「ジョジョの奇妙な冒険」を読み進めていると、ふと誰もが抱く疑問がありますよね。それは、なぜこの物語に出てくる飛行機は、こうもあっさりと墜落してしまうのか……という点です。
特に第2部の主人公であり、第3部、第4部と長きにわたって活躍するジョセフ・ジョースター。彼が乗り込む飛行機には、もはや「墜落」という運命がセットで付いてきていると言っても過言ではありません。ファンの間では「ジョセフと一緒に飛行機に乗るなら遺書を書け」とまで囁かれるほど。
今回は、ジョジョにおける飛行機事故の歴史と、ジョセフが打ち立てた不名誉な記録、そして作品全体に漂う「乗り物のジンクス」について、ディープに解説していきます。
ジョセフ・ジョースターと飛行機の「不吉な関係」
ジョジョ史上、最も飛行機を落とした男といえば、間違いなくジョセフ・ジョースターです。彼は作中で、自らが関与して飛行機を墜落、あるいは不時着させた回数がなんと「4回」にものぼります。
物語の中で彼は、不動産王として巨万の富を築いていますが、どんなに高級な機体を用意しても、運命の女神(あるいは荒木飛呂彦先生の筆)は彼を優雅な空の旅へと導いてはくれません。
1度目の墜落:ニューヨーク上空のハイジャック
最初の事故は第2部、吸血鬼と化したストレイツォとの戦いの中で起こりました。ジョセフは追っ手から逃れるため、そして戦う場所を選ぶためにヘリコプター(あるいは小型機)を奪って空へ飛び出しますが、結局は墜落。若き日のジョセフにとって、これが「空の受難」の幕開けとなりました。
2度目の墜落:究極生命体カーズとの最終決戦
第2部のクライマックス、最強の敵・カーズを火山へ叩き落とすため、ジョセフはプロペラ機を操縦して特攻を仕掛けます。これは「世界を救うための戦略的墜落」ではありましたが、機体は見事に大破。ドイツ軍の科学力の結晶も、ジョセフの墜落運命には勝てませんでした。
3度目の墜落:エジプトへの旅路、香港沖
第3部で承太郎たちとエジプトへ向かう際、スピードワゴン財団が用意した豪華な機内。ここでスタンド「タワー・オブ・グレー(灰の塔)」の襲撃に遭います。
昆虫型のスタンドによって操縦士が殺害され、ジョセフが必死に操縦桿を握りますが、最終的には香港沖の海へ不時着。この際、ジョセフ自身が「人生で3度目だ」と自虐的に語るシーンは有名です。
4度目の墜落:赤ん坊のスタンド使い「デス13」
同じく第3部、セスナ機で砂漠を越えようとした一行を悲劇が襲います。赤ん坊であるマニッシュ・ボーイのスタンド攻撃により、操縦していたジョセフが眠らされてしまったのです。
制御を失ったセスナはヤシの木に激突して大破。これが、公式にカウントされるジョセフ4度目の墜落劇となりました。
飛行機だけじゃない!ジョースター一行を襲う「乗り物の呪い」
実は、ジョジョの世界で壊れるのは飛行機だけではありません。特に第3部の「スターダストクルセイダース」では、エジプトへたどり着くまでの移動手段がことごとく破壊されています。
- 豪華客船: 偽船長が化けていたスタンド「ダークブルー・ムーン」の戦いで爆破・沈没。
- 貨物船: 巨大な船そのものがスタンドだった「ストレングス」戦で消滅。
- 車: 山道を走れば「ホイール・オブ・フォーチュン」に襲われ、火だるまに。
- 潜水艦: スピードワゴン財団が誇る最新鋭の潜水艦も、「ハイ・プリエステス」に噛み砕かれて海の藻屑に。
こうして見ると、ジョセフの墜落癖というよりも、ジョースター一行が「何かに乗って移動すること」自体がフラグになっていることがわかります。彼らが目的地に着くためには、自分の足で歩くか、ラクダに乗るしかない……。そんな過酷な旅路が、第3部の面白さを支えていました。
第5部・第6部へと引き継がれる「墜落の系譜」
ジョセフが前線を退いた後のシリーズでも、飛行機の受難は続きます。
ノトーリアス・B・I・Gという絶望(第5部)
ジョルノたちがサルディニア島へ向かうために奪ったプライベートジェット。ここには、本体の死によって発動する無敵のスタンド「ノトーリアス・B・I・G」が潜んでいました。
エンジンを食われ、コクピットを破壊され、機体は空中分解しながら海へ。この絶望的な状況下で、トリッシュのスタンド「スパイス・ガール」が覚醒した名シーンですが、やはり「飛行機は無事では済まない」という伝統が守られました。
過去の記憶が呼び起こす悲劇(第6部)
第6部「ストーンオーシャン」では、敵・ドナテロ・ヴェルサスのスタンド「アンダー・ワールド」が登場します。この能力は「地面が記憶している過去の出来事」を掘り起こすもの。
ここで徐倫たちは、1972年に実際に起きた飛行機墜落事故の記憶の中に閉じ込められます。逃げ場のない機内、迫りくる地面。荒木先生の描く飛行機事故の恐怖が、最もリアルに、そしてグロテスクに表現されたエピソードと言えるでしょう。
なぜジョジョの飛行機は落ち続けなければならないのか?
メタ的な視点で考えると、これには物語構成上の明確な理由があります。
もし、ジョセフや承太郎たちが飛行機で何の問題もなくエジプトに到着してしまったら、道中のスタンド使いとの死闘や、仲間との絆を深めるエピソードがすべてカットされてしまいます。
「飛行機を落とす」という行為は、キャラクターを足止めし、陸路や海路という「困難な道」を選ばせるための、避けては通れないイベントなのです。
また、閉鎖空間である機内は、スタンドバトルにおいて非常に緊張感のある舞台になります。逃げ場のない高度1万メートルで、誰が敵かわからない恐怖。このシチュエーションを最大限に活かすために、飛行機は格好のターゲットにされてきたのです。
ジョセフの「墜落ジンクス」は、こうした物語の要請から生まれた、ファンへのサービス精神の表れとも言えるかもしれません。
現代の旅に役立つ(?)ジョジョ的・護身アイテム
ジョジョの飛行機事故を見て「飛行機に乗るのが怖くなった」という方はいないかもしれませんが、旅のトラブルは現実でもつきものです。ジョセフのようなタフさを手に入れることは難しくても、移動中のストレスを軽減する準備はしておきたいもの。
例えば、長時間のフライトや移動中にノイズキャンセリングヘッドホンがあれば、周囲の騒音をカットして自分の世界に没入できます。万が一、スタンド攻撃のような不測の事態(あるいは単なる遅延)が起きても、冷静さを保つ助けになるはずです。
また、旅先での記録や情報収集に欠かせないスマートフォンや、万一のバッテリー切れを防ぐモバイルバッテリーは、現代の冒険者にとっての「スタンド能力」と言っても過言ではありません。
ジョセフなら、きっと最新のガジェットを駆使しつつも、最後にはやっぱり乗り物を壊してしまうのでしょうが、私たちは万全の準備で安全な旅を楽しみたいですね。
まとめ:ジョジョの飛行機はなぜ落ちる?ジョセフの墜落回数と「ジンクス」の真相を徹底解説!
改めて振り返ってみると、ジョセフ・ジョースターという男の波乱万丈な人生が、そのまま「墜落の歴史」に反映されていることがわかります。
- ジョセフが落とした飛行機は合計4回。
- それは単なる不運ではなく、物語を盛り上げるための「黄金の足止め」。
- ジョースターの血統は、飛行機以外の乗り物とも相性が悪い。
ジョセフが第4部で「船」を使って日本へやってきたのは、彼なりの学習の結果だったのかもしれません。もっとも、その船旅でさえ「透明な赤ん坊」というトラブルに見舞われるあたり、彼の「引きの強さ」は健在でしたが。
ジョジョの物語を再読する際は、ぜひ「次に何が壊れるのか」という視点で乗り物たちに注目してみてください。荒木先生が描く、美しくも絶望的な「墜落の美学」が、そこには隠されています。
次にあなたが飛行機に乗るとき、隣の席に多弁でガッチリした体格の老紳士が座っていないことを祈ります。もし座っていたら……その時は、覚悟を決めるしかないかもしれませんね!

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