パリオリンピックや世界陸上の舞台で、スタート直前の静寂を切り裂くように鮮烈なポーズを決める一人の若きハードラーがいます。彼の名は村竹ラシッド選手。日本陸上界の歴史を塗り替える圧倒的な実力もさることながら、彼が披露する「ジョジョ立ち」が今、世界中のファンを熱狂させているのをご存知でしょうか。
「あのポーズにはどんな意味があるの?」「元ネタのキャラクターは誰?」そんな疑問を持つ方のために、今回は村竹ラシッド選手の魅力と、彼が愛してやまない『ジョジョの奇妙な冒険』の世界観、そして驚異的な競技経歴について深掘りしていきます。
日本陸上界の異端児、村竹ラシッドとは何者か
まずは、村竹ラシッド選手のプロフィールからおさらいしましょう。彼は2002年生まれ、千葉県松戸市出身のアスリートです。順天堂大学を経て、現在はJAL(日本航空)に所属しています。
専門は男子110メートルハードル。この種目は、高さ1.067メートルのハードルを10台飛び越えながら110メートルを駆け抜ける、極めて高い技術とスピードが要求される競技です。村竹選手はその類まれなるバネと、ハードルをなめるように越えていく洗練されたフォームを武器に、瞬く間に日本のトップへと登り詰めました。
特筆すべきは、2025年にマークした12秒92という日本新記録です。それまで日本人が到達できなかった「13秒の壁」を、彼はついにぶち破りました。これは世界でもトップクラスに食い込むタイムであり、彼がただの「パフォーマンスが派手な選手」ではなく、正真正銘の「世界基準の怪物」であることを証明しています。
なぜ大舞台で「ジョジョ立ち」を披露するのか
陸上競技、特に短距離種目は、スタート前の一瞬の集中力が勝敗を分けます。多くの選手が険しい表情で精神を統一する中、村竹選手はカメラに向かって大胆な「ジョジョ立ち」を決めます。これには、彼なりの深い理由があるようです。
一つは、極限状態におけるメンタルコントロールです。オリンピックや世界陸上の決勝という、心臓が口から飛び出しそうなほどの緊張感の中で、あえて自分の好きな漫画のポーズを取る。これにより、「ここは戦場だけど、同時に楽しむ場所でもある」と自分に言い聞かせているのです。
また、彼はインタビューで「自分は敵役(ヴィラン)に惹かれる」とも語っています。ジョジョの物語において、圧倒的な強さと独自の哲学を持つ悪役たち。その姿を自分に重ね合わせることで、孤独なレーンの中で戦うための強固な精神を作り上げているのかもしれません。
パリ五輪を沸かせた「ジョナサン・ジョースター」の魂
2024年、パリオリンピック。日本人としてこの種目で初めて決勝の舞台に立った村竹選手が選んだのは、ジョジョの物語の原点、第1部の主人公ジョナサン・ジョースターのポーズでした。
左手を顔の前にかざし、指の間から鋭い視線を送るその姿は、まさに「ふるえるぞハート!燃え尽きるほどヒート!」という作中の名台詞を体現しているようでした。この時、SNSでは「村竹選手、ジョジョ立ち決めた!」「再現度が高すぎる」と大きな話題になり、競技を知らない層からも注目を集めるきっかけとなりました。
五輪という最高の舞台で、ジョジョの原点回帰とも言えるポーズを選んだところに、彼の作品に対する深いリスペクトが感じられます。
東京世界陸上で降臨した「プッチ神父」と「試練」の意味
2025年、東京で開催された世界陸上。ここでも彼はファンを驚かせました。披露されたのは、第6部「ストーンオーシャン」の宿敵、エンリコ・プッチ神父のポーズです。
掌を合わせ、静かに祈りを捧げるような、あるいは運命を受け入れるような独特の構え。これには伏線がありました。大会前、村竹選手は自身のSNSで、プッチ神父のスタンド(特殊能力)である「ホワイトスネイク」を連想させるBGMを使用していたのです。
なぜ、聖職者でありながら冷酷な悪役であるプッチ神父だったのか。それは、村竹選手が当時抱えていた「試練」と関係があると言われています。怪我やプレッシャーといった困難を、作中の哲学になぞらえて「克服すべき運命」と捉えていたのでしょう。彼にとってジョジョ立ちは、単なるファンサービスを超えた、勝利への儀式なのです。
最愛のキャラクターは「究極の生命体」カーズ
多くの魅力的なキャラクターが登場するジョジョシリーズの中で、村竹選手が「最も好き」と公言しているのが、第2部のボスであるカーズです。
カーズは、太陽を克服し、地球上のあらゆる生物の能力を併せ持つ「究極の生命体(アルティメット・シイング)」へと進化を遂げる存在です。一切の妥協を許さず、目的のために非情なまでに突き進むカーズの姿は、コンマ数秒を削り続けるアスリートのストイックさと共鳴する部分があるのかもしれません。
もし彼がいつか、レース後にカーズの「勝てばよかろうなのだァァァァッ!!」という台詞を彷彿とさせる圧倒的な勝利を見せてくれたら、ファンとしてはこれ以上ない胸熱な展開になるでしょう。
競技生活を支えるこだわりの趣味と愛用品
村竹選手は、競技場を離れれば20代の青年らしい一面も持っています。自他共に認めるゲーマーであり、大きな大会が終わった後には、自分へのご褒美として新作ソフトを購入するのが恒例となっています。
例えば、パリオリンピック後にはゼルダの伝説シリーズを2本まとめて購入したというエピソードも。ハードな練習で疲れた脳を、ハイラルの大地を冒険することでリフレッシュさせているようです。
また、日々のトレーニングや移動中には、音楽も欠かせません。高音質なAirPods Proなどを活用し、お気に入りのアニメソングやゲームミュージックを聴きながら、集中力を高めている姿が想像できます。
12秒92、その先にある「黄金の体験」
現在、村竹選手が見据えているのは、日本人初のメダル獲得、そしてさらなる記録の更新です。12秒92という数字は、あくまで通過点に過ぎません。
彼がハードルを越えるたびに、私たちはそこに「勇気」を見出します。ジョジョの作者・荒木飛呂彦先生が描き続けてきたテーマは「人間讃歌」です。困難に立ち向かい、自らの運命を切り拓いていく人間の素晴らしさを、村竹選手はトラックの上で表現しているのです。
彼が次にどのキャラクターのポーズを決めるのか。それは誰にも分かりません。しかし、そのポーズの裏には必ず、勝利への執念と作品への愛が込められているはずです。
まとめ:村竹ラシッドのジョジョ立ちが話題!プッチ神父やカーズなど元ネタと経歴を徹底解説
いかがでしたでしょうか。村竹ラシッド選手がなぜこれほどまでに多くの人を惹きつけるのか、その理由が見えてきたかと思います。
圧倒的な実力で日本記録を塗り替えるアスリートとしての顔。そして、大好きなジョジョの世界観を借りて自らを鼓舞する、一人のファンとしての顔。その両面があるからこそ、彼の走りは見る者の心を揺さぶります。
「ジョジョ立ち」は、単なるお遊びではありません。それは、世界という荒波の中で、自分を見失わずに戦い抜くための、彼なりの「黄金の精神」の現れなのです。
これからも、村竹選手がハードルを跳び越えるたびに、私たちは心の中で叫ぶことになるでしょう。「最高に『ハイ!』ってやつだぜ!」と。
次に彼が立つスタートライン。そこで繰り出される新たなポーズと、歴史を刻む快走から目が離せません。皆さんもぜひ、ジョジョの奇妙な冒険を読み返して、彼のポーズの元ネタを予習しながら、次なるレースを応援しましょう!


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