ネタとなったアーティストやその楽曲を愛する他のリスナーを尊重することで、この不必要な摩擦は減らしていくことができます。
ジョジョというフィルターを通して、ローリング・ストーンズやレッド・ツェッペリンといった偉大なレジェンドたちの音に触れる。それは人生を豊かにする素晴らしい体験です。
マナーを守って、黄金のような音楽体験を楽しみましょう。あなたの書き込みが、誰かにとっての「新しい音楽との出会い」を邪魔するものではなく、祝福するものになることを願っています。


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