「光る雲を突き抜けFly Away!」……このフレーズを聞くだけで、胸が熱くなる世代も多いのではないでしょうか。世界中で愛され続ける伝説的冒険活劇、ドラゴンボール。その物語の締めくくりを彩ってきた「エンディング(ED)」には、本編の激しいバトルとはまた違った、切なさや希望、そして作者・鳥山明先生が込めたメッセージが凝縮されています。
今回は、初代から最新作まで、歴代のドラゴンボール エンディングを振り返りながら、ファンを虜にする名曲の秘密や、今なお議論が絶えない最終回の演出について深掘りしていきます。
初代「ロマンティックあげるよ」に込められた少女の成長
ドラゴンボールの歴史を語る上で、初代エンディング曲「ロマンティックあげるよ」を外すことはできません。橋本潮さんの透明感のある歌声に乗せて流れるこの曲は、実は「悟空の物語」というより「ブルマの物語」としての側面が強く描かれています。
窓の外を眺めるブルマが象徴するもの
イントロと共に映し出されるのは、雨上がりの窓辺で遠くを見つめるブルマの姿です。初期のドラゴンボールは、摩訶不思議なアドベンチャーであると同時に、思春期の少女が恋や夢を追い求めるロードムービーでもありました。
歌詞に隠された「冒険心」へのエール
作詞を手掛けたのは、数々のヒット曲を生み出した吉田健美氏。「大人のフリしてあきらめちゃ 奇跡の謎など解けないよ」というフレーズは、大人になった今こそ胸に刺さります。激しい修行やバトルの後に、このしっとりとしたバラードが流れることで、視聴者は一気に「冒険の余韻」に浸ることができたのです。
ドラゴンボールZのEDが示した「戦士の休息」と「世代交代」
シリーズ最大のヒットとなった『ドラゴンボールZ』では、エンディングもまた物語のフェーズに合わせて進化していきました。
遊び心満載の「でてこいとびきりZENKAIパワー!」
初期EDであるこの曲には、有名な「逆再生」の仕掛けがありました。イントロの不思議な呪文のような音声を逆再生すると、当時の制作スタッフたちの名前や「頑張ったんだ」というメッセージが聞こえてくるというものです。こうした制作陣の遊び心が、作品全体の熱量を支えていたのかもしれません。
泣ける名曲「僕達は天使だった」の深み
セル編から魔人ブウ編にかけて使用された「僕達は天使だった」は、今でもファン投票で常に上位に入る人気曲です。
- 羽の生えた悟空: 映像では、背中に白い羽が生えた悟空が優しく微笑んでいます。これは、一度命を落とした悟空が「死者」として現世を見守っている状況を示唆しており、どこか神々しくも切ない雰囲気を醸し出しています。
- 次世代へのバトン: 歌詞にある「情熱の行方は誰にも聞けない」という言葉は、成長した悟飯や、これからを担う悟天・トランクスといった次世代への期待と、去りゆく先代の寂しさが同居しているようです。
GT最終回と「DAN DAN 心魅かれてく」の伝説
アニメオリジナルシリーズである『ドラゴンボールGT』は、その最終回とエンディングの演出において、シリーズ中最も「泣ける」と言われることが多い作品です。
坂井泉水(ZARD)が綴った「悟空への想い」
主題歌であり、最終回のエンディングとしても使われた「DAN DAN 心魅かれてく」。作詞の坂井泉水さんは、直接的に「悟空」という名前は出していませんが、「この宇宙の希望の星」という表現で、宇宙を救い続ける彼への敬意を表現しました。
悟空はどこへ行ったのか?最終回の考察
GTの最終回「さらば悟空…また会う日まで」のエンディング映像は、過去の全ての冒険を振り返るプレイバック形式でした。
- 神龍との一体化: 悟空が神龍の背に乗り、ドラゴンボールが体の中に消えていく描写は、「悟空が人間を超えた高次の存在になった」ことを示していると言われています。
- 消えた道着: 最後に残されたボロボロの道着をパンが見つけるシーンは、多くの視聴者に「死」と「昇天」を予感させ、深い感動を呼び起こしました。
ドラゴンボール超で描かれた現代的なエンディングの形
復活を遂げた『ドラゴンボール超』では、それまでの1曲を長く使うスタイルから、1クールごとにアーティストが変わる現代的なスタイルへと変化しました。
豪華アーティストによる競演
吉井和哉さんやアルカラ、ROTTENGRAFFTYなど、ロック界のレジェンドから実力派バンドまでが名を連ねました。特に「70cm四方の窓辺」などは、サバイバル編のピリついた空気感と見事にマッチしていましたね。
日常とバトルのコントラスト
『超』のエンディング映像の多くは、キャラクターたちの「日常」に焦点を当てています。ベジータが家族と過ごす姿や、ピッコロがパンの世話をする様子など、かつての敵たちが手に入れた平穏を感じさせる演出は、長年のファンにとって最高のご褒美となりました。
最新作『DAIMA』と未来へ続くドラゴンボール エンディング
2024年から始まった最新シリーズ『ドラゴンボールDAIMA(ダイマ)』。ここでも、新しいエンディングが大きな話題を呼んでいます。
ZeddとAIが織りなす「NAKAMA」
世界的なプロデューサーであるゼッドが手掛け、AIさんが歌い上げるED曲「NAKAMA」は、これまでのシリーズとは一線を画すスタイリッシュなサウンドです。しかし、その根底にあるのは「絆」という不変のテーマ。小さくなってしまった悟空たちが、未知の世界へ踏み出すワクワク感が、現代的なリズムで見事に表現されています。
漫画版のラストとアニメ版エンディングの決定的な違い
アニメのエンディングだけでなく、原作漫画の「終わり方」についても触れておきましょう。鳥山明先生が描いた最終回は、アニメとはまた違った後味を残します。
ウーブに託された希望
魔人ブウの生まれ変わりである少年・ウーブを連れて、悟空が修行に旅立つシーン。これが原作のラストです。「もっと強くしてやるからな!」という悟空のセリフは、物語がこれからもずっと続いていくことを予感させました。
完全版での加筆修正
後に発売されたドラゴンボール 完全版では、ラストシーンに数ページ加筆されています。
- ベジータの決意: 遠ざかる悟空を見送りながら、ベジータが「いつか勝ってみせる」と心の中で誓う描写が追加されました。
- 筋斗雲の継承: 悟空がウーブに筋斗雲を譲るシーンは、物語の円環(サイクル)を感じさせる素晴らしい演出です。
ドラゴンボールを彩るアイテムたち
長年のファンなら、エンディング映像に登場するガジェットや衣装にも注目したいところです。
初期のエンディングでブルマが持っていたドラゴンレーダーや、悟空が愛用していた如意棒。これらは今や、ファンアイテムとしても非常に人気があります。例えば、ドラゴンボール フィギュアや、劇中の衣装をモチーフにしたドラゴンボール Tシャツをコレクションすることで、当時の感動を日常でも味わうことができます。
また、歴代のエンディング曲を網羅したドラゴンボール 主題歌 ベストアルバムを聴きながら、当時の自分に思いを馳せるのも、大人ならではの楽しみ方ではないでしょうか。
まとめ:ドラゴンボール エンディングが私たちに教えてくれたこと
ドラゴンボールという作品にとって、エンディングは単なる「終わりの合図」ではありませんでした。それは、激しい戦いの中で忘れそうになる「優しさ」や「冒険への純粋な好奇心」を思い出させてくれる大切な時間だったのです。
「ロマンティックあげるよ」から「NAKAMA」まで、時代と共に形を変えながらも、常に私たちの背中を押してくれるメッセージがそこにはありました。悟空たちが物語の中で見せてくれた「あきらめない心」は、名曲たちと共に私たちの記憶に刻み込まれています。
あなたはどの時代のエンディングが一番心に残っていますか?たまにはゆっくりと当時の映像を見返して、あの頃のワクワク感を思い出してみてはいかがでしょうか。
これからも続いていく悟空たちの物語。その新しいドラゴンボール エンディングがどのような景色を見せてくれるのか、期待に胸を膨らませて待ちましょう。

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